仮想通貨とブロックチェーンが、社会にとって有益であるからこそ、国も企業も投資をしているはずです。そう判断できそうなニュースは数え切れないほどに多くあります。将来の先行者は、着々と準備を進めています。

社会に導入されるためには、金融的な規制や市場の整備作りはもちろんですが、普及率を上げることも必要なことの一つです。普及率を上げるためには実際の決済に使用されることが重要です。そして、その決済プラットフォームを誰が占有するのかが、これからの世界の在り方を決定するでしょう。グーグルが検索アルゴリズムを構築し、国よりも大きい影響力を手に入れたように、次の先行者利益を多くの国と企業が狙っています。

ブロックチェーンが将来の世界的システムに、不可欠なものになることと、仮想通貨の現在の価格は今のところ関係性を持っていないのです。仮想通貨事業に投資をする国や企業からすれば、仮想通貨がやりとりされるプラットフォームになれるかどうかが最も重要で、巨額の資金はそこに投入されています。投資は仮想通貨にではなく、仮想通貨を利用するための環境構築に行われているのです。

購入するのは、ほとんどが機関投資家や大口投資家というのが現状で、個人投資家は興味を失っているようです。どうやら、仮想通貨の価格上昇は、環境整備と一般層への普及のあととなりそうです。コインの価格が上がるには、多くの人の需要が必要だからです。普段、日常的に利用するサービスが仮想通貨で利用できるようになった時、生活者は仮想通貨を求めることになるでしょう。そして、その頃には、先行者はマネタイズのためのシステムを完成させているでしょう。

仮想通貨のビットコインは停滞中

SECによるビットコインETF申請への返答が延長されたことが原因でしょうか。ビットコイン価格は7月のビットコインの上昇相場から一転して大きく下落しています。また、多くのアルトコインは強い下落を見せ、8月3日に、アルトコイン市場は、今年度の最安値を記録しました。8月8日ビットコインETFの可否判断が延長されたことをきっかけに、ビットコインも大きく下落し、仮想通貨市場全体の時価総額も今年の最安値を更新することになりました。

その後、ビットコインは反発を見せ、ビットコインは今年最安値を更新することはありませんでしたが、ビットコインの下落率に対して反発が弱いことから、もっと大きなビットコインの下落を予想するアナリストも少なくありません。アルトコインの下落率が高いことから、ドミナンスは50%を超え、全体的な下落相場の中で、ビットコインの強さが際立っているように見えます。しかし、ビットコインの価格自体は低い水準で停滞しています。

仮想通貨ビットコインのドミナンスの高まり

市場が全体的に盛り上がった昨年末、ビットコイン価格が220万円を超えたときのビットコインのドミナンスは60%を超えていました。そこから、アルトコインへの資金流入が起こり、各アルトコインの暴騰が続きました。ビットコインのドミナンスが高まると、こうした動きが予測されますが、現状ではビットコインの安定感が目立ちます。下落相場の中での、ビットコインドミナンスの高まりは、今後のビットコイン価格上昇を後押しする材料になる可能性の方が高そうです。

SECも、ビットコインETFの申請を拒否したわけではないので、9月に返答する可能性があります。しばらくは、ビットコインへの期待感が続きそうです。また、今回のビットコインETF承認が延長されたことを前向きに受け止める意見もあります。ビットコインを始めとする仮想通貨を安全に利用できる環境構築が進んだあとに、より良いタイミングがあるという見方です。

仮想通貨のビットコインより安定した通貨とは

住んでいる国によって、個人の仮想通貨に対する姿勢や捉え方は異なります。先進国に住んでいるのなら、日常的な決済にビットコインなどの仮想通貨を使うメリットは少ないですし、価値の保存にも、ビットコインよりも、より安定した自国のお金を選ぶでしょう。逆に、後進国では自国のお金が弱いため、価値の保存先としてビットコインを選ぶことは合理的です。

下落しているのは、仮想通貨だけではありません。トルコリラはドルに対して大幅に下落しています。それを受けてか、トルコではビットコインなどの仮想通貨の取引高が急激に増加しているそうです。リラの急落は、トルコとアメリカの関係悪化に起因しているとみて間違いないでしょう。トランプ大統領の経済制裁を示唆する発言などもあり、トルコ国民は価値の保存先として仮想通貨を選んでいるのかもしれません。

自国の貨幣が弱い場合、国民は仮想通貨を購入することにメリットがあります。価格がドルや円、ユーロに対して下落していても、それ以上に自国貨幣の価値が下がれば、ビットコインなどを保持している方が有利になります。こうした事例は、アメリカとの関係が悪い国に顕著にあらわれており、最近ではイランで同様の現象が見られています。また、国がICO を実施すれば、効果的な資金調達が可能になります。国力が弱い国ほど、仮想通貨を利用するメリットがあります。貨幣危機にあったベネズエラが発行したペトロは、多くの資金調達を実現しました。

仮想通貨のビットコインを共用する会社

仮想通貨ビットコイン三菱UFJフィナンシャルグループは、独自の仮想通貨MUFGコインの発行と普及を目指しています。MUFGコインは、円と連動することで仮想通貨のボラティリティを避ける仕組みです。すでに自社の口座を持っている顧客が存在します。実際に発行・利用されれば大きな経済圏になります。

ビットコインのデメリットである手数料の高さや、ビットコインの取引スピードの遅さをクリアした仕様で、日常的な決済手段として活躍することになるのではないでしょうか。ビットコインのようなセキュリティが強い仮想通貨は、ゴールドのように価値の保存に向いています。円やドルも、しばらくはビットコインなどの仮想通貨と両替するために必要な手段となるでしょう。価格変動のある国としてのお金や仮想通貨と、国内で価値が固定されたビットコインなどの仮想通貨を共用することで効率のよい社会設計が目指せます。

また、フェイスブックがブロックチェーン研究をしていることは、公式に発表されていますが、どのような形で事業化するかは、明確にされていません。そんな中フェイスブックが仮想通貨取引所を立ち上げるのではないかと噂されています。コインベースを買収するつもりかもしれないと予想する有識者もいます。

米仮想通貨取引所コインベースの取締役デビッド・マーカス氏は、フェイスブックのブロックチェーン研究に携わっています。そして、「新しいフェイスブックでのブロックチェーン研究と、コインベースの利害相反を避けるためにコインベースを辞任した」と報道されました。このことから、フェイスブックが仮想通貨取引所を作るのではないかと噂されています。

仮に、フェイスブックが仮想通貨のウォレットを提供するだけで、25億人のフェイスブックユーザーが仮想通貨ウォレットを所有する可能性があります。今後どのような事業展開をするかは明らかになっていませんが、マーク・ザッカーバーグはブロックチェーンへの興味を宣言しています。

仮想通貨のビットコインを利用するメリット

ビットコインなどを利用するメリットがある人と、そうでない人がいます。今後、ビットコインなどの仮想通貨は、国や地域、特定の事情を持つ人だけが、利用するのでしょうか。使うメリットがないものをわざわざ使う人は少ないはずです。金融インフラが整っている国の住民が、仮想通貨で決済を行うメリットは、今のところ多くありません。現状の仮想通貨が投機の対象であることは必然といってもいいでしょう。

多くの人々が仮想通貨を決済手段として使うようになれば、仮想通貨の価値は必然的に大きくなります。そして、多くの企業が仮想通貨を利用するためのプラットフォームを準備していますし、日々新しいニュースが飛び込んできます。企業が仮想通貨を自社のシステムに取り入れるのは、メリットがあるからです。ブロックチェーンを利用した業務改善やサービスの開発に価値があると判断しているからこそ投資が行われているのです。

おそらく、実際に決済手段として使われる頃には行われていることすら意識することがないでしょう。仮想通貨の利用者は、ブロックチェーンがパブリックなのかプライベートなのかを気にすることはないはずです。グーグルやフェイスブックの収益がどこから生まれているかを意識することがないように、アマゾンを当然のように利用するように、マイクロソフトやビルゲイツに詳しくなくてもWordやExcelを使いこなすように、仮想通貨もブロックチェーンも日常に溶け込んでいくことでしょう。