仮想通貨FXで売りから入るための空売りの基礎知識

株式やFXなどで投資に慣れている方は今項目を読み飛ばしていただいて構わないのですが、仮想通貨から入ったFX初心者向けの方のために空売りについて簡単に説明します。空売りとは、保有していない銘柄を売った後、買い戻しを行って、空売りした時と買い戻した時の差分が損益となる仕組みです。

ブランドバッグを例にとって考えます。あなたが友人から3カ月という条件でブランドバッグを借りました。あなたはそのバッグをオークションサイトに売り飛ばし、現金10万円に換えてしまいます。もちろん、3カ月後にはバッグを返さないといけないので3カ月後にまた、今度はご自身で同じバッグを買わかければなりません。買い戻すのに必要なお金は9万円でした。このとき、売って得た10万円と、買い戻して支払った9万円の差の1万円があなたの利益となります。これが空売りで得た利益です。もし、無条件で借りていたのならそのまま利益ですし友人にレンタル料を払っていたのであれば、それを差し引いて残ったものが利益ですね。

「仮想通貨」と考えると難しいかもしれませんが、FXの空売りの仕組み自体はそれほど難しいものではありません。ただしFXの世界の場合、空売りを行うと、借りている銘柄に対して利息が発生するのが普通です。

仮想通貨FXで売りから入れば下降相場でも稼げる

仮想通貨FXで空売りから入ることを覚えれば、どのようなメリットがあるのでしょうか?簡単に言えば、下降相場でも稼ぐことができます。値下がり幅が大きければ大きいだけ、空売りでの利益は大きくなりますので、暴落相場などは絶好のチャンスであると言えるでしょう。

2018年、ビットコインやアルトコインは細かい上下動はありましたが、年始の約200万円という水準から考えると、暴落の一途をたどっていました。長期投資目線で保有していた方にとっては大きく資産が目減りした年だったと言えるでしょう。ある程度短期の目線でレバレッジをかけて値上がりに張っていた場合は、資金が維持できず退場してしまったケースもあるかもしれません。

FXで売りから入ることを覚えていれば、そのような相場の中でも資産を増やすことができます。仮に基本的なスタンスは長期投資であったとしても、長期保有分は保有分で別に置いておきながら、余剰資金で空売りの取引を行うというのも有効です。仮想通貨FXは仮想通貨を保有するのではなく、法定通貨でFXを行います。

暴落相場で増やした法定通貨で、価格が下落しつくしたコインを買うことで、そのコインの保有量を大幅に増やすことも可能です。ここ2年間の相場を見るに、仮想通貨FXの将来性はかなり長い目で見る必要があるかもしれません。そういったことを考えると、長期的な値上がりに期待していたとしても、空売りも含めて短期のトレードも覚えておくのも一つの選択肢かもしれません。

仮想通貨FXで初心者が売りから入っても大丈夫

下降相場でも稼ぐことができる空売り。魅力的なFXの手法ですが、特に仮想通貨から入ったFX初心者の方は気を付けなければならない視点もありますので、空売りはよく理解してから始めるようにしなければなりません。一番重要なのは、空売りの損失はロスカットを行わない限り理論上無限大だということです。

空売りは値下がり分が利益になりますので、逆から言うと、値上がり分が損失になります。わかりやすくレバレッジをかけない取引で考えますが1BTC=50万円のビットコインを「買い」で入った場合、その損失最大限はビットコインが無価値になったときに資金が0になってしまうことです。買いの最大損失は予測することが可能です。

しかし、空売りの場合、50万円よりもさがると思って買ったビットコインが予想に反して上がってしまった場合、どこまで上がるかに上限はありません。ずっと平行線だった70万円かもしれないですし、最高値をつけた240万円かもしれませんし、理論上は1000万円にも、1億円にすらなりえます。

もちろん、短期的にそこまで上がることは考えづらいですが、空売りは「理論上無限大の損失が出る」ということは常に頭に入れておかなければいけません。空売りのそういった最悪の事態を避けるためには、一定以上の値上がりを記録した場合、強制決済を行うようにあらかじめ設定をいれておくことです。

仕組みの上では損失の上限はありませんので、ご自身の注文の中で最大でどのくらいの損失までのリスクが取れるかを考えてみてください。

仮想通貨FXを売りから入るなら最初は少額資金が奨励

仮想通貨FXは魅力的な投資手法であることの一方で、しっかりとリスクコントロールをしないと想像もできない損失が出かねないことも、ご理解いただけたと思います。FX投資の経験が薄い方が実際に売りから始めてみるときは、まず少額資金で仮想通貨FXを始めてみることが奨励されます。

最初のうちは操作の間違いで思わぬ損失を出してしまう可能性もありますし、どのくらいのレバレッジをかければよいのかも感覚として掴みにくいと思います。最初のうちの取引は仮想通貨FXで大きく儲けることを考えるのではなく、どちらかというと損失が出る可能性の方が高いと考え、勉強代と割り切りましょう。

もちろん、負けた時は追加で資金が必要とならないよう(追証)、最悪でも用意した資金を失うだけで済むようにロスカットを設けておく必要があります。少額で、レバレッジもある程度の範囲に抑えた上で、ある程度操作や相場のコツ、考え方などがわかってきたら、その段階で改めて大きな資金を投じるなり、高めのレバレッジをかけるなりといったステップに進めば大丈夫です。

上手く勝つことができるようになると、膨大な原資を用意できなくても、少ない資金に大きなレバレッジをかけるだけでも、仮想通貨FXで大きな金額を稼ぐことができるようになるかもしれません。仮想通貨FXはなにごとも最初は練習だと思って、取り返しのつく範囲から始めてみることが大切です。

仮に仮想通貨FXが苦手だからやめておこうという結論に至った場合でも、仮想通貨FXに資産の大半を投じてしまったあとでは復帰までにかなりの時間を要する可能性が出てきす。

仮想通貨FXで売りから入ったときの決済は?

最後に、仮想通貨FXの決済について、先ほどの項目でも少しだけ触れましたが、長期投資のスタンスと混合しないように注意点を挙げて行きます。仮想通貨FXにおいては、売りから(投資用語でショートと言います)であろうと、買いから(投資用語でロングと言います)であろうと、実際に仮想通貨を売買するわけはありません。

ご自身が保有している法定通貨を原資とし、レバレッジをかけて仮想通貨の値動きに「張る」ようなイメージです。FXの世界では「ポジションを取る」というような言い方をします。買った銘柄を売る、売った銘柄を買い戻すといった操作を「ポジションを解消する」というような言い方をしますが、実際に仮想通貨を売ったり買ったりしているわけではなく、ご自身が取ったポジションに応じた損益を法定通貨で決済しているだけです。

仮想通貨FXにおいて、どれだけ利益を重ねたとしても、そのFX取引においては実際には仮想通貨を一切保有していませんのでそのあたりの意識は明確に持たなければなりません。仮想通貨を短期のトレードの対象として考えるのであれば、特に意識する必要もないのですが、トレードをする一方で仮想通貨への長期投資も行いたいというのであれば、トレードする分とは別に、現物で投資する枠も用意する必要があります。

上手く組み合わせて使っていけば、仮想通貨FXで莫大な資産を築くことができますし、仮にどちらかが失敗してももう一方で立て直せるかもしれませんね。