手持ちの仮想通貨を増やす手段としては、「購入する」「何かと対価としてコインを受け取る」といった、まさに「お金」とみて増やす方法とともに、その通貨の種類によっては「マイニング」を行うことによってもその保有量を増やすことができます。ビットCOINのマイニングは個人が単体で行うにはあまりにハードルが高く、大きなプレーヤーが作った仕組みに相乗りするほかありません。

一方でまだ通貨そのものやその将来性が認知されていないような「アルトコイン」「草コイン」であれば、個人のPCや、究極的にはスマートフォンを使ってでも、アルトコインのマイニングを行うことができます。まだ価値は低くても、将来的に価値を持てば、手軽に増やしたアルトコインが何十倍、何百倍になる可能性もあることを考えると、アルトコインのマイニングをやってみる価値はあるかもしれません。具体的なアルトコインのマイニング手法などについて考察していきます。

アルトコインをマイニングする方法について

どのアルトコインを対象にマイニングを行うかによって手法は変わってきますので、(場合によってはNEMのように全ての枚数が発行済で、アルトコイン「マイニング」が行えないものもあります)一般的、かつ個人でも手軽に始められるようなものに絞って解説します。

アルトコインのマイニングの手法の中には、個人の所有しているPCやマシン単体で採掘を行い、成功した場合に収益を得ることができる「ソロマイニング」と複数のPC、マシンで協力してマイニングを行い、成功した場合にその貢献度に応じて報酬を分配する「プールマイニング」が存在します。マイニングによって収益を得るというくくりで考えると、アルトコインのマイニングを行う企業などに投資を行い、配当を得る「クラウドマイニング」も対象になるかもしれませんが、これはどちらかというと「投資」に近い考え方になるので今回は外します。

アルトコインのソロマイニングは、もちろん対象とする銘柄次第にはなってきますが、複数人でチーム戦を展開してくるプールマイニングや、場合によっては経済力のある法人と競うことになりかねないので、使うマシンの性能に自信がある、もしくは将来性がありつつ現在はマイナーが少ないブルーオーシャンの市場を発見したといった場合を除いては、プールマイニングの方で参入することが奨励されます。自分で共同採掘者を募集することもできますし、中々集められないようであれば、誰かの募集に乗るのも効率的でしょう。

アルトコインマイニングにおすすめのコイン

マイニングの概要が理解できたところで、アルトコインのマイニングにおすすめのアルトコインを選ぶ方法を説明します。マイニング対象となるアルトコインの選定はいくつか軸を持つ必要があり、そのいくつかは一見両立が難しいケースもあるので、注意が必要です。まず、そもそもマイニング報酬を入手するためには、競合がそれほど強くないことが望ましいです。ビットCOINを始め、人気のアルトコインには多くのマイナーが参加しているため、特にアルトコインのソロマイニングを行う場合はアルトコインの報酬が得られる可能性が低くなります。

一方で、アルトコインのマイニングする通貨は現在価値をもつもの、もしくは将来的に価値を持つ可能性の高いアルトコインであることが求められます。価値が高い、もしくは高くなる可能性の高いアルトコインは採掘したい人も増えますので、名前や将来性が知られていなく、かつ有望である確信のあるアルトコインを採掘するのが、パフォーマンスが高い状態となるでしょう。

といっても、上場前のアルトコインであれば採掘の難易度も低いとは思いますが、そのまま上場しなければ実質的に無価値となってしまう可能性もありますので、よほど自信がない限りは奨励できません。アルトコインマイニングのMinergateというサイトに登録しSMART MINERという機能を使えば、現状の価値や採掘の難易度から、最も採掘効率の良いアルトコインを選定してくれるようです。

アルトコインのマイニングをスマホで操作する

アルトコイン マイニング個人のPCでもアルトコインのマイニングを行える、という点から、「スマホでもアルトコインマイニングができるのではないか」という発想に至った方もいらっしゃるかもしれません。いまや、最新のスマートフォンは安価なPCよりも高いスペックをもっています。結論としては、スマホでのアルトコインマイニングは可能です。

たとえば、先ほど名前が出てきたMinargateが出しているスマホアプリ(※Androidのみ対応)をダウンロードし、アカウントを作成し、マイニングするアルトコインを選択することによって準備が完了します。あとは「マイニング開始」をタップするだけで、スマートフォンのスペックを使って、アルトコインのマイニングに参加することができます。ただし、アルトコインのマイニング中はデバイスがアルトコインのマイニングのためにその処理能力をフルに使うことになりますので、発熱や電池の消耗については十分に考慮しなければなりません。

また、アルトコインのマイニングの収益を考える場合スマートフォンの充電にかかる電気代と、マイニング報酬から得られるアルトコインを日本円換算した場合を比較する必要があります。現状、ビットCOINの採掘で元を取るのは難しいようです。加えて、スマートフォンのOSを提供している2大企業のGoogle、Appleそれぞれが仮想通貨のマイニングをポリシー上禁止としていますので、大幅な規制がなされるリスクは考慮しなければなりません。

アルトコインマイニングの収益を考えるために

アルトコインのマイニングは、場合によってはスマホからでも参入できるくらいに手軽なものであることが理解できました。ただし、手軽にできることと、そこで収益をあげることができるかは別に分けて考えなければなりません。「将来のためにマイニングしていて、現在は赤字でも構わない」と考えることもできなくはないですが、月々の収支が赤字であるならば、その分の法定通貨でマイニング対象の仮想通貨を購入した方が間違いなく効率が良いです。

収益を考えるために考慮しなければならないのは「マシンの費用」「電気代」「インターネット接続料」の3点です。また、マイニングにより収益を得た場合、事業を行っていることになりますので、仮に副業などであっても、年間で20万円以上の利益を得ている場合は申告しなければなりません。マシンを普段使いのPCやスマホで行い、インターネットも普段使っている回線を用いるようであれば、実際の手残りとしては、考慮しなくても良いかもしれませんが、新たに機器を購入する場合はその費用も考慮しなければなりません。

中でも、ネックとなるのは電気代で、マイニングのライバルの中には中国や韓国のような電気代の安い国に拠点を置いているプレーヤーも多いです。現状電気代が高額な日本において、マイニングに参加しても収益が得にくいというのが実情でもありますので、よく収益を計算した上で参入を考えなければなりません。

アルトコインマイニングの効率を考える指標

参入は容易でありながら、ランニングコストがかさみ、現実的には銘柄の選定をしっかりと行わないと収益を上げにくいアルトコインマイニング。効率を考える上で、重要な指標となるのが「ハッシュレート」です。ハッシュレートとは、その仮想通貨のマイニングに必要なマシンの計算能力の事です。

このハッシュレートが高い仮想通貨であれば、個人で所有するマシンでの採掘難易度が高くなりますので、効率が良くないと考えることができます。現状、ハッシュレートが高くなく、かつ通貨としての価値が比較的高い銘柄としてはモネロ(XMR)が取り上げられることが多いです。Minargateが自動で抽出する効率の良い銘柄としても、上がってくる銘柄です。ただし、今後の市場の動向や、採掘専用機の登場などによって、推奨銘柄は常に変わっていきますので、こまめに動向を確認することが欠かせません。