仮想通貨のマイニングについて言葉くらいはご存知かと思います。もしくは実際に行っている方もいるかもしれません。マイニングとは少し堅苦しく言うと「ブロックの生成」になります。ブロックとは仮想通貨の取引を記録しているインターネット上の台帳と表現すると分かりやすいでしょう。取引の記録を記す作業をするのがマイナーと呼ばれる人々です。その承認作業をいち早くこなしたマイナーに報酬として新たなコインが与えられます。つまり、マイニングは新たなコインの発行と取引記録の承認を意味します。

すべての仮想通貨がマイニングによって取引記録が残され、新たなコインの発行にいたるわけではありません。しかし、ビットコインをはじめ多くの仮想通貨でマイニングは採用されています。そして、マイニングを行うには専用のマシン(コンピュータ)が必要です。今回は、マイニングのマシンや設置、マイニングは稼げるのか。費用はどうなるのかなどを解説します。マイニングに興味がある方はぜひ、最後までお読みください。

マイニングマシンの仕組み

マイニングは取引記録を承認していく作業となりますが、作業にはマシン(コンピュータ)が必要になります。マシンと言うと一般人が手を出せないイメージを持つかもしれません。もちろん、処理スピードに優れるものは価格的に一般人(個人)が容易に手を出せる範囲ではないものもあります。しかし、どの家庭にでもあるパソコンをもとにパーツを揃えればマイニングに対応するマシンを自作することも可能です。マイニングマシンで重要になるのは複数のグラフィックボードを大容量、しかも効率よく電源で稼働させることになります。

グラフィックボードとはディスプレイに画像や映像を映し出すための部品になります。一般的なパソコンにも搭載されますが性能が良いものはマイニングにも有利には働きます。そして、高性能なグラフィックボードはハッシュレート(仮想通貨のマイニングにおける計算パワーの単位)が高くなり消費電力も比例するように上がっていきます。ご存知の方もいると思いますがマイニングを組織的に行っているグループや企業はできるだけ電気代の安い場所に拠点を構えるのは消費電力、つまり、電気代の問題があるからです。

以前からハッシュレートを高くするために企業がマイニング専用のマシンを開発したりしています。例えば日本の企業ではGMOは2017年12月からすでにマイニング事業を始めており、独自のマイニングマシンを販売しています。

マイニングマシンの設置方法や設置に最適な場所とは?

先にも触れたようにマイニングにはマイニング専用かカスタマイズしたパソコンを使って取り組むことになります。基本的にインターネットの環境があり、電気を使える場所ならばどこでもマイニングマシンの設置は可能です。しかし、電気代がかかることやマシンが稼働する時に発する音などの影響から一般家庭やアパート、マンションに設置するのは合理的ではありません。例えば、ビットコインのマイニングにはASICと呼ばれる専用の集積回路が搭載されますが稼働中は常にフルパワーで動くために稼働音が大きくなります。

加えて、フルパワーで稼働することによってマシンやその周辺が非常に熱くなります。大電流を使うことは火災のリスクも考えておかなくてはなりません。もちろん、電気代がかかかるのは言うまでもありません。以上、マイニングマシンの様々な特徴を考えるとマイニングマシンを設置するのは近所迷惑にならない広い倉庫や事務所が適しています。

ただし、日本は電気代が高いのでマイニングマシンを設置するには向いていないと考えられます。さらに、マシンからは熱が発生しますからその熱を抑えるためにも冷涼な場所が望ましいわけです。国内でマイニングマシンを設置するならば鉄筋コンクリートの倉庫になるでしょう。

マイニングマシンを使ってマイニングをすると儲かるのか

マイニングをするにはマイニングマシンを導入して電気代なども負担しながら作業をしていかなくてはなりません。そこで問題なのはマイニングマシンを使ってマイニングをして儲かるのかという点です。マイニングに成功すれば報酬としてコインが与えられるわけですが、様々な費用と比べて儲かるのかどうかを紹介したいと思います。

まずは企業などの組織が事業としてマイニングに参入するケースです。先に例に挙げたGMOは仮想通貨のマイニングのみならず、取引所運営による交換業、さらには仮想通貨の決済にも力を入れています。マイニング事業に関しては自社でマイニングを行うほか、マイニングマシンの開発や製造販売、クラウドマイニングも行っています。

2017年第一四半期から比べ、2018年の第一四半期は売上高21.3%の増加で最終利益は81.3%も増加しています。マイニングマシンを使ったマイニングだけではありませんが事業として成功している事例です。一方、個人でマイニングするケースはどうなっているのでしょうか。個人でマイニングを行うときにはマシンの購入、もしくは製作で数十面円程度かかります。仮に、30万円程度で用意できたとしましょう。

初期投資の30万円に電気代が費用としてかかります。つまり、30万円と電気代を回収することを考えなくてはなりません。個人でマイニングをしている方のブログなどを拝見すると月々の電気代が4000円から5000円で月の利益が6200円程度。月間の利益が1000円台となるようですから初期投資の30万円を回収するにはかなりの年月が必要になりますね。もちろん、初期費用は仮定の話ですし、電気代も一例ですからもっともうけを出せる人、逆に出せない人がいるのは言うまでもありません。

マイニングマシンに関わる経費について

マイニングマシンで稼ぐマイニングマシンを使ってマイニングを事業として行うときには必要経費として計上できる項目があります。法人にとってみればマイニングマシンは節税商品とも言えます。マイニングマシンの購入にかかった費用は全額経費算入が可能です。電気代も必要経費として計上することも可能です。

特に法人がマイニングマシンを購入してマイニングに参入するのはメリットが大きくなります。マイニングマシン購入にかかった経費を投資に回していること一緒ですから非常に有効的になります。理由はほかに固定資産を購入すると同時に資産運用ができる商品はないからです。また、中小企業経営強化税制による100%即時償却が使えます。

個人がマイニングマシンを購入して利益を得ていく場合も一緒で、マイニングマシン代や電気代は経費計上できます。ただし、マイニングにかかった費用を経費計上したい場合は個人事業の開業届を出す必要があります。(個人事業主としての届け出)控除を多く受けたい場合は同時に青色申告事業者の申告承認申請書を提出しましょう。個人事業でマイニングを行うときには機材を設置している場所の家賃やパソコン、パーツ関係、電気代等、マイニングに必要な費用は経費計上が可能になります。

マイニングマシンは中古品でも上手く稼働するのか?

マイニングマシンは導入する際に多額の費用が掛かります。個人なら1台用意するにも高額になりますし、企業が導入するなら収益性を考えて複数台用意しなければなりませんので莫大な費用になります。できれば費用を抑えたいのはだれしも考えます。そこで、中古のマイニングマシンはどうなのかと考える方もいるでしょう。マイニングマシンの中古商品は確かに販売されています。

オークションサイトを中心に中古のマイニングマシンは販売されていますが、結論から言うと中古品の購入はおすすめできません。まず、保証が付かない点でリスクです。基本的に保証が付くのは正規代理店からの販売のみとなります。仮に、保証期間内であっても無償どころか有償保障も受け付けない可能性もあります。それから、以前のユーザーがどの程度、使用しているのかも不透明です。グラフィックボードなどのパーツで「マイニングなどの負荷のかかる使用はしていません」との記載があったところで素人目には区別がつきません。

様々な面を考慮すれば故障してもいいリスクを考えるならば購入しても構いませんが、結局、買い直す手間や費用を考えれば、なかなかおすすめできないのが現状です。一番お伝えしたいのは電源だけは中古品を買わないことです。電源の不良により火災などが発生し、マシン全体が全焼してしまう可能性もあるからです。十分に注意してください。