仮想通貨取引所を選ぶ時のポイントはここ
仮想通貨を利用したければ、スマホでもパソコンでも必ずお世話になるのが、仮想通貨取引所です。それぞれに長所や特徴がありますが、初心者としては、どんなことを基準に選べばいいのでしょうか?あなたが、ふだんは日本語を使っていて、英語がかなりできるわけでなければ、海外での評判がどんなに良くても日本語版がない取引所は対象外でしょう。ここでは英語があまりできない人のために、日本語版がある仮想通貨取引所の中から選びます。「日本語版がある」以外の条件としては、スマホ対応は当然として、取り扱っている仮想通貨の種類が多いこと、手数料ができるだけ安いことも選ぶ時のポイントです。また、ユーザーの間で評判がいい取引所はたいてい、アプリの使い勝手も良い傾向があります。
初心者にはわかりにくいのですが、システムの「セキュリティ」がしっかりしていることも大事です。セキュリティがしっかりしていないと、あなたの個人情報が流出したり、取引所に入金したお金が行方不明になったり、システムに侵入した誰かにお金を横取りされたり、されかねません。そんな万が一の事態に備えて、取引所がたとえば「100万円まで盗難補償」といった補償制度を設けていたら、その分、安心できるでしょう。
仮想通貨を一般の人が利用できるようになったのはここ2、3年で、仮想通貨取引所の運営会社も最近創業したところばかりです。大事なお金を預けるところですから、小さな会社だと倒産の危険も考えなければなりません。証券取引所に株式を上場しているような大企業が設立したその子会社とか、株主に大企業や大手の銀行の名前がみられるような会社なら、倒産の可能性は低いだろうと判断できます。利用者が取引所に入金したお金は、会社の事業の経営に使うお金とは別に保管されていて(資産の分別管理)、もし倒産してもそれが保護されるようなしくみ(信託保全)を備えている取引所なら、なお安心です。
日本の代表的な仮想通貨取引所5社の比較
ここで、日本の代表的な仮想通貨取引所の5社をご紹介します。そのうち「coincheck」「bitFlyer」「Zaif」は、取引量もアプリのダウンロード数も多いので「日本の三大仮想通貨取引所」とみなされています。
coincheck
運営:coincheck株式会社
取り扱う仮想通貨:13種類
ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
イーサリアムクラシック(ETC)
リスク(LSK)
モネロ(XMR)
オーガー(REP)
ファクトム(FCT)
リップル(XRP)
ジーキャッシュ(ZEC)
ネム(XEM)
ライトコイン(LTC)
ダッシュ(DASH)
ビットコインキャッシュ(BCH)
特徴:取り扱い仮想通貨数国内最多
アプリの使い勝手の評判が良い
100万円までの盗難補償
年利5%の貸仮想通貨
bitFlyer
運営:株式会社bitFlyer
※三菱UFJ、みずほ、三井住友の三大メガバンクが出資
取り扱う仮想通貨:6種類
ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
イーサリアムクラシック(ETC)
ライトコイン(LTC)
モナコイン(MONA)
ビットコインキャッシュ(BCH)
特徴:仮想通貨取引量国内最多
アプリの使い勝手の評判が良い
500万円まで盗難補償
提携するネット通販を利用すると
ビットコインをキャッシュバック
Zaif
運営:テックビューロ株式会社
取り扱う仮想通貨:5種類
ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
ネム(XEM)
モナコイン(MONA)
ビットコインキャッシュ(BCH)
特徴:売買手数料の安さ
(全取り扱い仮想通貨0%以下、ビットコインは-0.05%で手数料分をキャッシュバック)
ビットバンク(bitbank)
運営:ビットバンク株式会社
取り扱う仮想通貨:6種類
ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
リップル(XRP)
ライトコイン(LTC)
モナコイン(MONA)
ビットコインキャッシュ(BCH)
特徴:売買手数料の安さ
GMOコイン
運営:GMOコイン株式会社
※GMOインターネットグループ
取り扱う仮想通貨:5種類
ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
リップル(XRP)
ライトコイン(LTC)
ビットコインキャッシュ(BCH)
特徴:全ての銀行口座で入出金手数料無料
※2017年12月10日現在
各取引所の特徴を理解する
この5社について言えば、他の仮想通貨もたくさん用意してほしいという人は13種類もあるcoincheckがベストでしょう。とはいえ、数は多ければ多いほどいい、とも言えません。世界のさまざまな仮想通貨とその値動きを紹介しているサイト「コインキャップ(CoinCap)」によると、世界の仮想通貨の発行総額ランキングのトップ5は、次のようになっています。
1位 ビットコイン(BTC)
2位 イーサリアム(ETH)
3位 リップル(XRP)
4位 ビットコインキャッシュ(BCH)
5位 ライトコイン(LTC)
「coincheck」はトップ5を全てカバーしていますが、「bitFlyer」はリップル以外の4種類、「Zaif」は3種類をカバーしています。ところが、日本の三大仮想通貨取引所ではない「ビットバンク」「GMOコイン」はcoincheck同様、トップ5を全てカバーしています。GMOコインは取り扱いが5種類しかないのですが、それがそのまま世界の発行総額トップ5に〃ジャストミート〃しています。ここで挙げた日本の5社は、仮想通貨の世界のメジャーどころの通貨を、ほぼおさえています。「ビットコインがメインで、もしかすると他の通貨も売買するかもしれない」という人は、確率的に言って5社のどれを選んでも、それほど不自由はしないでしょう。
仮想通貨の数以外のポイントでは、交換する時の手数料の安さを求める人はZaif、銀行口座との間で頻繁に入出金する人はGMOコイン、ネット通販をよく利用する人はbitFlyer、長期で預けて年利5%の「外貨定期預金の仮想通貨版」とも言える「貸仮想通貨(レンディング)」を利用したい人はcoincheck、運営会社の経営の安定性を重視する人は大企業が出資して資本金が多いbitFlyerやGMOコインが、よさそうです。なお、取引量国内最多の座を争うcoincheckとbitFlyerでは手数料が「取引所」と「販売所」で分かれていますが、その違いは、仮想通貨の売り手と買い手の「仲立ち(仲介)」をするのが「取引所」で、仮想通貨取引所自らが在庫している仮想通貨を「売出し」しているのが「販売所」です。「販売所」よりも「取引所」のほうが手数料は安くなります。GMOコインは「販売所」だけ運営しています。仮想通貨のその時、その時の取引の状況によって、「取引所」では売り手が現れずになかなか買えなくても、「販売所」のほうではスピーディーに買えることがあります。即時、確実に手に入れたいのなら「販売所」がおすすめです。
複数の取引所に登録して使い分けるのも手
日本語版がある仮想通貨取引所はこの5社以外にもあります。それぞれに特徴があり、得意技があり、独自のサービスがあり、メリット、デメリットがあります。仮想通貨は変化が激しい世界なので、半月もたつとまた新しいサービスやキャンペーンが登場したり、メリットがメリットでなくなったり、デメリットがデメリットでなくなっているかもしれません。
もし、あなたにとってピッタリの取引所を選ぶのが難しければ、「ここがよさそうだ」と思った複数の取引所に登録して、しばらくは「お試し」で使ってみて、あるいは使わずに様子を見て、後から〃本命〃を一本に絞り込むのがいいでしょう。あえて絞り込まないで、利用したい仮想通貨や、自分の利用目的に応じて複数の取引所を使い分けるのも手です。