仮想通貨のレンディングとは
レンディングとは、ユーザーが保有している仮想通貨を取引所に貸し出し、その分のレンタル料を得ることを言います。レンタル料は利息のようなイメージで、言ってみれば銀行に現金を貸し出しているのと同じ状態です。
レンディングによって得られる利益は、金利によるリターンです。そのため、レンディングを行えば、通貨が下落しない限りは必ず利益が出ることになります。さらに通貨が上昇したら、金利による利益に加えて、通貨の上昇分の利益も得られます。そのため、投資額が大きければ大きいほど大きな利益を得られる可能性が高くなります。もちろん、通貨価値下落のリスクが常に付きまとうことは忘れてはならないでしょう。
レンディングを行うことのメリットは、何といっても売買しなくてもお金が得られるということです。仕事や学業、家事などに追われて売買する時間がない方や、しばらく仮想通貨を手放さずに長期保有する方などにおすすめのサービスです。
また、レンディングで得た利益は税金がかかってきます。レンディングでは金利による利益を得られるので、一見利子所得なのではないかと思われるかも知れません。しかし、利子所得になる分野は法律で決められており、仮想通貨はそれに該当しません。副業などでお馴染みの雑所得として扱われます。また、価格変動によって得られた利益も雑所得となるので、「金利+変動」を合わせた金額がレンディングによる雑所得となるので注意してください。
レンディングが可能な取引所
それではレンディングを行うとき、どこで行えばよいのでしょうか。実はレンディングのサービスはどこでも行われているわけではありません。国内でレンディングのサービスを提供している所は、GMOコイン、ビットバンク、コインチェックです。現在コインチェックは新規の口座登録を中止しているので、これからレンディングを行いたい人はGMOコインかビットバンクを選びましょう。どちらも金融庁が仮想通貨交換業者と認定しているので安心できる所と言えるでしょう。
次に実際にレンディングを行うことを考えてみましょう。レンディングを行うときは、口座を開設する必要があります。口座開設はと手も簡単で、オンラインですべて完結させることができます。メールアドレスとスマートフォン、それに運転免許証などの本人確認書類があれば、登録可能です。口座を開設したら、日本円の入金を行って仮想通貨を手に入れましょう。
ただし、レンディングを行うときの最低金額が設定されており、GMOコインが0.001BTC、ビットバンクは1BTCとなっています。特にビットバンクではレンディングを行うときにはまとまったお金が必要なので注意しましょう。ただ、先ほども少し触れたように、まとまった利益を出そうと思えば大きな金額が必要となります。数万円以上の利益を出したい方は、ビットバンクの最低金額である1BTCは用意しておきたいものです。
各レンディングサービスの比較
各取引所では同じ「レンディング」という名前でサービスの提供が行われていますが、サービス内容が微妙に異なります。例えば、対応している仮想通貨はその代表と言っていいでしょう。先ほど挙げた取引所で比較すると、ビットバンクやコインチェックがビットコインのみに対応しているのに対して、GMOコインではビットコインのほか、イーサリアムやリップルなど4種類のアルトコインにも対応しています。
また、レンディングの期間も取り扱い企業によってまちまちです。GMOコインではビットコインが90日、アルトコインが150日、ビットバンクでは1年と年数が決まっているのに対して、コインチェックでは14日、30日、90日、365日から選択可能となっています。
また、解約手数料の取り扱いについても取り扱い企業で異なります。通貨の急落や事情があって仮想通貨をすぐに取引所から出金せざるを得ないことも、可能性として無いわけではありません。そのようなとき、レンディングを解約する必要があります。銀行の定期預金をイメージしていただければわかりやすいのですが、借りる側からすれば一定期間預けてくれるから金利を払ってもよいと考えているわけで、途中で解約されると金利を払う意味がなくなります。
そこで、解約手数料というのが設けられています。GMOコインやビットバンクでは原則5パーセントの途中解約手数料が必要になります。また、コインチェックのように途中解約が一切認められていない所もあります。少しでも途中解約の可能性があれば、事前に調べて解約できる所を選択しましょう。
仮想通貨のレンディングを行うリスク
仮想通貨のレンディングを行うときのリスクというのはいったいどんなものがあるのでしょうか。これらはレンディングを行うときのデメリットとして指摘されているものです。第一に預け先の取引所が破綻してしまうリスクというのが考えられます。近年ニュースになっているように、ハッキングの攻撃に合うという危険性が常にあります。また、経営不振から倒産してしまう可能性もないわけではありません。そのような場合、レンディングによって貸し出した通貨が補償されない可能性が高くなってしまいます。
もう一つのリスクは、先ほど少し触れましたが、通貨の値動きに関するものです。仮想通貨のボラティリティが大きいのはよく知られている事実で、ボラティリティの大きさによって大きな損失を出してしまう可能性があります。もしも保有している通貨が急落してしまった場合、通常であれば損失拡大を防ぐために売却するでしょう。しかし、レンディングを行っている場合は通貨の売却を行うことができません。
売却を行うにはレンディングの契約を中断する必要があり、解約手数料が発生してしまいます。急落するということは急騰する可能性もあるので、一概にデメリットと言えないかもしれませんが、途中で手放すことができないのはやはり大きなリスクと言ってよいでしょう。
海外取引所でレンディングを行うメリット・デメリット
現在多くの海外取引所が存在しており、取り扱い通貨の豊富さなどのメリットから口座を開くユーザーが増え続けています。そんな海外でもレンディングサービスは行われています。海外取引所で行われるレンディングの最大の特徴はユーザー同士で直接トレードが行われるということです。国内取引所の場合は取引所に貸し出すことになります。金利は変動制をとっているサービスが多く、場合によっては高金利で貸し出すことができるかもしれません。
さらに、レンディングできる通貨がとても豊富です。例えばBitfinexでは全部で20種類以上の通貨のレンディングが可能です。ビットコインなどの仮想通貨はもちろん、米ドルやユーロなどの法定通貨のレンディングも可能となっています。この選択肢の多さが海外でレンディングを行う最大のメリットといえるでしょう。
ここまでの説明を聞くと、海外でレンディングを行うことはメリットばかりのように思えるかもしれません。しかし、デメリットもあります。その一つとしてレンディングを行うときに手数料が発生することです。例えば、PoloniexやBitfinexでは15パーセントの手数料がかかってしまいます。また、日本語のサポートがない所では、スムーズにレンディングの操作ができないかも知れません。このようなデメリットを考慮したうえで、レンディングを国内で行うか海外で行うかを判断しましょう。