デイトレードと聞くと商品先物取引やFXといったものを思い浮かべる人も多いと思われますが、仮想通貨も1日に細かくトレードを行うことができるため、デイトレードで利益を上げることができるという投資形態の一つです。ただし、同じデイトレードにしていろいろと市場を見極める必要がありますから、株式投資やFXとは違ったデイトレードのアプローチをしていく必要があるでしょう。
昨年大幅にチャートを伸ばしていったことで、デイトレードで利益を獲得したい人もいると思われますが、まだまだ不安定な市場であるだけにデイトレードを行う際にその点に関しても注意しておかなければなりません。本稿では、仮想通貨市場におけるデイトレード事情について説明していきます。
仮想通貨のデイトレードのやり方
まず、仮想通貨市場におけるデイトレードの特徴としては、トレード時の手数料がとても少ないということが挙げられます。仮想通貨は取引所で購入することになりますが、その大半が売買時の手数料を限りなく安くしているのです。デイトレードのように1日の中でたくさんの売買を行う可能性のある投資では、トレードを行うたびに手数料が掛かってくることは気掛かりです。
デイトレードで気にしないままトレードを行ってしまうと手数料が重くのしかかってくることもありますから、その点についてもデイトレードの基本として考えておかなければなりません。しかし、取引所では一回の売買ごとに掛かる料金自体は1円を大きく下回るものであるため、デイトレードでもあまり気にする必要がありません。そのため、他の投資と比較して手数料を気にすることなくデイトレードを行うことができるのがメリットといえるでしょう。
もちろん、デイトレードで徹底的に手数料にこだわっていく場合は、取引所ごとの売買手数料についてしっかりと確認して決めるようにしましょう。また、あくまでこれは「取引所」を利用した場合の話であり、「販売所」を利用した場合は購入価格と販売価格の開き(スプレッド)が実質的な手数料になるので、デイトレードでなくても利益を出すことが難しくなっていきます。
仮想通貨のデイトレードは長期保有も視野に
仮想通貨の投資を説明する上で欠かすことができないのは、金融商品の中でも保有期限が定められていないことです。そのため、仮想通貨の投資に関してはいつまでも保有して売買をしないということも可能になっていることが大きな違いになります。
例えば、100万円のチャートの時に仮想通貨を購入した場合、100万円を下回っている時に売却すると損失を売ることになってしまいます。保有期限が定められている金融商品の場合は、保有期限までに価値が上昇することを期待するよりなく、損切りすることもしっかりと考えて投資をする必要があるのです。
一方で、仮想通貨の投資に関しては長期保有が認められているので、気長に自分が購入した時よりもチャートが上昇することを待つことができます。このように、仮想通貨を長期的に保有するようなことをネット上では「ガチホ」とも言われますが、デイトレードからガチホに臨機応変にシフトすることができるのも、大きなメリットといえるでしょう。ただし、長期的に仮想通貨のチャートを見ていける人でないとデイトレードからガチホするという選択を取ることはできません。あくまでデイトレードで短期間で利益を出すことを考えている場合は、細かく損切りをしてまた投資といったことを行っていくことになります。
仮想通貨のデイトレードでリスクを少なく
市場の安定感に関しては、他の金融取引と比較しても一長一短であるといえます。金融取引を行う以上は、「リスクが全くない状況下での投資」ということが難しくなってきますから、その点に関してはあくまで覚悟しておくべきです。仮想通貨市場の場合は、仮想通貨を運営している側にもしものことがあっても取引所に上場を行っていればチャートの変動はともかくとして、全てが失われるということはありません。一方で、仮想通貨市場が未成熟ゆえに詐欺が横行していたり、セキュリティ面での問題が起こったりなど、不安がつきまといます。
株式投資を見てみると、仮想通貨市場で起こっている問題に関していえば、リスク自体は小さいといえます。しかし、あくまで会社の発行している株を購入するということもあって、会社が倒産すると持っている株券も紙切れになってしまう可能性もありますから、別方面でのリスクが高いです。FXに関しても利益を出すことを考える場合、仮想通貨や株式投資よりも多額の証拠金を出さなければならないということもありますから、失敗時の不安が大きいです。結局どの市場において金融取引を行う以上は、「懐が痛まない投資」ということを考えるのが一番といえるでしょう。
仮想通貨市場でデイトレードをする際の注意点
仮想通貨市場でデイトレードを行う場合の注意すべき要素は、他の金融取引と比較してチャートの変動が激しいことです。ある程度チャートの上下の限度が定められている金融取引がある一方で、そのようなものがない仮想通貨市場はデイトレードで大きな利益を出す可能性も大きな損失を出す可能性もあります。チャートの激しさが良い方に転がると、2017年のようになります。2017年は仮想通貨の銘柄の多くがすごい勢いでチャートを伸ばすことになり、それによって仮想通貨での利益を獲得した人がたくさん現れることになりました。
逆に悪い方に働いたのは、2018年の1月における仮想通貨全体の大暴落です。一番の人気銘柄である仮想通貨のパイオニアであるビットコインに関しては、1月になった時点で200万円を超えていた状態から半減することになるなど、前述とは対称的に損失を出してしまった人がたくさん現れました。
このように、仮想通貨市場はもともとチャートの動きが激しい上に、チャートの上下に歯止めを掛けるようなものもありません。いくらガチホして売却するタイミングを長期的に見ていくことができるとはいえ、取り返しのつかない暴落もないとはいえないので、警戒は常に持っておくようにしましょう。
仮想通貨のデイトレードは税金も視野に入れて投資を
仮想通貨市場のデイトレードは他の金融取引にはない可能性とリスクが存在することを分かっていただけたと思います。デイトレードのリスクの大きさを考慮すると、なるべくデイトレードは少額投資から始めて少しずつ投資額を増やしていった方がいいです。もちろん、仮想通貨に投資を行う上では投資そのもの以外のことにも気を付ける必要があります。投資に関するノウハウは利益を出したいという一番の目的のためにどんどん身に着けていくことができますが、それ以外のことも覚えておかないと大きな問題になりますから、気を付けておきましょう。
まず気にするべきポイントになるのは、仮想通貨によって得ることになった利益は所得税の中でも税率が非常に高くなる雑所得に分類されることです。雑所得は利益が高額になると最高で所得の半分以上を納税しなければならないので、税金を考えず仮想通貨で出した利益を使ってしまうと大変なことになってしまいます。他にも投資を行う上で、法規制に注意するということがあります。仮想通貨市場ではいろいろな問題が起こっているだけに法律によってある程度制限を課すことも国内外で議論されているため、法規制に対応して行動する力も求められてくるといえるでしょう。