仮想通貨市場は、下降トレンドに移りましたが、特筆すべきほどのネガティブな仮想通貨のニュースはありません。むしろ仮想通貨のポジティブなニュースが多く、ビットコインをはじめとする仮想通貨の将来の可能性を感じさせる仮想通貨やビットコインのニュースが散見されます。そうしたビットコインや仮想通貨のポジティブなニュースが、仮想通貨市場に影響を与えるには至っていませんが、いくつかのビットコインや仮想通貨のニュースを見るだけでも、今後のビットコインを始めとする仮想通貨やブロックチェーンが実現する未来に期待を抱くことができます。
また、仮想通貨市場の下落・停滞に関わらす仮想通貨関連企業の好調は続いています。各国や仮想通貨投資家のブロックチェーン分野への仮想通貨の投資額は増加し続けているそうです。仮想通貨市場では、ビットコインのドミナンス(占有率)が高まり続けています。短期的な仮想通貨のニュースとしては、やはり仮想通貨のビットコインETFに注目が集まっています。現状ではSECの回答待ちで、多くの仮想通貨投資家が様子を伺っているのではないでしょうか。
記事の前半では、仮想通貨市場の最近の推移を、後半には今後の仮想通貨の展開を予想するために重要とされるビットコインや仮想通貨のニュースをいくつか紹介しています。
仮想通貨市場でビットコインのドミナンスは高まり続ける
ビットコインや仮想通貨市場は停滞を続けています。ウィンクルボス兄弟のビットコインETF申請の拒否のニュースを受けて、仮想通貨市場は大きく落ち込みました。一度、力強い反発を見せたものの、そのまま高騰とはならず、結果的にはそれまでの上昇トレンドから下降トレンドへの契機となりました。
ビットコインは、下落することなく横ばいの状態を維持していました。ビットコインがETFが承認されなかったにも関わらず、ビットコインの大きな下落がないことで仮想通貨市場には楽観的なムードがありました。実際に、強気な発言をする有識者・著名人も多くいました。2日間、ビットコイン価格は大きく動かず、ビットコインは高い出来高を維持していました。
3下落が始まりましたが、ビットコインのドミナンスは非常に高く、仮想通貨市場の出来高のほほ半分に迫る勢いです。仮想通貨市場がビットコインETFに最も注目していることの表れだと言えます。仮想通貨の価格の下落は続いているいるもののビットコインやイーサリアム、リップルなど、主要通貨が強い状況は健在です。ほとんどのアルトコインが価格・出来高を大きく落している中で、韓国では少し違った状況があるようです。
仮想通貨のビットコインで韓国プレミアが再発
韓国の仮想通貨取引所Bithumでは一時的にアルトコインの出来高が高まり価格も高まっていました。Bithumは、ハッキングの被害を発表してから全ての入出金サービスを停止しています。仮想通貨取引所内のみで取引が行われることで独自の市場を形成していることが要因とされています。いわゆる韓国プレミアが形成されており、入出金サービスが再開された後、アービトラージが活発になることで多少慌ただしい事態が起こることが懸念されます。
Bithum内でのビットコイン取引出来高ランキングは15位で、ビットコインのドミナンスが世界的に50%に近づいていることを考えれば、どれだけビットコインが独自な市場になっているかが分かります。韓国の金融委員会はマネーロンダリング対策などの為に韓国プレミアを抑える方針にガイドラインを設定していますが、思わぬ形で韓国プレミアが発生していると言えます。現状では銀行間または取引所間での資金移動は行われていないものの、何かしらの対策を行う可能性が考えられます。
仮想通貨のビットコインでマイニング企業が成長
短期的なニュースとしては、最も重要なビットコインETFですが、長期的な価格上昇には実用性の向上が欠かせません。イーサリアムの創始者ブテリン氏も、twitterで「ETFに注目し過ぎている」という主旨の発言をしています。金融的な規制と、テクノロジー主導による実用性の両立によって、仮想通貨の普及率は高まるはずです。また、マイニングに関する問題も解決するべき課題です。今後の社会システムにブロックチェーンを実装するためのユニークなアイデアが発表されました。
カナン・クリエイティブが、世界初のマイニングができるテレビを開発・発表しました。カナン・クリエイティブはビットメインに次ぐ、中国のマイニング機器製造企業です。カナン・クリエイティブが開発したマイニングのできるテレビは人工知能(AI)によって稼働します。さらに、音声操作が可能です。ビットコインの採算性を計算したり、獲得したビットコインを使ってカナンのサービスを受けることもできます。同社が掲げる「ブロックチェーンとAIの次の時代のユーザー基盤を構築する」ための家電製品の第1号となりました。今後もブロックチェーン関連家電を開発していくとのことです。
また、カナン・クリエイティブはIPOを申請して注目を集めました。仮想通貨市場は、停滞していますが仮想通貨関連企業は成長を続けています。仮想通貨やブロックチェーンが普及するには、環境を整える必要があります。そして、実際に取り組んでいる企業や団体には巨額の投資が行われています。マイニング機器製造業者のニュースが目立ちます。最大手のビットメインもIPO(新規株式公開)を行うようです。このIPOは、香港もしくは国外の株式市場で行われる予定です。このニュースを報じたフォーチュンによれば、ビットメインの純利益は今年1月から3月で既に約1100億円だということです。さらに企業価値が上がっていくことが予想されます。
仮想通貨のビットコイン投資が増えている
アメリカでも、ブロックチェーン分野への投資額は増加しているようです。世界四大会計事務所の一つと呼ばれるKPMGのレポートによれば、アメリカでの2018年のブロックチェーンへの投資はすでに2017年の投資額を上回っているそうです。繰り返しになってしまいますが、仮想通貨市場の停滞に比べ、仮想通貨関連企業やブロックチェーン分野への投資額は増え続けています。関連企業の株価は上がり、ブロックチェーンに関するスタートアプ企業には資金が集まっています。
また、ブロックチェーン技術が実験段階から実用化に向かっていることが様々なニュースから観測できます。KPMCのレポートでも、追加の資金調達が活発に行われているとしています。先述のビットメインやカンナ・クリエイティブなどのIPO申請も、その流れの1つとして考えられるでしょう。AIへの投資とブロックチェーンへの投資は今後も継続・増加されていくはずです。いわゆるフィンテックに限らず、AIとブロックチェーンが親和する分野が数多くあります。むしろ、全ての社会システムには交換や記録の必要性があることを考えれば、ブロックチェーンと仮想通貨が、フィンテックの枠組み自体を広げていると捉えることができます。
仮想通貨のビットコインの土台は整いつつある
今後もAIの進化とブロックチェーン技術の進歩によって様々なサービス・商品が開発されていくことでしょう。仮想通貨市場だけを見て、ビットコインや仮想通貨の未来を予想することは、最早意味を持ちません。ビットコインETFに関しても今年の承認が叶わずとも来年には承認されるという見方もあります。また、仮想通貨取引所のコインベースはイギリスでのサービス利用者向けにポンドでの仮想通貨売買を可能にしました。これにより、コインベースはイギリスでのビットコイン銀行になるのではないか、などとも言われています。
CBOE(シカゴオプション取引所)も年内にイーサリアムの先物取引を開始する計画を明かしました。これは、コインポスト社のインタビューで明らかになったとのことですが、さらに仮想通貨が金融商品として正当に扱われることになります。着実に仮想通貨をめぐる状況は進展しています。仮想通貨に対する法的解釈さえ、時間の経過によって変わっていきます。より、安全で利便性の高いサービスが確立されることで仮想通貨の普及率が高まり、ブロックチェーンが社会に実装されていくことでしょう。