今巷で仮想通貨の自動取引ができるというBOTが話題を呼んでいます。仮想通貨の投資では、人がやる場合には感情などが邪魔して思い切った取引をしてしまう場合がありますが、規定のアルゴリズムに基づいたBOTによる自動取引では完全にデータから分析して自動で売買を行います。今回はこのBOTがどういったものなのか、どんなことができるのかといったことを紹介したいと思います。

仮想通貨BOTは自動売買ができる

BOTとは、仮想通貨の取引を自動で売買してくれるロボットのことを指します。設定されたプログラムがチャートを監視しながら、条件に合えば自動で取引を行います。必ず利益が出るという保証はありませんが、設定をロジックに基づいて行えば十分に利益を見込める可能性があります。BOTは自分の取引所と繋がっている状態で勝手に取引を行ってくれるため、副業で投資をしている方や会社員としてチャートを見ている時間がないという方にとっては、上手に使うことができれば利点は多いと言えます。

また、AIの機能のような「ウェブBOT」なるものも存在し、仮想通貨の市場を予測し、ビットコインやアルトコインなどの将来価値や未来などを予測しているBOTもあります。これはインターネット上に記載されたキーワードを追跡し、将来の出来事を予測するBOTで、自動取引ができるBOTとは少し異なるようです。

仮想通貨BOTの入手方法

自動取引BOTは自分で作成を行うか、販売されている自動取引BOTを購入する必要があります。売買を行う際の設定や、条件を定める場合にはプログラミングを入力して行います。そのため、BOTを運用して取引を行う場合はプログラミングスキルが必須となります。

購入する際には、有料でお金を払って購入できるものも、無料で使用できる仮想通貨自動取引BOTもあります。どういったところまでサポートしてくれるのかはそのBOTによると思いますが、どこまでの機能を有しているかという信頼性にかけ、有料のものを購入した場合には詐欺の可能性も考えられるので、自作でBOTを作成した方が良さそうです。

自動取引BOTを作成する場合に必要なものは
・取引所の口座
・取引所のAPI
・PC
・プログラミングスキル
となっています。

取引所は、自動で取引を行うためのAPIを使うために取引所を開設しておく必要があります。APIとはアプリケーションプログラミングインターフェースのことで、プログラミングで指示する際に大切となる決まったルールのようなものです。

APIは実際にプログラミングの中身を知らなくても機能が使えるということが利点です。また、これらを行うにはパソコンを使用して作成すると効率がいいため、BOTを作成するにあたってプログラミングのスキルも外せず、これら一通りの準備が必要となります。

仮想通貨BOTのメリット・デメリット

次に自動取引を使用した際のメリット・デメリットをご紹介したいと思います。

・使用した際のメリット
自動取引BOTを使用した際のメリットとして考えられるのが、取引の時に感情に左右されず取引を行うことができるということです。取引の時にいつも妨げとなるのは人間の感情で、いきなり値動きが激しくなった時に我慢できずに売ってしまうなどの行為がよく見受けられますが、BOTを使用することにより邪魔になるメンタルの部分が取り除かれ、設定されたロジックに基づいて取引を行うので、感情により起きる利益を逃すことが無くなります。

また、BOTを使用する際の他のメリットで挙げられるのが、時間を上手く使えるということです。取引をすると、どうしてもチャートの動きを追っていかなければいけないので、常にチャートに張り付いている状態となります。その場合は、他のことに気を回せなくなるので時間がかかってしまいます。しかし、BOTはそういった時間を節約できるため、非常に効率のいい生活を送ることができます。

・使用した際のデメリット
自動取引BOTを使用した際に考えられるデメリットとしては、設定したロジック以外のことができないのでチャンスを逃す可能性があります。自分で取引をする際にはチャートをみていて値動きが気になって試したいと思って売買を行うときがあると思いますが、そういった場合の時にBOTであると試すことができません。

また、定期的にBOTを改良しなければいけないので、必然的にプログラミングのスキルが間違いなく必要となります。BOTにも不具合が出てくることはあるので、定期的に改良が必要となります。設定するロジックを改変する際にもプログラミングは必要となるため、プログラミングのスキルは必須となります。取引所がサーバーを停止してしまうなどの予想外の展開が起きた場合の対処にも困る部分はありますが、メリット的な側面が大きいように考えられるので試してみるのは悪い判断ではないと言えます。

仮想通貨BOTが指示する予想は当たるのか

仮想通貨BOT自動取引BOTが指示してくる予想が当たるかどうかは、自分が設定したロジックによります。つまり、自分の投資を行ってきた経験が間違いなくBOTの予測率を向上させるといえます。また、以前、「ウェブBOT」が大々的に行った2018年の予測ではこのようなことが発表されました。

・中国の規制が強まる
・モネロが春より先に高騰する
・イーサリアムが乱高下する
・イーサリアムが上昇するがスマートコントラクトに問題が見つかる

いくつかの予測には当たっているものがあり、ここで紹介していないものも当たっています。中国の規制が強くなっているのは以前のニュースで見受けられたので、ウェブBOTが行った予測はある程度当たっています。これからの予測として期待されているのが、ビットコインが年末あたりに10万ドルに到達するというものと、今期の夏頃にビットコインキャッシュに世界が注目するというものがあります。どれもありえそうな予測ですので今後のウェブBOTには期待です。

仮想通貨BOTが普及した際の不安

これからの投資業界や世界で自動取引BOTが普及すると考えられるのが、今以上に詐欺が横行することがあげられます。現在でも、自動取引は簡単に稼げるという謳い文句で情報弱者をターゲットとした詐欺の被害が相次ぎません。これからはマルチ的な商法の被害が増加することに懸念されます。また、一番の不安としては、自動取引BOTが行う投資によって値動きが左右されるのではないかということです。

昨年の仮想通貨の急激な価格高騰はAIによるBOTが引き起こしたという説があります。仮想通貨の取引で、どれほどの人間のトレーダーによってなされているのか、どれだけのBOTによって取引が行われているのかというのはデータとしてはありませんが、BOTによる取引は仮想通貨の市場を大きく左右し、自由に操作を行う可能性があるため、これからの市場がパニックに陥ることも予測されます。

自動取引BOTを使用するトレーダーたちは時間を節約でき、お金を上手に稼ぐことができているのかもしれませんが、世界的に現在よりもこういった状況に発展してしまった時には、投資で稼げる人と稼げない人が徹底的に2極化される世の中になってしまうかもしれないため、これから始めようと思っているトレーダーの方々は不安点が多いと考えられます。