ビットコインは、週に一度は底値を試されているようです。しかし、ビットコイン市場は比較的落ち着いており、ビットコインと連動しないアルトコインの値動きが散見されるようになってきました。アルトコインの時価総額はビットコインと比べるとまだまだ低いままですが、いくつかの良きニュースもありました。また、ハッシュレートは上がり続けており、マイナーも長期的な視点で取り組んでいるように思えます。

仮想通貨ビットコイン以外のコイン

ビットコインのドミナンス(占有率)は高いままアルトコインに勢いが戻ってきています。ビットコインと連動しない値動きにトレンド変化の兆候を見る人もいます。主要なアルトコインにいくつかのニュースがありました。仮想通貨リップルは新たに仮想通貨取引所3社のとの提携を発表し、より国際送金に貢献するための地盤を確固たるものにしています。また中国への進出意欲も示しており、今後の動向が気になるところです。

また、仮想通貨リップルのネックとなっていた中央集権的な仕組みとイメージが軽減される出来事がありました。それは、ノードの分散化です。リップル社のノード占有率が50%を切ったのです。有価証券問題も継続している中で、重要なニュースだと考えられます。その中国は依然として仮想通貨取引に関しては厳しい態度を維持していますが、自国内のブロックチェーン事業開発は加速させているようです。

人気のアルトコイン、リスクも(lisk)延期されていたアップデートがようやく実現されるようで、根強い支持者達からの期待が高まっています。リスクの公式ブログで発表された内容は誠実で具体的なプロジェクトの進行を宣言するものであり、イーサリアムよりも進化したプラットフォームになることが出来るのか、期待が集まります。現在、スマートコントラクト・トークンプラットフォームとしてはイーサリアムのほぼ独擅場ですが、リスクの特徴であるサイドチェーン機能は現在のイーサリアムやその他の仮想通貨にある問題をいくつかは解決するかもしれません。

仮想通貨ビットコインキャッシュでトークン発行

ビットコインキャッシュ (BCH)はビットコインからハードフォークによって派生したアルトコインです。しかし、ハードフォークの時点からビットコインキャッシュこそが真のビットコインであるという主張もあるように、他のいくつかのビットコイン(ビットコインダイヤモンド・ビットコインゴールドなど)とは一線を画しています。そのビットコインキャッシュですが、新たにトークン発行の機能を追加しました。もともと、ビットコインにはスマートコントラクトを実行する機能があります。

ビットコインが決済、あるいは送金以外のことをできることを知らない人も少なくないのではないでしょうか。ビットコインからハードフォークしたビットコインキャッシュにも、もちろんそういった機能があり、ビットコインとは違う形で開発が進んでいます。ビットコインキャッシュを利用したトークン発行は開発プラットフォームBitcoin.comにホストされる形になります。今後どのように、利用され規模を拡大していくのか注目です。

また、ビットコインとビットコインキャッシュの分裂騒動時には、ビットコイン開発者とマイナーの対立などもあり、ビットコインをめぐる政治的な争いも存在します。ビットメイン社のジハン・ウー氏は、ビットコインキャッシュの支持者として知られていますが、その姿勢は変わっていないどころか、より強固になっているようです。

仮想通貨ビットコインキャッシュを大量保有

マイニング企業ビットメイン社のIPOが話題になっています。そして、ビットメイン社がIPOのために公開した資産情報に興味深い事実が確認されました。やはり、ジハン・ウー氏はビットコインキャッシュを支持するようです。今年に入ってからも継続して、ビットコインキャッシュの保有量を増やし、ビットコインを売っていたことが明らかになりました。あくまで、ビットメイン社は仮想通貨のマイニング機器製造企業であって、仮想通貨トレーダーではありませんが、ビットコインキャッシュの保有することで大きな含み損を抱えているという見方ができます。

仮想通貨市場全体が下落している中で、ビットコインはアルトコインに比べれば価格が安定していると言えます。ビットコインキャッシュの下落率はもちろんビットコインのそれよりも大きく、ビットメイン社が今後どのように資産である仮想通貨を管理するのかも、投資家にとっては見所となるかもしれません。

仮想通貨ビットコインの価値

仮想通貨ビットコインそのビットメイン社のIPOですが、すでにプレセールが行われ、巨額の資金を集めています。日本の企業ソフトバンクも出資していると報じられましたが、ソフトバンクはこれを否定しているという報道もあります。いずれにせよ、ビットメイン社が集めた資金は、すでに150億ドルを超え、ビットメインの企業価値はさらに大きなものとなるでしょう。先述したビットコインキャッシュの含み損などは本質的な問題ではなく、むしろビットメイン社が保有するという理由でなんらかの価値をビットコインキャッシュに付与する形になるかもしれません。(投資家に対して注意喚起の声もあります)

アルトコインの価格が上がりそうな気配が少しずつ見え隠れしていますが、かといってビットコインのからの資金流入ということではなく、ビットコインは継続して高いドミナンスを維持しています。ソフトバンクは、ビットメイン社への出資は否定しましたが、仮想通貨、ブロックチェーン事業への投資は多く行なっています。他にもLINEの子会社が運営する仮想通貨取引所で2000万円分のエアードロップが行われるなど、目を引くニュースが多くなってきました。

LINEは日本での仮想通貨事業を現時点では行なっていません。日本にとっては、今のところ関係ありませんが、今後仮想通貨への法整備が整った時、日本の多くのLINEユーザーと仮想通貨が繋がるかもしれません。また、国内ではミュゼがブロックチェーン事業への進出を公表しました。さらに同社の既存のポイントサービスとブロックチェーンを連結させるのかに注目が集まります。

仮想通貨ビットコインの価格推移

世界規模での良きニュースが多くありながらも、仮想通貨市場が今年中に昨年末のような高騰を見せるとは限りません。もし、ビットコインETFの承認が来年にまで延期されれば、仮想通貨市場の本格的な価格上昇は来年に持ち越される可能性もあります。

また、日本では、仮想通貨の規制の強まりと金融庁の厳しい要求によって、既存の大手取引所でさえ、運営の見直しが必要な状態です。特に、本人確認やマネーロンダリング防止の施策は強く要請されています。こうした部分を強く求めることで、ブロックチェーンによる効率性が損なわれてしまうことにならなければよいのですが、従来のシステムと折り合いを現時点でどうつけるのかは考えざるをえません。将来的には従来の仮想通貨取引所形態ではなく、分散型の仮想通貨取引所がメインになるかもしれませんが、それにはまだ時間がかかるでしょう。

例えば、アメリカの仮想通貨取引所コインベースの、入念な準備と長期的な視点に基づいた戦略とその実行を見ていると、本格的な仮想通貨市場の盛り上がりは、やはり来年以降に期待するべき感じもします。コインベースは仮想通貨決済をより安全に行うための技術の特許を申請する(8月中旬に明らかになりました)など、今後の仮想通貨普及に必要なもののほとんどを手に入れようとしています。

コインベースのこうした根回しは、金融的にも法律的にも技術的な部分でも余念がありません。コインベースは日本への進出も予定しており、年内には営業許可の申請をする方針を明らかにしています。三菱UFJファイナンシャルグループからの出資を受けるなど、日本での近い将来の営業を実現する見込みが強いです。いずれにせよ、日本での仮想通貨に対する法規制や環境整備が整い次第、今海外で活発に進められていることのほとんどが、日本に上陸するでしょう。

もしかすると、法の問題をテクノロジーが解決する方が早いということもあるかもしれません。ところで、ビットコインの価格は1年を通して見れば下がりつづけています。しかし、ハッシュレートは上がり続けています。マイナー(マイニング企業)も、ビットコインに対して長期的な視点を持って掘り続けているのでしょう。