仮想通貨市場は長期間一定の範囲で値動きを繰り返す「レンジ相場」でしたが、ビットコインキャッシュのハードフォーク問題を受けて、一段暴落しました。長期投資派の方にとっては、より先の未来を信じて耐える、買い増すか、ここで一度撤退するかという心苦しい場面ではないかとも思いますが、仮想通貨をトレードしたい人にとってはチャンスです。

トレードの手法の中で、「スキャルピング」というものがあります。スキャルピングは株式やFXなどでも用いられる手法ですが、その決済タイミングは「数秒~数分」と超短期での決済になります。今回は、仮想通貨のトレードで稼ぐ手段の一つとしてスキャルピングの解説を行います。レバレッジをかければ、数万円から始めることができる投資手法なので元々トレーダーの方は勿論、基本スタンスが長期投資の方も手元の小資金で試してみてもよいかもしれません。

ビットコインのスキャルピングを行う具体的な手法

スキャルピングの語源は「頭の皮を薄く剥ぐように、わずかな利幅で何度もトレードを行うこと」です。その名のとおり、一度ポジションを取ったら、わずかな値動きで決済を行うことを繰り返すことで利益を積み上げていく手法です。ポジションをとってから、それを解消するまでの時間は、長くても数分。短ければ数秒といったスパンで、わずかな値動きでの決済を繰り返していくことで、少額の価値を積み重ねていく手法です。

短いスパンでのトレード、値動きを見張る必要があるというとアービトラージも連想されますが、アービトラージは虎視眈々と機会を伺い、確実に勝てるときだけピンポイントで取引を行う手法です。スキャルピングは逆に常に頭と手を動かし続けるような取引の手法です。

ほんのわずかな値動きで決済を行うため、通常は大きめのレバレッジをかけて取引を行います。それでも、一回一回の損益は微々たるものですが、それを積み重ねていくことで、資産の増大を図るトレード手法です。スキャルピングを行うために特段の準備が必要なわけではなく、仮想通貨FXやレバレッジ取引を導入している取引所の中に口座を開設し、その中で、ポジションを取り、少しでも動いたらポジションを解消というのを繰り返すことで、取引を行います。

ビットコインのスキャルピングを行うのにおすすめの取引所選び

ビットコインのスキャルピングを行える取引所は複数ありますが、その中で自分にあった取引所を選ぶためには様々な要素を比較しなければいけません。まず、次の項目で詳しく述べるので今回は紹介にとどめますが、手数料の大きさは無視することができません。

次に重要となってくるのはどのくらいのレバレッジをきかせられるかといったところです。ある程度英語ができるようであれば、海外の取引所を使うことによって、より高いレバレッジをかけて取引もできますので、英語が読めて、リスクが取れるという方は見てもよいかもしれません。また、瞬時の判断での操作がカギになってくるので、使いやすさ、操作性といった部分も無視することはできません。そして、見落としがちなのがサーバーの安定性です。

長期投資であればほとんど無視しても構わない要素かもしれませんが、スキャルピングにおいて数分のサーバーダウンが致命傷となることもあるので、しっかりとリサーチしましょう。

ビットコインのスキャルピングにかかる手数料は?

スキャルピングは短期間にとてつもない回数を重ねることで利益を積み上げていく投資手法です。従って、取引のたびにかかってくる手数料の大きさは長期目線で考える「投資」よりも遥かに大きいものになってきます。

とりわけ、少額の損益での決済を繰り返すため、取引そのものでは勝っていても、支払っている手数料を差し引いたところ元本割れしてしまっていたという「手数料負け」という現象も珍しいものではありません。株式投資で言えば、デイトレーダーを優遇するような、手数料定額制のシステムを採用しているところもあるようですが、仮想通貨では、今のところそういったサービスは展開されてはいません。また、使う取引所によって、スキャルピングにかかる手数料も大きく異なってきます。

見やすさ、操作性といった使いやすさも非常に重要にはなってくるのですが、手数料という視点で考えると、おすすめはGMOコインです。仮想通貨FXにおいては手数料がかからないため、普段は別の取引所を使っていたとしても、スキャルピング用の口座を用意してみてもいいかもしれません。

ビットコインのスキャルピングで稼ぐコツ

ビットコインスキャルピングビットコインスキャルピングで稼ぐにはいくつかのコツがあります。一番重要なのは、トレンドを読むことです。スキャルピングはわずかな値動きでも利確、もしくは損切を行っていく手法なので、損切の方が多いと、トータルで負けてしまっている可能性が高くなります。そこで、短期的なトレンドを掴んで、その中の値動きを乗りこなしていくというスキルが、まず必要になってきます。

また、ポジションをとってから解消するまでの時間がとにかく短いので、何かの理論を確立するというよりは、その場その場の判断力、瞬発力をつけていくことが求められます。こればかりは、何かの解説記事を読んで身につくものではありませんので、最初はデモトレード、その後少額、低レバレッジからのトレードといったステップで実際の相場とにらめっこしながら操作を行い、感覚を掴んでいくということが求められます。また、ZaifのAir FXに代表されるようにスワップポイントを受け取ることができる取引所もあります。

スワップポイントが付与される時間帯(Zaifなら偶数時間ちょうど)を狙ってポジションを取ることで、スワップポイントを受け取るといったことも、少しずつ利益を積み重ねていく上では大切かもしれません。

ビットコインのスキャルピングにbotを活用する手法

botとはツイッターの活用では一部有名かもしれませんが、インターネット上で動く自動プログラム全般のことを指して使える語です。近年では、botを金融商品のトレードに活用するという動きも出てきているようです。当然、そういったbotは仮想通貨のトレードにも、スキャルピングにも対応しています。

では、仮想通貨のスキャルピングにbotを利用するのは有効なのでしょうか?結論としては、有利である面は多いです。ただし、頼り切りになってしまったり、資金を入れすぎると、不測の事態にリカバリーがききにくくなってしまう側面もあるので、注意が必要です。

まず、スキャルピングのような自動的、かつ短いスパンでの取引を行う場合、人よりも機械の方が有利であると言えます。機械は入力した内容を淡々と自動でこなすため、特定の操作において感情が入り込んだり、ケアレスミスで操作を間違えたりということがありません。それだけでなく、何らかのシグナルに対し、人為的な要因で反応が遅れることがないだけでなく、睡眠をとる必要もないので、動かし続けてさえいれば、持ち主が仕事をしている時も、寝ている時も、増やし続けてくれるかもしれません。

一方で、仮想通貨の世界というのはどんな動きをするかわからないところもあります。先日の ビットコインキャッシュのハードフォーク問題も、一つの事例と言えるでしょう。任せきりにして、大金を入れておくと、不測の事態に一瞬でなくなっているなんてことにならないよう、リスクマネジメントが重要です。