仮想通貨取引は資産運用の1つで、今や会社員や主婦などが将来の資産形成を行うために、運用を始めているケースまであります。以前は、仮想通貨というと怪しいなどと感じて、敬遠する風潮でしたが通貨や決済として実際に利用できることが、認知され始めると人々の考え方も変わってきました。そして、運用方法や取り巻く環境も日々変化しています。その1つがAIの関わりです。
仮想通貨と同じように、近年急速に技術が発達している分野がAIです。従来は、映画や漫画といったSFとして考えている方がほとんどで、実社会において使用する機会を想像している方は少なかったでしょう。しかし、今やAIもスマホやスマートスピーカー、あらゆる分野で活用され始めていて、ニュースでも取り扱うことが増えてきました。
そして、最近では自動売買にAIを組み込んだり、市場予測をAIが行ったりとフィンテックにAIが組み込まれ始めています。今、取引を行っている人は既に次のステップに進みつつある、仮想通貨とAIの技術について知る必要があります。
そこで今回は仮想通貨とAIをテーマに、相場予測を行うAIの特徴や自動売買に用いるメリット、日本が開発したシグナルと呼ばれるサービスといった、様々な項目をご紹介します。
仮想通貨AIによる相場予想の精度や特徴
仮想通貨取引を最近始めた方や、既に半年以上取引を行っている方の中には、利益よりも損失が大きい状態で悩んでいるのではないでしょうか。取引は手軽にできますが、利益を継続的に得るためには、取引の仕組みから銘柄の特徴、チャートの予想まで勉強する必要があります。
しかし、誰もがすぐ知識や経験を身に付けられる訳ではありませんから、取引を行ってもなかなか利益が出ない期間を過ごすことになります。それでも、仮想通貨取引で早く利益を得られるようになりたいと、思っている方は多いのが当たり前です。
そのような悩みを抱えている方にとっても注目なツールが、仮想通貨の相場をAIが予想するというサービスです。例えば、ウェブボットAIが有名で、Cは仮想通貨に限らずあらゆる分野や事象に関して、分析や予想を行っています。
ウェブボットの特徴は、チャート分析や銘柄分析を行う機能はなく、市場や銘柄がどのような方向性で進むのかといった、マクロ的な予想を行っています。マクロとは、大局的なモノの見方のことで、市場や世界経済といった、大きなくくりで考えます。
AIの中には、このような市場や相場を予想するタイプもあり、ファンダメンタル分析が苦手な方や予想が難しいと感じる方は、活用してみるのもいいでしょう。
仮想通貨に関連するAIの1つである、ウェブボットの場合はSNSのデータを収集して、人々の感情から相場や予想を行っています。つまり、この場合のAIが分析している情報源は、SNSなどで、精度としては参考程度にするといいでしょう。
また、予想の特徴として短期的な情報ではなく、半年以上の長期予想が中心となっているため、長期取引を行っている人向けともいえます。
仮想通貨をAIによるトレードで行うメリットとデメリット
仮想通貨に関連するAIは、市場や景気予想だけではありません。中には、仮想通貨のトレードを行ってくれる、いわゆる自動売買のタイプがあります。取引を行っている人の中には、利益をなかなか得られないケースもあり、別のアプローチで取引を考えている場合にAIの活用も考えてみると良いでしょう。
仮想通貨のトレードをAIで行うメリットとしては、手間が掛からないことが大きいでしょう。仮想通貨取引と一言で表しても、実際は銘柄探しから始まり情報収集と整理、銘柄のチャート分析と価格予測をしつつ売買タイミングを見極めます。ですから、初心者や取引の時間がない方にとって、手間が掛かると感じる部分です。
その点、AIによるトレードに切り替えた場合、AIが銘柄チェックから売買候補を探し出し、チャート分析などを行い売買まで、自動で進めてくれます。ただ、経験が少ない方は、AIを活用しつつ経験を増やすことも重視した方がいいです。なぜなら仮想通貨AIがトレードした結果を見ても、銘柄とチャート分析、売買タイミングを行った原因が掴めないからです。ですから、AIに頼り過ぎないようにしつつ、AIのトレードを活用するバランスを維持することが大切です。
他にもメリットがあり、心理的要素を排除できるのが魅力です。取引に慣れている方でも、どこかで感情が入り取引にブレが生じる可能性があります。対して、AIの場合は、トレードにとってリスクとなる心理要素を排除できるため、決められた設定を守りながら淡々とトレードを進めることができます。
続いてAIによるトレードのデメリットですが、突然の変化に対応しにくいということです。トレードを行うAIは、蓄積された情報やデータを基に分析や売買を行います。しかし、短期的な予測しにくい変動に対して、過去のデータと違っている状況では適切な対処が難しいです。
ですから、AIによるトレードを考えている場合は全て任せないようにしましょう。自身でも日々仮想通貨市場について情報収集しながら突発的なトラブルに対処できるよう準備しておくことが大切です。
仮想通貨AIのシグナルとは
仮想通貨に関するAIの1つに、国産のツールとして注目集めているシグナルがあります。サービスは、2018年10月を予定しており、近々サービスが開始されます。シグナルとは、仮想通貨のトレードを行うツールではなく、仮想通貨に関するあらゆる情報を収集します。
また、AIを使ってデータの収集と整理を行うため、これまでのように手動で情報収集せずとも効率的な分析が可能となります。更に、情報収集の時間が短縮されるため、新たに銘柄を探す作業や取引に関する勉強に充てることができ、メリットが多いです。
AIを活用したシグナルは、ブロックチェーンの取引データやマイニングデータ、各チャートデータ、専門家による独自の分析リポートなどを提供します。
仮想通貨をAIが運用する
運用するAIは、主に欧米圏でツールやサービスの展開をしています。従って、日本の投資家にとっては、AIによる運用ソフトの活用がしにくい状況でもありました。しかし、その状況は変わりつつあり、日本の仮想通貨運用AIが開発されています。
その1つが、Bootneyと呼ばれるサービスです。2018年8月から事前登録が始まっており、Bootneyの公式ホームページから登録が可能です。サービスの利用方法は、数種類のAIロボットから1つを選ぶだけで完了です。あとは、AIが自動で仮想通貨取引や運用を行います。また、AIロボットの運用に関する料金は、無料とされており誰でも気軽にAIを活用した運用ができます。
仮想通貨AIの将来性
近年はフィンテックと共にAIについても、急速な技術発展が進んでいまして仮想通貨業界にも徐々にAIが組み込まれてきています。また、人によっては、まだ仮想通貨AIについて利便性よりも抵抗感の方が大きい方も多いでしょう。
しかし、仮想通貨AIについて考えた場合、将来性が期待できる側面もあるため今後利用する機会が増えることが考えられます。2018年時点で、国内外問わず仮想通貨の運用AIや、情報収集と分析AIなど仮想通貨取引に必要な作業をAIが代わりに行うことが可能となっています。
完全な予測は不可能ですが、心理的要因を排除できる点や大量の情報を瞬時に分析できる機能は、人では難しい領域です。従って、仮想通貨AIの将来性に期待できると考えられますし、今後もAIと仮想通貨の関わりは密接なものとなるでしょう。