仮想通貨のマイニングを考えた時、真っ先に思い浮かべるのはビットコインでしょう。しかし、ビットコインのマイニングは巨大な資金を持つ大企業や資産家などが次々に参入しているため、資金が少なく十分な設備を整えられない個人では利益を出すのが困難です。本ページでは個人でも利益を出しやすい「アルトコイン」のマイニングについて解説していくので、個人でやってみたいという方はぜひ参考にしてみてください。

アルトコインのマイニングのやり方

アルトコインでのやり方は大きく分けるとソロマイニング、マイニングプール、クラウドマイニングの3種類があるので、順番に見ていきましょう。

まず1つ目のソロマイニングについてですが、文字通り一人でパソコンや専門機器を使って行うやり方です。一人で用意できるパソコンや専門機器のスペックには限りがあるため、大企業や資産家などと競い合うのは困難ですが、アルトコインの報酬を一人ですべて獲得できるのでリターンが最も大きいやり方であると言えるでしょう。

次に2つ目のプールについて見ていきましょう。これはソロマイニングのように一人ではなく、複数人で協力しあって行うやり方です。前述のように、個人では大企業や資産家などに太刀打ちできないため、このマイニングプールというやり方が生まれました。一人一人に要求されるパソコンや専門機器のスペックがそこまで高くないというメリットがある一方で、アルトコインの報酬は貢献度に応じて分配されるため、ソロと比べるとリターンが少ないというデメリットがあります。しかし、確実に報酬を受け取れるので、堅実に稼ぐことができるでしょう。

では、最後に3つ目のクラウドマイニングについて見ていきましょう。クラウドマイニングはソロマイニングやマイニングプールとは性質が異なり、自分自身で行うわけではありません。アルトコインのマイニングを行っている企業に投資をすることで出資者として参加し、出資額に応じて配当を受け取ります。アルトコインを含めた知識や設備が必要ないため、株式と同じような感覚で気軽に参入できるというメリットがあります。しかし、中には詐欺を行っている業者も存在するため、十分に注意が必要です。

アルトコインのマイニングは個人でもできる

冒頭でも述べたように、ビットコインのマイニングを個人で行って利益を出すのは非常に困難なのが現状です。しかし、アルトコインであれば大企業や資産家などの参入が少なく、ビットコインほど複雑な計算処理も必要でないため、アルトコインは個人でも参入しやすいという大きなメリットがあります。では、個人でアルトコインのマイニングを行うためには何が必要なのでしょうか。

それはパソコンまたは専用機器です。専用機器として代表的なものに「ASIC」がありますが、ASICは消費電力を抑えつつも高度な計算処理が可能なので、事業に参入する多くの企業に採用されています。ASICの導入には多くの費用がかかるので個人にはハードルが高いものの、長期的に見た場合はパソコンと比べて効率よく稼ぐことができるでしょう。

個人でも導入しやすいパソコンで行う場合は、CPUとGPUの性能が重要です。いずれもパソコンの処理装置ですが、どちらで計算処理すべきかはアルトコインの銘柄によって異なります。マイニングしたいアルトコインに合わせてCPUとGPUいずれかの性能が高いパソコンを選ぶとよいでしょう。

アルトコインのマイニングで稼ぐ

アルトコインで稼ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。稼ぐためには2つのアプローチが考えられます。まず1つが「稼ぎやすいアルトコインを選ぶ」ことです。イーサリアムやビットコインキャッシュなどのように時価総額が大きく、メジャーなアルトコインは競争率が高いものの、将来有望なのでアルトコインでは稼ぎやすい傾向にあります。逆に草コインのようなギャンブル性の高いアルトコインはリスクが大きいため、あまりおすすめできません。

もう1つのアプローチが「高いスペックのマシンを用意する」ことです。前述のように、ASICのようなマイニング専用機器は価格が高い分、非常に効率よく行うことができるのでアルトコインで稼ぎやすくなります。パソコンで行う場合もCPUやGPUの性能が高いものを用意することで、アルトコインでより稼ぎやすくなるでしょう。

アルトコインのマイニングにおすすめのソフト

アルトコインマイニングアルトコインのマイニングを行うためにはソフトが必要です。では、ソフトはどのように選べばよいのでしょうか。ソフトには「CUI」と「GUI」の2種類があるので、まずは両者の違いを理解しておきましょう。

CUIとは「Character User Interface」のことで、コマンドをキーボードなどで入力してコンピューターに指示を与えるタイプです。GUIと比べて処理速度が速く効率は良いのですが、使いこなすためには専門知識が必要になるため、初心者にはアルトコインはややハードルが高いのがデメリットです。

もう一方のGUIは「Graphical User Interface」のことで、CUIとは異なり視覚的に操作できるタイプです。マウスやタッチパネル、キーボードで操作ができるので、普段からパソコンやスマートフォンに慣れ親しんでいる方は簡単に使うことができるでしょう。よって、初心者の方がソフトを選ぶ場合はCUIよりもこちらがおすすめです。

そしてGUIでおすすめのソフトが「MinerGate」です。MinerGateはデザインがわかりやすく操作が簡単で、最も収益性が高い仮想通貨を自動的にマイニングしてくれる機能もあるため、初心者の方にもたいへんおすすめです。MinerGateはイーサリアムやライトコインなどのメジャーなものからマイナーなものまで幅広いアルトコインに対応しています。

アルトコインのマイニングに関する規制

世界各国では仮想通貨に関するさまざまな規制が整備され始めていますが、マイニングに関しても例外ではありません。特に中国では規制が活発に行われており、2018年1月には企業に対してマイニング事業から撤退するように通達しました。もともと多くが中国で行われていましたが、これは中国の一部地域で電気代が安く、税制面でも優遇されていたためです。事業によって中国の電力を圧迫したことが規制の原因の1つであると言えるでしょう。

中国の他には韓国において、養鶏場でマイニングを行っていた人物が逮捕されています。韓国では養鶏場や工場の電気料金が安く設定されていたため、それを利用して違法で行っていたということです。韓国では現在マイニングに関する明確な規制はありませんが、これから規制整備に向けて動き出す可能性は十分にあるでしょう。

また、アメリカではニューヨークで初めてマイニング規制が行われました。ニューヨーク州の小さな工場都市であるプラッツバーグが、マイニングを18ヶ月間禁止したという内容です。この規制のきっかけは、プラッツバーグの住民がマイニング事業者による電力の過剰使用を訴えたことでした。

行為そのものはもちろん違法ではありません。大部分の国で合法とされています。しかし、事業内容を偽装して不正に安い電力を利用し、行うことは違法です。また、合法であってもそれが原因で電力供給に問題が生じれば規制されていくでしょう。今後のマイニングに関する世界各国の動向に注目していきたいところです。