ビットコインをはじめとする仮想通貨の相場が横ばいであり、投資対象して考えていたのに運用成績が芳しくない、という方も少なくないかもしれません。一方で、小刻みな動きの中で大きなレバレッジをかけて取引をし、大きく利益をあげることができた、という方もいらっしゃるかもしれません。

ひとえにビットコインを買う、といっても、その捉え方によってその後どのように扱うかは大きく変わってきます。今回はビットコインを「投資」という観点で捉え、議論を行っていきます。ビットコインを対象として捉えている方、もしくは、とりあえず買って見たけれどどう扱えばいいかわからない、という方は参考にしてみてください。

ビットコインに投資する前に理由を明確に

まず、1番最初に明確にしなければならないのはビットコインを買った理由がなんなのか、ということです。短期的な価格変動の大きさが魅力なのか。売却も考えておらず長期的な価格の上昇を期待しているのか。ビットコインが本当に世の中に浸透した時に使用するために保有しているという方もいらっしゃるかもしれません。はたまた、日本円の将来性が信用できないので、「ベター」な選択肢としてビットコインを購入しているといった、どちらかというと守り寄りの考え方もできるかもしれません。

どれが正解、どれが間違いといたことはありませんが、ビットコインを「投資対象」として考えるのであれば少なくとも自分なりに「ビットコインの価値が将来的に現在と比較して上昇する」という根拠を持つことが必要です。ブロックチェーン技術やビットコイン技術そのものにかかわる部分であっても、世界の金融市場にかかわる部分であっても、もちろん何かの制約があるわけではありませんが、「なぜ」ビットコインが長期的に上昇すると思うのか、「長期的」とはどのくらいのスパンをさしているのか、上昇幅はどのくらいなのか、といった軸を考えておく必要があります。必ず当たるとは限りませんが、どうなったら利益確定、もしくは損切をするのかといった事項も含め、ビットコインに限らず投資全般として念頭に置かなければならない事項です。

ビットコイン投資で戦略を立てるために必要な視点

ビットコインに「投資」を行う、と決めたら、考えなければならないのは戦略です。莫大なリターンを得られる可能性もありますが、一方で、やり方を間違えると壊滅的な損失を被る可能性もありますので、リスクヘッジや撤退のラインを決めておくといったことも含めた戦略が必要になります。とりわけ、投資は余剰資金で行うというのが大原則ですが、仮想通貨のような莫大なリターンが期待できる一方で、将来性が読めない対象においては、余剰資金の中でもさらに余剰資金で行うことが奨励されます。もちろん、本業のお仕事で十分な収入があり、資金は0になっても構わない、というようなスタンスで仮想通貨の未来を信じ抜くのであれば、全てをビットコインといった選択も取りえますが、基本的には奨励できません。

また、「仮想通貨」を有力な投資対象の一つに定めたとして、ビットコインはその基軸的な役割を果たすため、他の仮想通貨と比較しても、別の扱いをする必要があります。相場が動くときも全てが上昇、下落することもあれば、ビットコインと、他の「アルトコイン」全ての間で資金の奪い合いになることも少なくありません。ビットコイン以外の仮想通貨への投資を考える場合においても、仮想通貨市場全体の構造を把握したうえで、どの程度ビットコインで保有するのか、もしくはアルトコインで保有するのかといったことも考える必要があります。

ビットコイン投資の情報収集のためセミナーに参加すべきか

ビットコイン投資を行うにあたり、もっと知見を深めることを目的に、セミナーに参加するといった考えに至る方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、インターネットには情報が溢れているため、玉石混合の中から取捨選択を行うによりも、セミナーに参加した方が効率的に情報を得られるかもしれません。結論から言うと、セミナーに参加するという行為自体は有意義になりえますが、問題はどのようなセミナーに参加するかです。

ビットコインに限らず、投資のセミナーはえてして詐欺じみた商材を売りつけるようなものが存在します。ビットコインがこれほどまでに認知される前に流行したもので言えばHIYPと呼ばれる高利率をうたった投資案件、その後、中身のないコイン(場合によっては開発すら行わない)を暴騰すると煽り、購入を勧めるような、「詐欺ICO」が溢れていました。一時期よりは下火になっているものの、現在もそういった案件は動いています。

そのほか、「自動売買ツール」「自動マイニングマシン」であったり、概念として理解しにくい仮想通貨だからこそ詐欺行為も働きやすい状況であるということは強く認識しておくべき事項です。無料、もしくは低額のセミナーはえてして、高額商材の販売を目的として行われます。高額であっても、もちろんその価値があればよいのですが、運営元の信用性も含めやはり選定のリテラシーが求められます。

ビットコイン投資を行う上で有効な「積立」の手法

仮想通貨ビットコイン投資ビットコインと投資対象として見た時、有効な戦略の1つとして、「積立」があります。ドルコスト平均法とも呼ばれる手法です。ドルコスト平均法とは決まったスパンの中で、同じ投資商品を一定量だけ買い続ける手法です。そうすることで、一時的に暴騰した際に高値塚みして大きな含み損を抱えるリスクを軽減し、購入単価を平準化しながら保有量を増やしていくことができます。

そして、その投資対象が晴れて長期的に大きく成長した時、大きな利益を受け取ることができるという仕組みです。もちろん、手動であれば好きなように行うことができますが、Zaifであれば、ビットコインをはじめ複数の通貨で自動での積立を行うことが可能です。

積立のデメリットとしては、予想に反して今後ビットコインの価格が下落する一方であれば、最終的には損失にしかならないという点と、高値塚みのリスクを抑える一方で、「絶好の買い」を入れることもできない手法です。(単価が平準化されるため)。ビットコインは一般的には長期的な投資対象として評価されつつ(現状は良くも悪くも横ばいですが)価格変動が激しい投資対象と考えられているため、長期的に伸びるという予測が当たるようであれば、積立の投資に適した商品であると言えるでしょう。

ビットコイン投資の「長期」とはどんなスパンを指すのか

先ほども少し言及した内容でもありますが、ビットコインを長期的な投資対象として扱う場合、その成長がどのくらいの速度で起きるのか、ということも念頭に置かなければなりません。一般的に長期投資と言えば数年以上の投資を指す場合が多いですが、ビットコインの価値が仮に上がるとしてそれが2020年の話なのか、2050年の話なのか、はたまたもっと先なのか、様々な指標をもとに「予測」することは出来ても、予言することは出来ません。

もしかしたらですが、投資を行なったあなたが生きている間は一切日の目を見ず、孫の世代あたりで莫大な資産に化ける、といったことも可能性として0ではありません。子孫のために、というスタンスでの投資ができるようであれば、そういった形でも悪くはないかもしれませんが、基本的には自身でリターンを享受するために投資を行うのであれば、一概に「長期投資」という言葉で片付けず、どのくらい長期の投資になるのか、仮に成長が思わしくなかったとして、どの時点で手を引くのか、といった部分まで考えて行わなければ、仮にビットコインが「長期的」に成長したと言っても、そのリターンをあなたが受け取れるとは限らなくなります。