ともと株式市場の価格変動を予測するために開発された「WebBot(ウェブボット)」ですが、現在では仮想通貨にも活用されています。人間ではなくプログラムが未来予測を行うWebBotは投資家たちの注目を集めていますが、具体的にはどのような仕組みで予測を行っているのでしょうか。また、本当に未来を予測することは可能なのでしょうか。本ページではWebBotが未来を予測できる理由をはじめとして、当たる確率はどれくらいなのかという点や最新の予測をご紹介いたします。
仮想通貨のWebBotが未来を予測できるのか
WebBotは簡単に言うと情報収集プログラムのことですが、もともとは1997年に元マイクロソフト社所属のクリフ・ハイ氏らが株式市場の価格変動を予測するために開発したものです。現在では仮想通貨の未来予測にも活用されており、2017年にはビットコイン価格の高騰を的中させて注目を集めました。では、WebBotはどのように仮想通貨の未来を予測しているのでしょうか。
WebBotは情報収集プログラムだと述べましたが、どのような情報を集めているのかというとそれは「人の感情」です。WebBotはインターネット上の掲示板やTwitter、SNS、ブログなどに書かれている不特定多数の発言の中から人の感情に関するキーワードをピックアップします。そしてそのピックアップしたキーワードをもとに、大衆心理がどのように傾いているか分析を行い、これからどのように価格が変動していくかを予測するのです。
例えば多くの人がビットコインに対してポジティブな発言をすればWebBotはビットコイン価格の上昇を予測しますし、逆にネガティブな発言が多ければ価格の下落を予測します。特に仮想通貨の価格は大衆心理に影響される部分が大きいため、WebBotの仕組みと相性が良いと言えるでしょう。WebBotの影響力が増すことによって投資家たちの多くがその予測結果をもとに行動するようになれば、仮想通貨の価格はWebBotの予測どおりに変動していくことになり、さらにWebBotの予測精度が高くなるという好循環が生まれます。
仮想通貨のWebBotは当たらないのか
人の感情データを集めるWebBotは仮想通貨と相性が良いと言われていますが、WebBotの予測が当たらない可能性はどれくらいあるのでしょうか。実際にWebBotが出したと言われる2018年1月の予測を見てみましょう。
まずビットコインについてですが、WebBotは「2018年秋に220万円、年末に1100万円になる」と予測しています。2018年秋のビットコインは70万円前後で推移しており、220万円に達することはありませんでした。また、2018年12月現在ビットコインは下降トレンドが継続しており、「年末に1100万円になる」という予測も厳しいものと思われます。
他にも「2018年2月にビットコインキャッシュの価格が高騰する」「2018年3月にイーサリアムの価格が大きく変動する」「2018年5月にリップルの価格が高騰する」といった予測がありましたが、いずれも当たりませんでした。こうして見るとWebBotの予測は当たらないのではないかと思うかもしれません。実際、当たらない確率のほうが高い印象はあります。
しかし、「2018年1月にネオの価格が高騰する」という予測は当たっていますし、過去には「2017年にビットコインの価格が高騰する」という予測を的中させています。まだまだ精度が高いとは言えませんが、人間ではなくプログラムによって仮想通貨の未来が予測され、一部が当たっているという事実は驚くべきことではないでしょうか。
仮想通貨のWebBotは判断材料の1つとする
これまで見てきたように、WebBotをもってしても仮想通貨の未来を確実に予測することは困難です。WebBotはインターネット上に存在する不特定多数の発言の中から感情データを集め、分析することによって未来を予測しています。そのため、仮想通貨の規制が強化されるなど世界情勢の変化があれば予測どおりにならなくなる可能性もあります。
目安として、仮想通貨に関してWebBotの予測が当たる確率は30%、外れる確率は70%程度だと言われています。仮想通貨に投資を行う際はWebBotをあくまでも判断材料の1つして考え、最終的には自分自身の判断で責任を持って行うようにしましょう。WebBotのみを頼るのではなく、自分で情報収集を行うことも大切です。
仮想通貨のWebBotは初心者にもおすすめのツール
WebBotといっても自分でプログラムを組んだり設定したりする必要はなく、すでにWebBotが予測した結果を読むだけなので、初心者の方にもおすすめできるツールです。ではどうすればWebBotの予測結果が読めるのかというと、クリフ・ハイ氏がYouTubeで配信している動画を視聴する方法と、公式サイトで毎月販売されている「ALTAレポート」という有料レポートを購入する方法の2種類があります。
ALTAレポートは1ヶ月分が99ドル(約1.1万円)で販売されており、PayPalの他にビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、ダッシュといった仮想通貨でも購入することができます。なお、レポートは約20~30ページで構成されており、すべて英文です。YouTubeの動画にしてもレポートにしても、英語が苦手な方にとっては難しいかもしれません。しかし、レポートに関しては翻訳ツールを活用したり和訳版を購入したりするなど、日本語で読むための方法はいくつかあります。英語が苦手な方はぜひ試してみてください。
初心者の方は投資するための情報の集め方やデータの分析方法などわからない点が多いはずなので、それらを自動で行ってくれるWebBotは大きな助けになってくれるはずです。しかし、前述のとおりWebBotだけに頼ることは危険なので、自分自身で情報収集したり分析したりする能力も養っていくようにしましょう。
仮想通貨に関するWebBotの最新予測
現在WebBotは仮想通貨に対してどのような予測を立てているのでしょうか。ここでは最新予測の一部をご紹介いたします。まず特筆すべきなのは「ビットコインの価格が年末に1100万円になる」という予測です。2018年12月現在ビットコインが40万円前後にまで下落していることを考えれば、年末に1100万円というのは難しいでしょう。しかし、モーガン・クリーク・デジタルが「2021年までにビットコインは1100万円になる」という予測を発表していることもあり、ビットコインが1100万円に到達するのは時間の問題なのかもしれません。
また、他にも「中国の仮想通貨に対する規制が強まる」「仮想通貨人口が1%から13%に増加する」「2018年中にスカイコインが高騰する」「イーサリアムの価格が大きく乱高下する」といった予測がWebBotによって立てられています。なお、今回ご紹介したWebBotの最新予測はごく一部なので、より具体的なWebBotの最新予測を知りたい方はALTAレポートの購入も検討してみてください。WebBotによる2018年中の予測は当たったものよりも外れたものが多い印象ですが、2019年以降はより精度が高まるのかどうか、その動向に注目していきましょう。