「どうして実体がない仮想通貨に、価値があるのか」納得できていない方もおられると思います。そこでこの記事は下記のような疑問にお答えします。「価値を持つ根拠はなに?」「価値がゼロになる可能性はある?」「価値が変動するのはどうしてなの?」「価値はどのようにして保証されているの?」「価値は今後どのようになるのか知りたい!」ブロックチェーンなどの技術によって信用を獲得し、価値を持つようになりました。これまでのお金とは、信用の獲得方法が違います。
仮想通貨が価値を持つ根拠
価値を持つ根拠は多くの人々が「仮想通貨に価値がある」と信じているからです。現物のモノとして触ることができないものに「どうして価値があるのだろう」と感じる方も多いと思いますので、現在のお金との仕組みを比較しながら説明します。
円などのお金に価値があるのは、多くの人が円に価値があると信じているからです。どうして円に価値があると多くの人が信じられるかというと、円の管理者である日本銀行、つまり日本という国を私たちは信用しています。この信用によって、日本円は価値を持ちます。
一方で仮想通貨はどうでしょうか。人々は仮想通貨の技術、言い換えればシステムを信用しています。たとえばビットコインはブロックチェーン技術に支えられたシステムを採用しています。ブロックチェーン技術では、特定の管理者がなく、取引データはすべて共有されています。つまり一人ひとりが管理者のような役割を担うわけです。多くの人々がこのシステムを信用したので価値を持つようになりました。このようにお金の場合、人々は国を信用していますが、仮想通貨の場合は基盤となる技術を信用しています。
仮想通貨の価値がゼロになる可能性
仮想通貨に限らず、お金も価値がゼロになる可能性はあります。どういうときかと言えば、信用がなくなったときです。たとえばワイマール共和国時代のドイツ・マルクやジンバブエ・ドルは信用を失ったことで、お金としての機能も失いました。もう少し具体的に言うと、政治などが原因でハイパーインフレが起こると、お金の価値が著しく低下します。100円で買えたジュースが、翌日には1,000円になってしまうような状況です。
仮想通貨でも同じようなことが起こりえます。技術的な不具合が見つかることや法的規制が厳しくなれば、信用を失うかもしれません。そうなれば、ビットコインが1BTCで70万円だったのが、700円に下がることもあります。技術に裏付けされたコインで、今まで価値を高めてきました。将来価値が下がる可能性もありますが、まだまだ上がる可能性もあります。
仮想通貨の価値が大きく変動する理由
価値が大きく変動する理由はおもに3つです。
1. 期待と不安を頂いている人が多い
2. ストップ高・ストップ安がない
3. 規制がある
新しい技術によってシステムが支えられているので、その技術に大きな期待を抱く人々がいます。その一方、仮想通貨で採用されている技術をよく理解できてなく、不安を感じる方も多いです。このように仮想通貨業界は、人々の気持ちが動きやすい状況があるため、TwitterなどのSNSで投資家の気持ちを煽るような投稿があると、それにつられて売買をしてしまう人々が現れてしまいます。
次に仮想通貨は株とは違い、ストップ高・ストップ安がありません。株では、異常な価格変動を制限するために、一日の取引に一定の制限があります。株価が下がりすぎたり、上がりすぎたりすれば、投資家は取引ができなくなります。一方で仮想通貨には、ストップ高・ストップ安のような制限がありません。そのため、2017年12月に起きた仮想通貨バブルでも、どれだけ価格が上下しても制限なく取引ができました。
最後に仮想通貨は規制リスクが高いため、投資家の心理を不安にさせやすく、価格が変動しやすいです。仮想通貨は現状では「お金のようなもの」として定義されます。このように曖昧な定義をしてしまっているので、これまでの法律にはどれも当てはまりません。以前までは、法律の規制をくぐり抜けきましたが、仮想通貨バブル後は世界中の国々が仮想通貨の規制に乗り出しています。たとえばリップルは「有価証券である」と規制当局から指摘されており、もし有価証券として認定されてしまえば、厳しい規制が課されます。そうなれば、リップルの価格は大きく変動しそうですよね。
仮想通貨の価値はブロックチェーン技術によって保証される
仮想通貨が価値を持つ根拠はブロックチェーンなどの新しい技術ですので、その技術によって価値が保証されています。たとえばブロックチェーンは改ざんできるのか考えてみましょう。ブロックチェーンとは、取引データが詰まったブロックがたくさん連なったものと考えてください。そして一つひとつのブロックは、過去のブロックの情報を引き継いでいます。そこで一つのブロックにある取引で改ざんが行なわれたとしましょう。このとき、ブロックチェーンは2本に分かれます。改ざんされたブロックがあるチェーンと正しいブロックがあるチェーンです。
しかし、ブロックチェーンは過去のデータを引き継いでブロックが生成されるので、改ざんが行なわれたブロックがあるチェーンでは、それ以後に生成するブロックをすべて改ざんしなくてはいけません。一つのブロックを生成するのはとても大変で、世界中のパソコンが10分間かけてやっと、一つのブロックが生成されます。
そのため、たとえ一回だけブロックを改ざんすることに成功しても、そのあとのブロックを生成するのに追いつけなく、結局、ブロックチェーンの改ざんはできないことになります。このようにビットコインはブロックチェーンによって、改ざんができないセキュリティを保っており、その価値を保証しています。
仮想通貨の価値の今後
仮想通貨の価値は今後も高まると思われます。たとえばビットコインを支えているブロックチェーン技術は世界中から注目を浴びています。ブロックチェーン技術は取引データを参加者全員で分散管理するため、改ざんが不可能と言われており、セキュリティが強いのが特徴です。
この技術を仮想通貨だけではなく、証券、会計、医療、法務、不動産というように様々な分野で応用したいと考えている企業が多くいます。仮想通貨以外でもブロックチェーン技術が広まれば、仮想通貨に対する信用性も高まる可能性がありますよね。ビットコインはブロックチェーン技術によってささえられているのですから。そしてビットコインの信用が高まれば、期待する人が増えるので価値も上がるはずです。
一方で、仮想通貨が実際の社会で利用できているかというと、現段階ではあまり進んでいません。たとえばコンビニで仮想通貨払いはできませんよね。これはまだ仮想通貨を投資目的で保有している人がほとんどであることを裏付けていると言えるでしょう。
日常生活で仮想通貨による支払いができるようになるまでには、時間がかかるかもしれないです。しかし、仮想通貨を支えている技術は私たちの生活を変えるだけのエネルギーを持っています。長期的に考えれば、仮想通貨の価値は今後も上がり続けるでしょう。ビットコインも数年前はほとんど価値がなかったのですから。