仮想通貨は怪しい。そんなイメージを抱いている方も多いでしょう。2017年6月時点で、日本で仮想通貨投資を行っている人は3%にとどまっています。ビットコインの存在を知っている人の割合は8割を超えていることを考えると、驚くほどの少なさです。アメリカ西海岸では仮想通貨での支払いが日常になってきているのに、日本は持っている人すらいない状況です。今回の記事では、これから始めたいと思っている方のために、仮想通貨は怪しくないということと、おすすめの取引所をご紹介します。
大手の証券取引所や企業が参戦
ビットコインと聞くと、多くの人が「マウントゴックス事件」を思い浮かべるのではないでしょうか。あの事件をきっかけに仮想通貨の知名度は上がりましたが、同時にネガティブな印象もつきまとうことになりました。「ネットのお金なんて信頼できない」そんなふうに考えている方もいらっしゃるかと思います。「マウントゴックス事件」に関して言及するならば、社長のカルプレル氏が資金を横領していたのが顛末です。問題があったのはビットコインではありません。
仮想通貨は少しずつ信頼を得ています。世界で二番目に大きな証券取引所であるナスダックが、2018年中にビットコインの先物取引に参入すると発表しました。これによって、アメリカの4大取引所のうち3つが仮想通貨市場に参加したことになります。ナスダックの競争相手はCMEグループと、CBOEグループです。この2社はすでに仮想通貨関連の金融商品を扱っており、11月の高騰にも貢献しています。CMEとCBOEに比べればナスダックの市場は小規模で未熟なため、どうやって対抗していくのかが見ものです。
このような動きは、投資家の参入を容易にします。怪しいものだとされてきた仮想通貨に信憑性がもたらされたのです。一部銀行員やテレビ関係者の「野蛮で未開拓なもの」といった声も鳴りを潜めそうですね。ウォールストリートも仮想通貨に関心をいだいています。ウォール街の資金が市場へ流入する可能性も高いので、今後の動きに注目です。
仮想通貨が信頼におけるものだという理由はお分かりいただけたでしょうか。早速始めてみたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、取引所の選定に注意しなければいけません。現在最も人気なのはビットフライヤーとコインチェックです。それぞれのメリットとデメリットを解説しましょう。
ビットフライヤーのメリットとデメリット
ビットフライヤーのメリットは、大企業が株主になっているので信頼が置ける点です。コマーシャルでは有名女優を起用しているのは皆さんも御存知ですね。国内でのビットコインの知名度上昇はビットフライヤーのおかげと言っても過言ではないでしょう。ビックカメラでのビットコイン決済の導入など、仮想通貨の普及に尽力しています。
ビットフライヤーは不正に対する補償も充実しています。メールアドレスやパスワードが盗まれて不正に遭った場合、最大で500万円までの補償してくれます。大手の損害保険会社とも契約しているので、安心して利用ができます。安全面では最も優れているので、ビットコインに特化して取引をしたいという方はビットフライヤー一択でしょう。
デメリットとしては、扱っている仮想通貨の数が少ないことです。6銘柄しか購入することができません。多くの人はビットコインから手を付けるかと思いますが、慣れてくると他の通貨も気になるものです。そういった場合には、ビットフライヤーは不便です。モナコインやイーサリアムは買えますが、それ以外のマイナーコインは手が出せません。幅広く仮想通貨に投資したいという方には不向きですね。
手数料が高いことも気になります。カードで決済する場合、10%もかかります。購入画面に手数料が記されていないこともあるので、あとにならないと気づけない、ということもあります。ビットフライヤーで取引される方は、よほどのことがない限り銀行入金での購入をおすすめします。手数料は取引所によって変わるので、よく確認してから利用しましょう。
コインチェックのメリットとデメリット
ビットフライヤーと並ぶ取引所といえばコインチェックです。初心者でも扱いやすいことから人気を博しています。メリットとしては、使いやすさが一番に挙げられるでしょう。取引画面も見やすく、アプリでは1画面ですべての銘柄の値動きが確認できます。売買も24時間可能で、忙しい方でも安心です。仮想通貨最大のメリットは海外への送金が安価ですむことなので、いつでも取引できるのは嬉しいです。
扱っている銘柄の種類では群を抜いています。ビットコインとイーサリアムはもちろん、ネム、リスク、ダッシュなどが購入可能です。たくさんの通貨に投資していきたいという方にはうってつけです。ビットコインをビットフライヤーで購入し、マイナーコインをコインチェックで取引するというスタイルでもいいでしょう。口座開設も簡単で、フェイスブックアカウントを使えば10分で終わります。本人確認も必要書類の写真を提出するだけです。
コインチェックでは仮想通貨の貸出もできます。国内唯一のサービスで、コインを持っているだけで最大5%の年利がつきます。コインチェック内の銘柄ならどれでもできます。利率が低いので大きな利益は狙えず、貸出期間は運用ができませんが、長期保有する方には向いています。短期の売買で負けてしまう方にはおすすめします。
コインチェックのデメリットは、ビットコイン以外のスプレッド(手数料)が高めなことです。扱っている銘柄が豊富なのはいいのですが、この点が惜しいですね。数カ月から数年の投資をされる方には問題がないですが、短期の売買をする場合は気になるでしょう。現状ではコインチェックとビットフライヤーがシェアを占めていますが、他の取引所が出てくれば状況は変わるかもしれません。
マイナーだが注目すべき取引所 Zaif
知名度は上の2つの取引所には劣りますが、Zaifもおすすめです。第一の特徴は、積立投資に対応している点です。少額で毎月買い増すことができるので、マイナーコインに投資したい場合は利用しましょう。変動が多い仮想通貨は、積立で購入するのがリスクが低いです。毎月100円ずつ買うといった設定もできますので、予算が少ない方でも挑戦できます。仮想通貨に興味はあるけどお金がない、という方にはうってつけです。
Zaifで注目すべきなのははトークン機能です。トークンとは定義が難しいのですが、株式のようなものと考えていただければわかりやすいかと思います。利用者がトークンを発行すると、可視化されて流動的になります。これを運用することで利益を上げたり、事業を拡大できるのです。自分のビジネスに共感してくれる仲間を集められるのも利点です。仮想通貨を所持している方なら誰でもトークンを発行できるので、資金の調達が容易になるのです。
2017年12月現在、1BTCが190万円を超えています。年初には10万円だったことを考えると、夢のある話ですね。急騰や暴落が懸念されますが、仮想通貨の価格変動に対しては法的な処置が検討されています。ビットコイン先物の相場が前日終値と比べて規定値以上の変動を見せた場合、2分間の取引停止にする処置を検討しています。
主要な仮想通貨の市場規模は1兆9,390億円から5兆6,702億円へと広がりを見せています。この数字だけでも、仮想通貨は信頼に値することがわかるでしょう。これから仮想通貨を所有したいという方は、安心して投資してください。