仮想通貨は様々な事柄が要因となって価格が上下し、それに伴い利益を出すことができます。そのため、多くの人が投資を行っていますが、自分で独自コインを作れることはご存知でしょうか?アルトコインの中ではイーサリアムが高い人気を誇っていますが、そんなイーサリアムをベースとして独自コインを作ることができるのです。この記事では、イーサリアムをベースとしたERC20を使って独自コインを発行するメリットと、独自コインの発行方法について解説していきます。

独自コインを発行するメリット

最初に、独自コインを発行するメリットを確認していきましょう。独自コインは企業であっても個人であっても発行することが可能ですので、それぞれに分けてメリットを見ていきましょう。

企業が独自コインを発行するメリットは、株式と比べて発行するルールが自由であることにあります。株式であれば国の法律によって発行するルールが決められています。また、株式は企業の財政状況や規模によって追加発行できないと言ったデメリットもあります。しかし、独自コインであれば法的なルールがまだ未整備のため自由な発行が可能であり、資金調達が行いやすいというメリットがあります。また、株式は株主に発言権や議決権がありますが、独自コインであればそれらの権利は発生しないため、企業の経営に投資家が影響を与えることがないということもメリットと言えます。そして、独自コインなら保有枚数に制限がなく、追加発行も自由に行うことが可能です。

次に個人が独自コインを発行するメリットですが、企業と同じように資金調達に利用できることが大きなメリットと言えます。独自コインを発行すれば世界中から資金調達ができるため、個人でありながら非常に大きな金額の資金調達が実現できる可能性があります。また、個人がWebサイトを運営している場合に利用すれば、Webサイトの価値の高まりとともに独自コインの価値が高まることも期待できるため、独自コインを売却すれば利益を得られることもメリットと言えます。

イーサリアムをベースとしたERC20とは

独自コインを発行する際には、イーサリアムをベースとした「ERC20」と言う仕様が多く利用されています。このERC20とは独自コインを発行する際の技術的な仕様であり、仮想通貨そのものではありません。また、独自コインは誰でも発行することができますが、それぞれが自由に発行してしまうと仕様がバラバラになってしまいます。そこで、一定のルールに則ったフォーマットとしてイーサリアムをベースとしたERC20は考えられました。

そして、ERC20は「Ethereum Request for Comments: Token Standard #20」の頭文字を取ったものです。「Ethereum Request for Comments」とはイーサリアムについて議論する場であり、そこで20番目に議論された話題のため「#20」となっています。そのため、20という数字にはこれと言った意味はなく、ただ単に議論が始まった番号に過ぎません。

また、イーサリアムをベースとしたERC20は非常に多く利用されており、現在発行されている独自コインの約9割が採用しています。このことからも分かるように、仮想通貨による資金調達方法ICOには欠かせない仕様となっています。

ERC20を使う3つのメリット

イーサリアムべースのERC20を使うことは、開発者と投資家の双方にメリットをもたらします。開発者であればすでに決められた仕様をもとに独自コインを開発できるため、ゼロから仕様を考える手間を省くことが可能になり、独自コインの開発資金を抑えることにもつながります。また、この仕様を用いていると取引所に上場する際に審査が通りやすくなるというメリットも挙げられます。もしこれが独自に考えられた仕様となると、開発者も手間がかかりますが審査をする取引所側にも多くの労力が掛かることになります。

投資家のメリットは、イーサリアムをベースとしたERC20という仕様であればコインを保管するウォレットを統一したものにできることにあります。独自に設計されたコインではそれに合わせたウォレットを用意しなければなりませんが、この仕様に対応していれば、様々な独自コインを保有していても1つのウォレットにまとめることが可能になります。

また、イーサリアムをベースとしたERC20を使っていることは、投資をする際の大きな判断材料にもなります。この仕様を使った独自コインはすでに数多く存在するため、それが一定の信用を得ることになっています。そのため、仮想通貨の技術的な内容に関して詳しくない投資家でも、イーサリアムをベースとしたERC20を使っていることは投資をする際の目安にもなっているのです。

ERC20以外の2つの仕様と注意点

イーサリアムをベースとして独自コインを発行する際にはERC20が主流となっていますが、イーサリアムにはそれ以外の仕様も存在します。それが「ERC223」と「ERC721」です。ERC20では送金先のアドレスと契約内容を記した「コントラクトアドレス」を間違ってしまうと、送金したコインを二度と引き出せなくなるという重大な問題がありました。

しかし「ERC223」には、そういった間違いを起こさないように検証する仕組みが加えられており、間違った送金が起きないように改良された仕様となっています。「ERC721」は、ERC20やERC223とは違った方向性の仕様です。ERC721の大きな特徴は「代替不可能」なことにあります。つまり、コインごとに別々の価値を持っていることを意味します。この特徴はゲームとの相性がよく、AとBという違ったゲームでアイテムなどを交換できるようになる可能性があります。

独自コインは誰でも自由に発行することが可能ですが、注意点も存在します。それは、仮想通貨の交換を「業」として行った場合には法律に抵触し罰せられる可能性があるということです。継続して不特定多数の一般の人に仮想通貨の取引や売買、またはその取次や代理、管理をすることは資金決済法違反となる可能性があるため、独自コインを作る際にはこの点は覚えておく必要があります。

イーサリアムベースのERC20を使った独自コインの発行方法

それでは最後に、イーサリアムをベースとしたERC20を使った独自コインの発行方法を解説します。独自コインの発行に必要なものは、手数料となる0.15ETH(2018年8月のレートで換算すると約4,800円)、イーサリアム公式ウォレットであるMyEtherWallet、Google Chromeの拡張機能METAMASK、発行ソフトのToken Factoryです。独自コインの作成手順は、METAMASKに0.15ETH(約4,800円)を送金し、Token Factoryに発行枚数や通貨名、取引単位となる小数点以下の桁数、通貨の単位となる記号を入力します。すると独自コインが発行されるため、MyEtherWalletへ送金して完了です。

このような手順で、イーサリアムをベースとした独自コインは発行することができます。専用ツールを使えばイーサリアムなどに関する技術的な詳しい専門知識がなくても、誰でも独自コインを発行できることがお分かりいただけたのではないでしょうか。0.15ETHは現在のレートで換算すると約4,800円のためそれほど安い手数料ではありません。しかし、独自コインの発行はイーサリアムを始めとした様々なコインに関する知識を深めるためには非常に良い方法と言えます。