仮想通貨FXの手法に関しては多くの書籍やデータがあるとは言えない状況です。外国為替や株取引などのトレードや投資の手法と比べれば、知見が少ないですし、また、それは仮想通貨市場自体の歴史が短いことに由来します。特に長期運用に関しては、仮想通貨に適用できる既存の手法は無いと言っても過言ではないでしょう。
今の値動きが長い目で見た時にどんな意味を持つかは後でわかることです。10年ほどの期間のデータしかない仮想通貨市場に絶対的に当てはまるルールはまだありません。しかし、FXの手法は多くの場面で仮想通貨FXに適用可能です。期間を短く取るほどテクニカルなチャート分析が意味を持ちます。期間を短く取り、拡大されたチャートには遠くから見ていた時には気づけない細やかなトレンドや価格の推移が存在します。
同時に、中長期的(数ヶ月・数週間、あるいは1日)なトレンドを意識することも重要です。トレードで勝つには視野を的確にコントロールすることが求められます。また、仮想通貨ならではの値動きに慣れることも大切です。
仮想通貨FXの手法で初心者が知るべきこと
現物取引と仮想通貨FXの最も大きな違いで、まず知るべきは「売り」から入ることが出来るということでしょう。「空売り」などとも呼ばれますが、実際に持っていない仮想通貨を売り、買い戻すことで1回の取引が完結します。この概念を直感的に理解することは最初は難しいかもしれませんが、仮想通貨FXで利益を上げるためには是非覚えておきたいことです。
通常の現物取引では「買い」から入り、価格が上がったところで「売る」ことで利益を狙います。買値と売値の差額が利益になります。今年のように全体的に下降トレンドの相場で「買い」のみで大きな利益を上げることは難しいです。仮想通貨FXで「売り」から入れるだけで単純にトレードで勝てるタイミングが増えますし、下降トレンドでも利益を上げることが出来ます。
「売り」から入った場合、売った時点の価格と「買い」戻した際の価格差が利益になります。売りから入るトレードのことを「ショート」と呼びます。ショートポジションを取るともいいます。レバレッジを掛けて「買い」から入ることを「ロング」と呼びます。同じく売るまではロングポジションを取っているとなります。
ロングとショートの両方の視点を持つことで、冷静にチャートを見れるようになります。仮想通貨FXは利益を上げる可能性も高い分、損をするリスクも高いです。単純に「買い」のみでレバレッジを掛けるよりも、売るタイミングを意識することで、トレードに良い影響があると考えられます。
また、ロング・ショートいずれのポジションを取っている時でも、「売る」タイミング「買う」タイミングを意識する必要があります。トレードに勝っている時も負けている時も自分で決めたルールに沿って冷静に行動することが大切です。できれば、ポジションを取る前に、ポジションを解消するタイミングを決めておくことが望ましいです。そのためには、自分がどのような根拠を持ってポジションを取るのかということが明確である必要があります。
仮想通貨FXの手法を簡単にする短期トレード
仮想通貨FXは基本的に短期トレードになります。ポジションを取れる期間の上限が定められていますし、ポジション取っている期間が長くなるほど手数料が高くなります。
短期トレードを3つの期間で分けることが一般的です。最も短い、数秒や数分でトレードを完結することを「スキャルピング」と呼びます。1回のトレードで得ることの出来る利益は少なくなりますが、トレードを1日に何度も繰り返すことで、小さな利益を積み重ねていきます。
スキャルピングよりも長い期間、しかし数時間から1日(あるいは12時間=半日程度)以内でトレードを完結することを「デイトレード」と呼びます。朝買って夜売るなどすることで1回のトレードが完結します。日(デイ)をまたぐ形でトレードを完結することを「スイングトレード」と呼びます。それ以上長い期間になると、明確な定義はなく短期トレードや、中長期トレードなどと呼ばれることになります。
一概には言えませんが、トレード期間を短くするほど必要な情報は少なく済みますし、勝率も高くなります。手法も簡単になります(考えようによってはトレード期間が短くなるほど難しいとも言えます)。その分、得られる利益やかかる手間は増えます。基本的にはトレード期間が短いほど値動きが少ないわけですから、リスクが減少することにもなります。
仮想通貨FXの手法を高勝率にする
FXの手法を、仮想通貨FXにも適用することがあります。代表的なテクニカ分析は基本的に応用可能です。ただ、仮想通貨FXで高勝率を達成するには、個別の手法を知る前に理解しておくことがあります。それは、トレンドを意識するということです。トレンドとは市場の全体的な推移方向です。価格が上がっているのか下がっているのかをまず考えることが重要です。当たり前のことのように聞こえますが、最も大事なことですし、あらゆるテクニカル分析やトレード手法の根幹にはトレンドの方向を見抜くことがあります。
また、トレンドの捉え方というのは、見る期間によっても変わります。短期的に見れば、上昇トレンドに見えても、長期的に見れば下降トレンドであることは珍しくありません。もちろん逆もあります。ここで、先ほど確認した短期トレードの3つの期間を考える必要があります。自分がどの期間でトレードを完結するのか、そのために参照するチャートはどの期間で見るべきなのか、これを考えることが、あらゆるチャート分析の基本かつトレードの高勝率に繋がります。特にトレードの高勝率を第1に考えるのならば、明確なトレンドが発生してからポジションを取ることが大切です。
仮想通貨FXの手法の再現性を高める
トレンドが発生している時に短い時間でトレードを完結することは再現性が高いトレード手法といえます。トレンドが発生してからポジションを取ることでリスクを減らし、また短い時間でポジションを解消することで確実に利益を上げることが可能です。
確実なトレンドの見極めと、スキャルピング〜数時間の短期トレードを組み合わせることで再現性の高い勝てるトレードになります。トレード期間が長くなるほど不確実性が増し、経験や判断力が求められます。移動平均線の引き方や、高度なチャート分析の概念を理解すること、ローソク足の見方を知ることなどがあります。ある程度の経験と学習期間が必要です。しかし、短期間のトレードならそれほど複雑な理論を使用せずにある程度再現性の高いトレードが可能です。
高値・安値の変動を見ことでトレンドの変換点を予測することができます。例えば、高値が切り下がっている時、安値切り上げている時には、トレンドが転換する合図だと言えます。また、ローソク足の最安値と最高値が大きく乖離している時も代表的な転換の合図とされています。
そのような一般的に意識されるであろう合図を知ることは、勝てるトレードの再現性を高めます。トレードの本質は、トレーダーが意識するタイミングを共有することにあります。「順張り」と呼びますが、市場の動きに下手に逆らわず(逆張り)トレンドに乗り、早めにトレードを完結する(転換点が訪れる前にポジションを解消する)ことで再現性の高いトレードができます。
仮想通貨FXの手法と損切りの考え方
仮想通貨FXに限ったことではありませんが、予想通りに市場が動かない時は確実にポジションを解消(損切り)することが大切です。さまざまなテクニカル分析やトレード手法がありますが、100%勝てるトレードはありません。やはり重要なことは「損切り」を徹底することです。特に仮想通貨市場の歴史は短いですし、仮想通貨自体が生まれたばかりのものであり、これからどのように社会に実装されていくか、既存の法との折り合いをどのように着けるかもハッキリとしていません。
また、ハードフォークやハッキングなど、仮想通貨ならではのニュースが価格に影響することがあります。ハードフォークや法改正による下げのポイントでショートポジションを取る、あるいはその直前までにロングポジションを取るなどして、柔軟に対応することが大切です。テクニカルな手法の再現性は市場が長く続くほど高くなると言われています。データを元にあらゆる指標が用いられるわけですから、データが多くなるほど指標の信憑性は高まります。
FXの代表的なテクニカルチャートの見方は短期的に見れば見るほど応用可能だと言えます。逆に、長期的な視点で見れば通常では考えられない値上がりをすることも十分にありえます。仮想通貨FXとは別に、長期で保有する現物保有も同時に持つことは賢いやり方だと言えるでしょう。