2018年は長いこと低迷してしまった仮想通貨ですが、まだまだ世の中に認知されているとはいえ、浸透しているとは到底言えません。仮想通貨の真価が発揮されるのはこれからであると、多くの関係者が推測しています。そんな仮想通貨ですが、価格予想を行うことは果たしてできるのでしょうか?いうまでもなく、正確な未来を見通すことなど、どんな達人にも、人工知能にも不可能です。それでも価格予想を行うこと自体は大きな意義があります。
一つの判断軸としての価格予想があれば、予想が当たったとき、もしくは的外れだったときが「売り時」であるなどの判断ができるようになるためです。仮想通貨はある意味で市場の需要と供給によってのみ価格が決まっているもので、「適正価格」はありません。だからこそ自分なりに手探りながらも何らかの判断指標をもって冷静な売買を行うことが大切です。
仮想通貨の価格予想のやり方
仮想通貨の価格を「正確に予想」することが難しいことは前提に置いた上で、具体的にどのような価格予想の手法があるのかを簡単に考察します。具体的には、大きく分けて「ファンダメンタル」的な価格予想と「テクニカル」的な価格予想です。
ファンダメンタルとは、その仮想通貨の将来性から価格予想を行う考え方です。比較的長期のスパンでの価格予想に用いられます。たとえば「ビットコインが2020年までに300万円になるだろう」といったような形です。これは、2020年までのビットコインが300万円でも買い手がつくくらいの価値を持っているであろうという予測をもとにしています。
それが達成されるために、たとえば技術的な要素としてどういったポイントをクリアしているかといったところや、市場にどの程度浸透しているかといった条件を仮定し、推測するような考え方になってきます。価格予想の前提そのものが予想なので、長期になればなるほど、予想が難しくなります。
一方で短期的な値動きから価格予想するテクニカルであれば、スパンも短く、またチャートといった判断材料もあるので比較的予想しやすい指標として活用しやすいです。自身がどういったスタンスで仮想通貨を保有するのかによって、上手く併用しながら参考にしてみてください。
仮想通貨の価格予想は短期的な相場で考える
前述の内容のうち、テクニカル面について具体的になぜ比較的短期で予想がしやすいのか、考察します。たとえば、ビットコインで言うと、昨年末、ほんの一瞬ですが240万円という価格をつけた後、暴落しました。逆に言うと、200万円以上で買った人が一定数以上いる、ということを意味します。
それらの方はとっくに損切してしまったかもしれませんが、もしかしたら損失を確定させるのが嫌で、含み損を抱えたままかもしれません。ビットコインが急上昇し、再び200万円を超える勢いとなったとき、含み損を抱えていた人たちが一斉に売り始めます。となると、その価格上昇の判断基準は240万円前後をピークに一度止まる可能性が高いという判断ができます。
また、「含み損組」が手放すことを見越して「念のため売っておこう」と考える層が出てくると、売り圧力はさらに増します。逆に、ビットコインは低迷しながらも、60万円台まで落ちると、大量の買いが入ります。これは、ビットコインはそれ以上値段が下がることはないと世間の大多数が考えているため、その価格帯では売りよりも買いが先行し、価格が支えられていることを意味します。
これも立派な価格予想の一つです。本当はもう少し様々な思惑が絡んでくるのですが、投資の相場は思惑で形成されているので、短期的な価格予想は長期的な予想に比べると比較的容易です。
仮想通貨の価格予想は銘柄を絞る
繰り返しになりますが、期間が長くなればなるほど正確な価格予想が行える仮想通貨などは一つも存在しません。「価値がなくなる可能性が極めて高い仮想通貨」の予想は比較的容易であるかもしれませんが、有望、人気な銘柄の内、将来本当に価値を持つものがどれか、ということは誰にも予測ができないためです。ただし、そういった銘柄のなかでも、比較的価格予想が行いやすいものと、非常に難しいものとが存在します。
どういうことかというと「その仮想通貨が描く世界が実現した時」の経済効果が測定しやすい物であれば、仮想通貨の価値というのも比較的「上限」が予測しやすいものとなりますし、その経済効果が全く想像もつかないようなものであれば、その将来性を正確に言い表す難易度も格段に上がります。
たとえば、効果測定がしやすい銘柄の一つとしてリップル(XRP)が挙げられます。リップルの価格予想の中で、現実的かつ最も強気なものは1XRP=6,200円というものです。現在の100倍以上の価値がつくという予想になります。
この数字の根拠は「世界中の金融機関がリップルの送金システムを採用した場合の経済効果」から算出されています。もちろん、可能性は0ではないながらも数年で実現するとは言えない状態ですし、別の思惑でそれ以上の価格となる可能性もあります。しかし、仮想通貨を長期的な投資対象と考える上で、「理想状態が実現した際の経済効果を算出できるか」は一つの銘柄選定の上での重要な要素になってきます。
仮想通貨の価格予想にウェブボットを活用
仮想通貨の価格予想にウェブボットを活用できないかという発想があります。ウェブボットとは、インターネット上の不特定多数の書き込みの内容を収集し、その時々の人間の集団心理を分析するツールです。結論としてはウェブボットを使ったからといって正確な価格予想ができるわけではないですが、参考値としては大いに活用できるかもしれません。
仮想通貨の価値を決めるのは人々の需要と供給です。株価も短期的な値動きとしては人々の需要と供給で売買されている部分もありますが、「売上」「利益」といった実態がある以上、長期的に見ると、適正な価格へと向かっていきます。
一方で「適正な価格」の測定が難しい貸す通貨は完全に市場の需要と供給に委ねられているといえます。現在約70万円のビットコインですが、200万円でも欲しい!というのが世間の認識になれば200万円以上の値段になりますし、10万円でも売った方がマシだ!というのがマジョリティの意見になれば、値段は10万以下になってしまいます。そのような投資商品の価格予想を行う上では、その時々の人々の集団心理を分析するウェブボットの活用も、意外と有効かもしれません。
仮想通貨は値上がり時こそ価格予想を冷静に
長期的になればなるほど、正確な価格予想は難しいことは何度強調しても足りないところではありますが、大きく値上がりしているときこそ、冷静な価格予想を行う視点が重要です。昨年の後半、大方の予想よりも遥かに早く100万円を超えたビットコインが、次のポイントとして200万円を超えるまでの早さの予想は誰ができたでしょうか。そしてそれ以上に、今年の初頭まであれだけ上り調子だった仮想通貨全体が、こうも暴落・低迷することを誰が予想できたでしょうか。
多くの新規参入者が大量の損失を抱えて退場、もしくは塩漬けの含み損を抱えているかと思います。投資は結果論なので、損失や含み損が出ているからと言って「負け」と断定するのは早計ですが、過去から学ぶことがあるとすれば、一度どこかで売却した上で買い戻すことができれば、手持ちの仮想通貨の保有量をトレード的な視点で増やすことも難しいながら可能であった事実を忘れないことです。
そして、「妙な」暴騰が起きた際には冷静に価格予想を行い、どこかのタイミングで一時的にポジションを解消するなどの立ち回りができれば、暴騰、暴落の波に乗り、上手く稼ぐことができるかもしれません。周りが浮かれている時こそ冷静に立ち回れるのが、勝てる投資家の鉄則です。