最近、仮想通貨市場全体が冷え込んでいます。ビットコインなど、昨年の一番高かった価格から比較すると20%以下という水準にまで落ち込みましたし、他の有力なアルトコインでも/10,1/20といった下落率を見せているものすらあります。しかし、詳細にコインのチャートを見ていると、個別の事情を反映して下落相場の中でも一時的に上昇していたり、下落幅が少なかったり、個別に見ていくと、意外とチャンスにあふれているかもしれない相場でもあります。

今回は、ビットコインではなく、アルトコインに主眼を置き、考察してみます。「ビットコインを扱っていない取引所」というのはそうそうありませんが、アルトコインの扱いに関しては取引所の裁量が大きい部分でもあります。面白い銘柄を面白いタイミングで拾えると、チャンスがまっているかもしれません。ご参考にしてみてください。

ビットコインと比較したアルトコインの値動き

まず、前提として意識しておかなければならないのは、アルトコインの値動きというのはビットコインの価格に連動する要素と、そのアルトコイン個別の事情を反映する要素があるということです。前者は、仮想通貨の「基軸通貨」が、少なくとも2018年12月段階ではビットコインであることから、当然と言えば当然の状況と言えるでしょう。取引所によっては、法定通貨でアルトコインを購入することもできますが、依然、多くのアルトコインの購入には、まずビットコインを購入することが求められます。

仮想通貨全体にかなりの資金が流入していた段階では、「ビットコインVSアルトコイン」という構図で資金の循環があるケースもあります。ただ、全体として落ち込んでいる現在の市況においては、そもそも仮想通貨に資金が入るかどうかの方が重要ですので、連動する要素の方が大きいです。今後、また資金が戻ってくるようであれば状況は変わる可能性はあります。その前提で全体の相場としてはビットコインを意識した値動きをしながらも、銘柄個別の事情をもって、その銘柄だけが特別な値動きをすることも珍しくありません。

アルトコインに投資を行う場合、その価格の上下動が、その銘柄特有の事情で起きたものなのか、それともビットコイン(≒仮想通貨市場)全体に対する事情で起きたものなのかも考えながら値動きを見ていく必要があります。

アルトコインの取引所の手数料比較

仮想通貨の取引をする上で、重要になってくるのがどの取引所を使うのかということです。仮想通貨の取引手数料は、各取引所が自由に定めることができます。投資資金が大きくなればなるほどに、その額に応じて手数料が変わってくる可能性があるので、注意して確認しなければなりません。

いろいろな銘柄を試しに買ってみるくらいであれば、それほど気にせずに、既にアカウントを持っている取引所や、扱っている銘柄が多い取引所、操作性が良い取引所などを選んでいけばよいですが、特定の銘柄に対して多額の投資を行うのであれば、その銘柄を扱っていると取引所を、国内は全て調べ、可能であれば比較対象として海外の取引所を見るのも大切です。現在、仮想通貨は非常に落ちこんでおり、見方によってはチャンスです。手数料として余計に払ってしまったものが、そのまま投資で来ていれば何十倍にもなる可能性があると考えると、とても軽視することはできません。

アルトコイン同士での手数料の比較

同じ銘柄同士でも、取引所によって手数料が大きく異なる可能性があることを言及しました。それでは、取引所の中でも、扱っている銘柄によって手数料は大きく異なるのでしょうか?また、そうした場合、手数料が低く、おススメの銘柄というのはあるのでしょうか?結論としては、アルトコイン同士を横に比較して、手数料を比べることに、現状、それほど大きな意味はないでしょう。

理由としては、まず、今後どのコインが生き残り、価値を伸ばしていくかわからない中で、投資先を手数料で決めるというのはナンセンスであるということが挙げられます。銘柄を決めた後、その手数料で取引所を決めるのは正当なプロセスですが、逆は奨励されません。次に、そもそも、仮想通貨の「取引」自体にかかる手数料は現状それほど高くありません。というよりも手数料自体が無料というケースも決して珍しくはありません。重要なポイントとして、取引手数料そのものよりも、送金の手数料や、次の項目のスプレッドなどの要素に注目する必要があります。

アルトコインの本当の手数料はスプレッドで比較

アルトコイン比較取引所を比較して見ていくと、実際のところビットコインでもアルトコインでも、表立って大きな手数料を取っているというところはあまりないように見受けられます。多くの取引所が、手数料無料、もしくは格安で仮想通貨を取り扱っているため、手数料が高いというのは、他によっぽど何かしらの付加価値があるか、他の取引所では扱っていないけれど需要が高い通貨を扱っているか、そういった要素が必要となってきます。

仮想通貨投資家が最も注目しなければならないのは、表向きの手数料ではなく「スプレッド」です。スプレッドはFXの世界や、海外旅行に行ったときの両替所なんかでも気にしなければならない要素なので、理解すること自体は難しくないかと思います。たとえば、同じ両替所で自分が持っている円をアメリカドルに交換する値段と、自分が持っているアメルかドルを日本円に交換するレートは全然違うというのは、感覚としてご理解いただけると思います。このレートの差額が、両替所の利益になっているわけですね。

表向きは手数料を取っていなくても、このレートの差で儲けている、逆に言うと、両替する側がお金を払っていることになるため、スプレッドは「見えない手数料」と言われています。このスプレッド、ビットコインでも取引所によって大きく違うケースがあります。(その価格差を利用して儲けるアービトラージという手法もあります。)取引量が少なく、取り扱っている取引所も少ないアルトコインになってくると、そのスプレッドは取引所間でより大きくなっている可能性があります。

長期目線である程度置いておくような投資を考えるのであれば、念頭に置くくらいで大丈夫ですが、特定の銘柄でトレードを行う場合は、その銘柄を扱う取引所を複数、常にスプレッド比較できるようになっておくことが望ましいです。

アルトコインと比較したチャート分析

最後に、アルトコインのチャートを見る上で、ビットコインと比較した時の注意点について記載します。チャートの見方そのものが大きく変わるわけではないので、基本的なポイントについてはビットコインを事例に勉強、実践する形で問題ありません。ただし、ビットコインと比較して気を付けなければならないのは「時価総額」「出来高」です。どういうことかというと、仮想通貨に限らず、その金融商品の値段の動きやすさはその銘柄の時価総額によって変わってくるということです。

たとえば、どこかの企業や個人が仮想通貨の相場を操縦しようと考えた時、ビットコインの相場を操縦するのには、莫大な資金が必要であることは想像に難くないと思います。しかし、一方で、それほど知られていないようなマイナーな通貨であれば、それよりも遥かに少ない資金で操縦することが可能です。株式投資などでは相場操縦は明確に禁じられていますが、仮想通貨には現状そういったルールはありません。時価総額が小さい通貨であればあるほどに、一つのニュースで大幅な値動きを起こす可能性も高ければ、誰かによって恣意的に操作される可能性も高いです。念頭に置いておきましょう。