仮想通貨FXの人気は高く、通常のFX(外国為替取引)に比べボラティリティが高いこともあり、巨万の富を築く人も珍しくありません。その分、リスクも高いわけですが、FXや株取引で使われるテクニカル分析を用いることで、予想の精度を上げることができます。仮想通貨FXは、FXに比べルールが整備されていませんが、それはトレーダーからすればメリットでもあります。また、仮想通貨FXは国際情勢の影響などが、法定通貨に比べ軽微であり、チャートをしっかりと読み込むことで勝率を上げることが可能です。

もちろん、仮想通貨もあらゆるニュースに影響を受けるわけですが、仮想通貨FXのトレードに関する情報はチャートに、より多く含まれていると考えられます。仮想通貨市場には、これまで投資やトレードの経験が少ない人も多くいます。仮想通貨FXの基本的なテクニックと知識を備えることで、得られるメリットは他の市場より、大きいかもしれません。

仮想通貨FXの勝ち方は売りを活用すること

仮想通貨FXでは、実際に、有る資産にレバレッジを掛けて、より大きな額のトレードが可能です。この際、証拠金として取引所の口座に資産を入金しておく必要があります。証拠金を、担保に、倍・3倍・5倍などの仮想通貨を借り入れることで、より利益率の高いトレードができます。通常の現物取引では、買いから入ることしかできませんが、仮想通貨FXでは、売りから入ることができます。証拠金を担保に、取引所から仮想通貨を借り入れる形になります。借り入れて売った仮想通貨を買い戻す(返却する)ことによって、その差額を利益とすることができます。

売りから入ることができるのが、仮想通貨FXの最も大きなメリットかもしれません。仮想通貨市場において下落相場でも利益を上げることができるので、単純にトレードのチャンスが倍になります。もちろん、上昇トレンドが続いている場合には、売りから入っても損をしますが、そのときは通常通り買いから入ることで利益を上げることができます。なお、FXではレバレッジをかけて、買いから入ることを「ロングポジション」を持つと表現します。売りから入ることを「ショートポジション」と呼びます。ポジションを解消することで利益を確定します。仮想通貨FXにおいて的確にポジションを取るには、短期的な値動きに加えて、中・長期的なトレンドを見極める必要があります。その為には、チャートを分析しなければいけません。

仮想通貨FXにはチャート分析が有効

投資の世界では、テクニカル分析とファンダメンタル分析という2つの分析手法があります。仮想通貨FXでチャートを分析する際には、テクニカル分析を用います。チャートを数学的に分析することで、過去のデータから今後の値動きを予測します。仮想通貨にも、ファンダメンタル分析は有効ですが、短期的なトレードのツールにはなりません。仮想通貨の機能や、将来性を見込んで、長期的な投資を考える際には役立ちます。突発的なニュースや、ハードフォーク、マイナー達の政治的な軋轢などが、値動きに影響することもありますが、基本的には、チャートを分析することで値動きを予想します。

そもそもFXなどの投資とは、将来的な価値に対して、長期的に行われるものです。もちろん利益を上げるために投資も行われますが、貨幣に対しての投資というのは原則的にありえません。ICOによる資金調達などは、投資と呼べますが、通貨の売買によって利益を上げる行為は、投機と呼んだ方が正しいです。だからこそ、仮想通貨の値動きも、基本的にはテクニカル分析、つまり、チャートを分析することで予想します。仮想通貨FXで勝率を上げるためには、感情を排し、確率・統計的手法を用いる必要があります。

テクニカル分析には、伝統的な手法が多くあり、それは改良され進化しながら、多くのトレーダーに愛用されています。チャートを作るのは、各トレーダーの心理や行動の積み重なりです。つまり、仮想通貨FXでチャートを分析して予想するには、多くのトレーダーと同じ景色をみることが重要です。最も代表的なツールとして移動平均線が用いられています。

仮想通貨FXの移動平均線は短めに設定する

移動平均線は、一定期間の値動きを平均化することで表します。移動平均線は各取引所の基本ツールとして使用できることがほとんどです。一度、確認してみてください。平均するデータ範囲を任意で設定することが可能です。短期、中・長期の移動平均線を同時に用いることでトレンドの傾向が可視化されます。最も基本的な移動平均線が単純移動平均線です。単純に全てのデータを均一に扱い、平均したデータが線として表示されます。単純移動平均線を導入するだけでも、ローソク足を見ているだけの状態より、トレンドが掴みやすくなります。

また、移動平均線は、精度を上げるために進化してきました。より、直近の値動きをデータとして反映させる意図で、「加重移動平均線」「指数平滑移動平均線」という代表的な移動平均線があります。仮想通貨市場はまだ、歴史が浅く、データも少ないため仮想通貨FXにおいては指数平滑移動平均線を用いることが推奨されています。しかし、それぞれの移動平均線には長所と短所があり、目的や状況によって使い分けます。各トレーダーは、好みや自分のトレードスタイルによって使い分けることが一般的なようです。最初に仮想通貨FXを始める際は、実際に、単純移動平均線を短期・中長期で引いてみることから始めてください。また、移動平均線をいくつか組み合わせることで、チャート分析・予想の精度を上げることも一般的です。代表的な手法として、MACD(マックディー)があります。

仮想通貨FXにもMACDは有効

仮想通貨FX分析MACD(マックディー)とは、短期の移動平均線と中長期の移動平均線を組み合わせることで、トレンドの遷移を予測するための手法です。用いられるのは、指数平滑移動平均線の、短期移動平均線と中長期移動平均線です。MACDラインとシグナルと呼ばれるラインを比較することで、市場の動きを把握します。シグナルとMACDの差を棒グラフで表したものをヒストグラムと呼びます。取引所のチャートに表示されていることも多いので、合わせて視認することで仮想通貨FXの買いや売りのタイミングをはかることができます。このMACDのラインとシグナルが交差することがあります。ゴールデンクロスやデッドクロスと呼ばれるタイミングを、より堅実にはかることができます。

仮想通貨FXにおいてもトレンドの変化や、その予兆を感じるには単純な移動平均線に加えて、MACDを利用することが有効です。数値設定の仕方や考え方には、バリエーションがあるため、自分に合った手法を模索することが大切です。また、MACDのデメリットとして上げられるのが反応速度の遅さです。急激なトレンド変化に対応することなどが難しいため、その他の手法と組み合わせて使うことで、より予想の精度を上げることができるでしょう。

しかし、反応速度が遅いというのは長所にもなります。いわゆる「だまし」と呼ばれる値動きに、だまされにくくなります。特に仮想通貨市場は、上がると思いきや、下がる。逆に下がると見せて上がるなど、急激な変化が多くあります。「クジラ」と呼ばれる、大口トレーダーの仕業なのか、真相は不明ですが、まるで、そのような存在が、市場を操作しているような値動きも珍しくありません。仮想通貨は重大なニュース(新規上場ニュースなどポジティブなニュース、ハッキング事件などのネガティブなニュース)などが、発表された時にも、予測を超えて高騰・暴落します。FXのチャート分析の手法を複数組み合わせるとともに、日頃からニュースをチェックすることも、やはり、必要な作業になってきます。

仮想通貨FXを始める前にロスカットを理解しておく

仮想通貨FXを行う場合、最も気をつけなければいけないことがロスカットです。ロスカットとは、設定された証拠金維持率を下回ったとに強制的に決済されることです。証拠金取引というからには、証拠金がなければ取引に参加できません。トレードの損失を補填するためには証拠金が必要だからです。多くの取引所では、一定の証拠金維持率を下回ると強制的にロスカットされます。また、仮想通貨FXでは証拠金以上に、損失が出た際には借金を抱えることになります。それを避ける為のロスカットでもあります。利用する取引所の証拠金維持率や、追証の有無は、始める前にしっかり確認しておきましょう。

100%の勝率はありえません。負けるときは負けます。経験豊富なトレーダーこそ、負けることに抵抗がないようです。トータルの勝率を上げることと、確実に細かく利益を重ねることを重視します。仮想通貨FXで最も気をつけなければいけないのは、値動きの予想が外れたときの振る舞いです。いずれ、上がるだろう、もしくは下がるだろうと希望的観測に基づいて、放置していては、ほとんどの場合、大きな損失を産むことになるでしょう。適切に損切りラインを設定して、冷静にトレードしましょう。仮想通貨FXにおいてチャート分析の手法を、的確に応用して使いこなすことは簡単とは言えません。また、考え方自体はシンプルであっても、それを実行していくには強いメンタルが必要です。デモトレードなどを利用して事前にトレーニングを積むのも良いかもしれません。