強い匿名性を売りにしている仮想通貨は、Dash、Monero、そしてZcashの3種類が特に有名です。ZcashはDashやMonero、2つのコインと比べると、時価総額が21位と若干落ちてしまいますが、それでも830億円規模の時価総額は中々健闘しているのではないかと思っています。しかし2つと比べて時価総額は高いにも関わらず、Zcashのもつ「ゼロ知識証明」は最も匿名性が強いともいわれています。さらにNSA、CIAでロシアに亡命しているエドワード・スノーデン氏もビットコインに代わる技術だ、と発言をしたことでも話題になりました。

現在日本の多くの取引所は、仮想通貨取引所としての登録を受けて営業をしています。その中には当然日本で最も有名な取引所であるbitFlyerやZaifも含まれています。しかし、Zcashを扱っているcoincheckは未だ登録されることはなく、保留のままとなっています。
噂では匿名性の強いZcashを扱っているからなのではないか? というような噂もあるくらいです。さすがに噂だと思いますが、このような噂が流布しないためにも、一刻も早く正式に登録されてもらいたいものです。

そんなわけで今回はZcashがどのような仮想通貨なのか、そして最大の売りであるゼロ知識証明とはどのようなものなのか、そして今後Zcashはどのような値動きをするのかを書いていきます。

Zcashとは

仮想通貨Zcash徹底解説Zcash は2016年10月に誕生し別名「第二のビットコイン」と呼ばれています。呼ばれている由来は

〇総供給量が2100万枚とビットコインと同じこと
〇承認システムもProof of Workと同じこと。
〇半減期が4年に1回。
〇承認時間も約10分
〇ブロックチェーンとP2Pの実装

以上5つが挙げられます。

まずProof of Workの説明からしていきます。Proof of Workというのは、仕事量によって採掘できる量というのが変わっていきます。例えば潮干狩りをする際に、一般の熊手を使わないといけません。しかしそこにショベルカーなどが現れたらどうでしょうか。確実にショベルカーのほうが、大量の貝を得る事ができてしまいます(もちろんしてはいけません)。このように、ショベルカー(高性能コンピューター)を使うことによって熊手(一般のコンピューター)より多くの量をマイニングができる、というのがProof of Workといいます。Zcashもビットコインまでとはいかないでしょうが、1ZECあたりの価格が40,000円を超えていることを考えれば、一般に普及しているコンピューターでマイニングをするのは、困難を極めるでしょう。

次に半減期についての説明です。半減期とはマイニングによって得られるコインの量を減らしていくというものです。半減期を作ることで、一部の人にコインが独占されるという懸念がなくなり、より多くの人にコインが広まるようになります。

最後にブロックチェーンとP2Pの説明です。ブロックチェーンとは、インターネット上で誰でも閲覧が可能な台帳のことをいい、2016年に誕生したZcashの最初の取引から現在までの記録がブロックチェーン上に記録されています。P2Pというのは、サーバーを介さずにデーターのやり取りができる技術のことをいいます。サーバーというのは、例えばYahoo!のホームページにいく、Gmailを使うなどは、その企業のコンピューターにアクセスする、ことだと考えてください。このP2Pの技術を使うことによって、回線が込み合うということはありません。

Zcashの最大の特徴、ゼロ知識証明とは

ゼロ知識証明は、DashやMoneroよりも匿名性が強いと前述しました。ではどのように、どのくらい匿名性が強いのか、と言いますと、Dashのプライベートセンド、Moneroのリング証明は、隠されるのは送金履歴だけで、送った相手のアドレスと数量、送られた相手のアドレスと数量は相手に分かるようにできています。ですがZcashのゼロ知識証明は、アドレス、送金履歴、数量共に全て送った相手も送られてきた相手も数量も全てが分からないことになっています。

匿名性が強いというのは、犯罪等に使用されるという懸念があります。しかしビットコインの場合、ブロックチェーンという技術を採用している以上、資金の流れ、例えば誰から誰へ1ビット送った、などの情報を隠すことができません。個人を特定されることはありませんが、アドレスから追跡をすることもできてしまいます。もし追跡をされていたと考えると、かなり気持ちの悪いものではないでしょうか。

Zcashのこれまでの価格推移

「ゼロ知識証明」最強の匿名性と持つ第二のビットコイン「Zcash」

2016年市場にリリースされるとなんと1ZEC、56万円という驚くべき高値をつけました。
その後は当然のように4000円台を推移していました。Zcashが大きく動いたのは今年の3月で、この時はビットコインの急上昇だけではなく、ほぼ全てのアルトコインが急上昇したことから、Zcashも当然のように値を上げました。ですがZcashが再び注目をされるきっかけになったのが5月のことです。この時世界的に有名な銀行であるJPモルガンと提携するニュースが発表されると、Zcashはたちどころに価格を上げていき6月の後半には43000円まで上昇しました。

しかしその後AlphaBayという有名なダークマーケット(非合法な物を売買しているサイト)で今年の7月に受付を開始したことがきっかけで、大きく値を下げてしまいました。その後、9月に韓国最大手の取引所である、bithumbで上場が決定すると再び大きく値を上げました。その後再び41,000円まで回復をしたものの、現在は35,000円と少し下落気味です。日足チャート、週足チャート、月足チャートを見てみると、ここ数日の下落は底を打ち
Zcashは上がりそうな雰囲気はあります。

これからビットコインが先物市場で上場するので、もし大きく下落した場合Zcashもつられて大きく下落してしまうということも考えられます。もちろんその逆でビットコインにつられて大きく上がることもあります。

今現在Zcashの購入を考えている人は、持っているお金全てZcashにつぎ込むのではなく、ドルコスト平均法という、毎月少しずつ買っていくという方法をとるのがベストです。そして出来れば、他の仮想通貨も来年にかけて上がる可能性が高いと噂されている、リップルやネムなども買っておくのも良いでしょう。

Zcashのこれから価格予測

匿名性が強いというメリットがあるZcashですが、ダークマーケットなどに使用されているという諸刃の剣のような仮想通貨です。ただ勘違いしてはいけないところは、Zcash自体が悪いのではなく、Zcashを使っているダークマーケットが悪いのであってZcash自体には罪がない、ということです。匿名性の強さというのは、非常に武器になると思いますし、これからJPモルガン以外にもZcashと提携をする銀行が増えていく可能性もあります。それにZcashはビットコインと同じく2100万枚と他のアルトコインと比べてもかなり少ないので、値を上げるときは大きく上げますが、下げるときも大きく下げやすいので気をつける必要があります。そうしたら、今以上に価格は上がっていくでしょう。さすがに2016年の価格を超えることは難しいかもしれませんが、将来的には10万円以上になってもおかしくはないのではないでしょうか。

2017年5月、アメリカでは金融取引報告義務を仮想通貨取り扱い業者やプリペイとカード取り扱い業者を対象にした法案が出されました。このことによって、仮想通貨取引所は取引内容を国に報告しないといけないことになりました。しかし取引を隠すことのできる、Dash、Monero、Zcashはもしかすると、法律に反することから最悪の場合、取り扱いを中止するという可能性があってしまいます。仮に取り扱い中止になってしまったら、アメリカだけではなく、日本にも確実に波及してくるのでリスク管理をしておく必要があります。