主な仮想通貨ウォレットの特徴

仮想通貨のウォレットとは何かを確認します。またいくつかある仮想通貨のウォレットを挙げて、それぞれの特徴を紹介し、ウォレットのセキュリティ面について、確認します。

ウォレットとは

仮想通貨のウォレットは、仮想通貨用の銀行口座といえるもので、財布の役目を果たしています。仮想通貨を保管するだけでなく、通貨の送金・出金などもウォレットを通して、行うことができます。仮想通貨を送金する際は、ウォレットから別のウォレットへと資金が移動します。また、報酬をビットコインで受け取る場合も、自分のウォレットのアドレスを相手に教えてビットコインを受け取ることができます。よって、ウォレットのセキュリティがしっかりしているものを選ぶ必要があります。

ウォレットの種類

仮想通貨のウォレットは、5つの種類があり、以下のようになります。

●ウェブウォレット  Web上で保管するウォレット
●ローカルウォレット PC上で保管するウォレット
●ペーパーウォレット  紙にデータを印刷して保管するウォレット
●ハードウェアウォレット  仮想通貨用のハードウェアで保管するウォレット
●モバイルウォレット  モバイル上で保管するウォレット

ウェブウォレット

主な仮想通貨ウォレットの特徴ウェブウォレットは、Web上で保管する財布で、日本語対応しているため、日本人ユーザーが多く利用しています。現在は、ビットコインとイーサリアムのウォレットとして利用することが可能です。ウォレットのバックアップ等は、Blockchainのサーバーで行われますが、ウォレットの鍵はユーザーが自分で管理するようになっていて、ビットコインやイーサリアムを購入したい場合は、Blockchainが提携している仮想通貨取引所から購入することができます。

仮想通貨取引所のウェブウォレット
仮想通貨取引所のウェブウォレットウェブウォレットを扱っている仮想通貨取引所は、bitFlyer(ビットフライヤー)、Zaif(ザイフ)、Coincheck(コインチェック)があります。

bitFlyerの取り扱いコインはビットコイン(bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、イーサリアム・クラシック(Ethereum Classic)、ビットコイン・キャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)となっています。セキュリティに関しては、二段階認証を取り入れています。ログインパスワードと確認コードによる認証をおこなうことで、アカウントのセキュリティを強化しています。

Zaifはビットコイン、ネム(XEM)、モナコイン(MONACOIN)の3種類の仮想通貨のみの取り扱いをおこなう取引所です。セキュリティは、預けている仮想通貨の残高のうち、流動しないものについてはシステム内からは完全に隔離された状態で複数箇所に分けてオフライン保管で保存されます。

Coincheckはビットコイン以外に、イーサリアム、イーサリアムクラシック(Ethereum classic)、ファクトム(Factom)、モネロ(Monero)、リップル(Ripple)、ジーキャッシュ(Zcash)、ネム(NEM)、ライトコイン(Litecoin)と豊富に仮想通貨を取り扱っています。また、ビットコインに関してはクレジットカード決済も可能となっています。

セキュリティは、ログイン時に一定回数以上アカウント情報の入力に失敗した場合、第三者による不正アクセスを防止するため、アカウントを一時的にロックし、セキュリティ認証の強化にSMS、Google社が提供する認証アプリによる二段階認証も取り入れています。

ローカルウォレット

財布代わりとなる5種類のウォレットの選択は非常に重要ローカルウォレットは、PC上で保管する財布で、ソフトウェアをダウンロードしてローカル環境で使用するタイプのウォレットです。全てのブロックチェーンをダウンロードする「完全型」と一部のチェーンをダウンロードする「簡易型」の2種類のウォレットがあります。
ローカルウォレットは、仮想通貨取引所が潰れても影響しない、オンライン型ウォレットに比べ、セキュリティが高い、インターネットがなくてもウォレットを確認できるメリットがあります。一方で、PCの故障やハッキング、ウイルスなどで管理ができなくなる可能性があります。また、ウォレットの初回起動に数十時間かかる可能性があり、デバイスがウイルス感染した場合、仮想通貨が盗まれる恐れがあるのがデメリットです。

ローカルウォレット(完全型)
ローカルウォレットの完全版として、Bitcoin Coreがあります。Bitcoin Coreはダウンロード時にブロックチェーンもインストールされるので、膨大な時間と、PCの容量を必要とします。オンラインウォレットで第三者によって資産や、秘密鍵を管理されるウォレットに比べると、ローカル環境で自分のビットコインを管理できる安心感はあります。

簡易型のローカルウォレット

簡易型のローカルウォレットはソフトウェアをインストールする際に、ブロックチェーンの全データをダウンロードしないので、PCの容量を気にする必要がないのが特徴です。簡易型のローカルウォレットとして、Airbitzは海外のウォレットですが、日本語対応もしています。複数のウォレットを1つのアプリ内で使い分けることができたり、Bluetoothを使ったビットコインの送受金も可能となっています。

ペーパーウォレット

ペーパーウォレットはオフラインで使用するタイプで、仮想通貨を保管するにあたってはセキュリティで一番安全な資産管理の方法だと言われています。また、秘密鍵が盗まれにくいですが、いったん、秘密鍵が盗まれてしまうと、保有している仮想通貨も盗まれる可能性があるので、秘密鍵の保管に注意が必要です。ペーパーウォレットは、取引所が潰れても影響を受けず、ハッキングの恐れがないので、高額を管理するのに向いています。一方で、火災や盗難での紛失する可能性があり、印刷したりする手間がかかり、残高確認が面倒なのがデメリットです。よって、普段は使わない高額の資産は、ペーパーウォレットで管理し、頻繁に売買する資産はオンラインウォレットで管理している人も多いようです。

ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットは、USBでPCに接続してブラウザからウォレットを利用できます。PCがウイルス感染してもデバイスと暗証番号が揃わない限り送金することができなかったり、オフラインでの管理なのでハッキングに強く、セキュリティが高いと言われています。ハードウェアならではのリスクですが、破損や紛失などに気をつける必要があり、リカバリーやファームウェアの更新も必要であるため、管理の手間がかかります。また、ハードウェアウォレットは、ウイルス感染に強く、取引所が潰れても影響がない、オフラインでの管理ができるのがメリットです。一方で、紛失や破損の恐れがあり、リカバリーなどの管理の手間がかかるのがデメリットです。

モバイルウォレット

モバイルウォレットは、iPhoneやAndroid上などのアプリとして動作する財布で、QRコードが利用でき、持ち運びもできるので、実際の店舗利用には便利で、使いやすいといえます。インターネットに接続せずオフライン環境のウォレットとして使用する場合を除き、ウェブウォレットよりは安全だと考えられています。しかし、セキュリティ面では不安があるため、多額のビットコインの管理には向かないといえます。

財布代わりとなるウォレットの選択は非常に重要

2015年のマウントゴックスの破綻で、ビットコインのセキュリティ面の重要性は注目されました。特にPCでのデータのやり取りをする仮想通貨は自分の手元にはないので、財布代わりとなるウォレットの選択はとても重要でしょう。自分がどの仮想通貨をどれくらいの金額を扱うかにもよりますが、ウォレットにより、特徴が異なるので、取り扱う仮想通貨に見合うものを選択するべきでしょう。そして、具体的にどのようなセキュリティを行っているのかをよく確認する必要があります。ハッキングに強く、アカウント管理を厳重に行っているかがポイントとなります。