仮想通貨投資の初心者にとって、「デイトレードってチャート分析必要だし難しそう」といったイメージがあるかもしれません。デイトレードは、想像しているよりも簡単で、基本的なやり方を抑えれば初心者でも始められる投資方法です。この記事では、仮想通貨デイトレードの基本的なやり方、メリット、デメリット、税金と確定申告のポイントを厳選してご紹介します。
仮想通貨デイトレードのやり方
仮想通貨のデイトレードとは、数時間〜1日で仮想通貨トレードを行う投資方法のことです。その日のうちにポジションを清算し、翌日以降にポジションを持ち越さないので、初心者でも始めやすい投資方法となっています。数秒〜数分でトレードを行う「スキャルピングトレード」、数日から数週間でトレードを行う「スイングトレード」という投資方法もありますが、ここでは「デイトレード」のやり方を3つご紹介します。
1つ目は、現物取引です。現物取引とは、自己資本の範囲で行う取引のことを指します。例えば、現金50万円を持っていて、ビットコインが50万円のときに購入します。数時間後にビットコインが55万円に上がり、このタイミングで売却すると差額の5万円が利益となります。基本的なトレード方法のひとつで、結果もわかりやすいのが現物取引の特徴です。
2つ目は、アービトラージを使う方法です。取引所ごとの「価格差」を利用して取引を行います。例えば、取引所Aでビットコインが49万円、取引所Bでビットコインが50万円だったとします。そこで、取引所Aでビットコインを49万円で購入し、同時に取引所Bでビットコインを50万円で売ると、差額の1万円が利益となります。あらかじめ、ある程度の現金とビットコインを保有する必要がありますが、確実に利益を出せる方法です。
3つ目は、FXでレバレッジを掛ける方法です。取引所に証拠金を預けることで、自己資金の何倍ものトレードができるようになります。取引所ごとにレバレッジ倍率や対応通貨は変わりますが、国内では最大25倍のレバレッジが掛けられる取引所があります。うまく行けば現物取引やアービトラージよりも利益を上げることが可能です。ハイリスクハイリターンの投資になります。
仮想通貨デイトレードのメリット
仮想通貨は1日で価格が大きく変わることがあり、ボラティリティが大きいのが特徴です。株やFXでは1日の価格変動は数%ですが、仮想通貨は1日で数十%変わることがあります。そのため、現物取引だけでも高い利益が期待でき、レバレッジを掛ければより高い利益が狙えるようになります。また、短期間で大きな価格変動があった場合の「ストップ高・ストップ安」という制度が仮想通貨にはないため、他の金融商品では考えられないような暴騰・暴落が生まれます。
24時間365日トレードができる点も大きなメリットです。国内株式市場は平日の9時~11時半、12時半~15時というように、あらかじめトレード時間が限定されています。また、FXだと24時間トレード可能ですが、土日や年末年始はトレードができません。一方、仮想通貨市場は24時間365日トレードが可能なので、平日に時間がとれないサラリーマンや学生でもリアルタイムでデイトレードに参加できます。
また、デイトレードは取引手数料が無料であったり、格安であったりする取引所が多いのもメリットです。トレード回数が多くなっても投資家の負担が少ないので、エントリー回数を増やしていけます。短期で自己資本を回していくデイトレードと仮想通貨投資は相性が良いといえるでしょう。
仮想通貨デイトレードのデメリット
仮想通貨市場はボラティリティが大きいので、負けが続くと早い段階で資産を失う恐れがあります。現物取引であれば、資産がマイナスになることはありません。しかし、レバレッジを掛けたFX取引の場合、資産がマイナスになる可能性があります。
また、デイトレードの場合、一日中チャートを見ていないといけないため、日常生活への影響が考えられます。仮想通貨デイトレードは24時間365日相場が動き続けているので、目を離す隙がありません。日常生活を犠牲にせずにデイトレードをするなら、「価格アラート」や「上場アラート」などのツールを導入して、トレードの負担を減らした方が賢明でしょう。
そして、投資家自身に情報セキュリティ対策が求められます。仮想通貨市場では、ハッキング被害、フィッシング詐欺、秘密鍵の漏洩などにより、資産を失うケースが多発しています。仮想通貨のデイトレードでは、オンラインでデイトレードを行うたびに、上記のようなリスクに晒されています。アカウントIDやパスワード、ウォレットの管理を投資家自身が行わなければならないので、株や為替に比べると情報セキュリティ対策が必要となる投資です。
仮想通貨デイトレードの税金の扱いと確定申告
仮想通貨デイトレードで得た利益は「雑所得」です。雑所得は総合課税となっており、給与所得などのほかの収入と合算した額に応じて課税されます。利益を出せば出すほど税率が高くなる「累進課税制度」となっており、所得税の税率は最大45%まで上がります。住民税と合わせると最大55%課税されるので、事前に納税額の目安を把握しておくことが重要です。
仮想通貨デイトレードでは、利確した段階で課税されます。デイトレードにおいて利確とみなされるケースとしては、「仮想通貨を法定通貨に変えた場合」「仮想通貨Aを仮想通貨Bに変えた場合」が考えられます。例えば、「ビットコインを日本円に変えた場合」「ビットコインをイーサリアムに変えた場合」などが利確とみなされ、トレードごとに計算しなければなりません。
仮想通貨デイトレードは、必然的にトレード回数が多くなり、税金の計算が複雑になります。利益額の計算方法は、「移動平均法」か「総平均法」を納税者自身が選んで計算します。一度選んだ計算方法は、翌年以降も同じ方法で計算しなければならないので慎重に選びましょう。日々のデイトレード記録は、各取引所がCSV形式でダウンロードできるようにしている場合が多いので、計算が不安な方は確認してみてください。
また、1年間の利益が20万円未満の場合は、確定申告の必要はありません。例えば、1年間の取引において利益が30万円、損失が20万円の場合、総合すると利益は10万円になるので、確定申告の必要はありません。計算しなければわからないこともあるので、仮想通貨デイトレードをして利益が出た場合には、大事をとって計算してみると良いでしょう。
仮想通貨デイトレードの鍵は「鮮度ある情報」と「利確・損切りルールの設定」
すべての投資に共通することですが、安定して収益を上げていくには「鮮度ある情報」をキャッチするかが鍵となります。仮想通貨デイトレードは、24時間365日トレードが行われており、ボラティリティの大きな市場です。ちょっとしたニュースやインフルエンサーの噂話しでも、価格変動が起きるデリケートな市場なので、「鮮度ある情報」を持っているか持っていないかで、行動と結果に差がでます。
また、投資家自身で「利確・損切りルール」を決めておくことが重要です。価格が上がると「まだ上がるだろう」という欲が出て、価格が下がると「持ち直すだろう」と甘く見てしまうのがデイトレード初心者の心理です。「20%上がったら利確する」「10%下がったら損切りする」というような、事前にマイルールを決めておくと、相場で生き残る可能性が高まります。
仮想通貨デイトレードは短期で投資をしていくスタイルなので、感情でトレードを行うのはオススメしません。勝つこともあれば、負けることもあるのが仮想通貨投資です。長く利益を出していくためにも、ルールを決めてトレードしていきましょう。そして、常に情報のアンテナを立てて、鮮度ある情報をキャッチできるように努めることが重要です。