多くの人が仮想通貨に興味を持つのは、何と言っても投資をした時にハイリターンを得られる可能性がある、というメリットが理由になっているでしょう。実際、2017年であれば、それこそどんなコインを購入していてもどんどん価格が上昇するくらいに大きなバブルになっていました。

しかし、そもそもなぜ価値があるのでしょうか。実際に存在しているお金のようにリアルな貨幣があるわけではありません。また、お金のように特定の政府がその価値を保証してくれるわけでもありません。インターネット上で移動される電子データでしかないものになぜ価値があるのか、ということに対して疑問を感じる方も多いでしょう。しかし、これまでのお金にはない価値を持っています。なんとなく幻想で儲かるから価値がある、という理由で多くの人が投資をしているわけではないのです。

せっかく投資をするのであれば、なぜ価値があるのか、なぜ1ビットコイン100万円などの価値が生まれてくるのかということについて知っておいた方が、間違いなく楽しく取引できます。また、コインの種類は1000以上もあると言われていますが、その中でもしっかりと価格が高くなっていくのは価値があるコインだけです。

つまりどういう価値があるのかということを知っておけば、今後価格が高騰していくコインを見極める上でも役立つ知識になるはずなのです。そこでこの記事では、初心者の方にぜひ知っておいていただきたい仮想通貨の価値と価格変動の仕組みについて紹介します。

仮想通貨にはなぜ価値があるのか

仮想通貨とはインターネット上で取引される電子データです。そしてブロックチェーンという特殊な技術を使ってこれまでの法定通貨にはない独自の価値を持つようになっています。具体的に仮想通貨が持っている特殊な価値について紹介します。

・送金手数料が安い
例えば今日本からアメリカに対してお金を送金しようとした場合銀行などの金融機関を使って送ることになります。そしてその時には送金が完了するまでに一週間程度時間がかかってしまいますし、送金手数料も数千円程度発生してしまいます。

これはただお金を送るだけなのに非常に大きな金額をとられている、と感じるでしょう。しかしリップルなどを使えば送金は一瞬で完了し、しかも手数料は数十円程度で済むのです。これはインターネット上の電子データだからこそできる技術です。もちろん海外だけに限らず日本国内の送金でも今は銀行などの営業時間によって土日は送金ができないなどの問題があります。しかし仮想通貨を使えば24時間365日いつでも送り合うことができるようになるのです。

・お金よりも信用できる
日本に住んでいるとあまり実感できないかもしれませんが、世界では自分の国のお金の価値が信用できないという国もたくさんあります。例えばジンバブエではジンバブエドルというお金が使われていますが、インフレが何度も発生してしまいジンバブエドルの価値がどんどん小さくなってしまっています。日本でも緩やかに日本円の価値が変動することはありますが、それほど大きく日本円の価値が変わることはありません。しかし海外ではこのようなインフレによるお金の価格崩壊は珍しくないのです。

しかしビットコインなどであれば特定の政府が管理することなく世界中で使われることになるので自国のお金よりも価値が安定する可能性が高いのです。もちろん今のところは、仮想通貨は価格変動が非常に大きいのですが、今後さらに社会に普及していけば価格変動は徐々に落ち着いていき、お金になり代わって一般的に使われるお金になる可能性が大いにあります。

・偽装ができない
仮想通貨はブロックチェーンという技術によって成り立っています。ブロックチェーンというのは簡単に言えばお金のやり取りの管理を世界中の人のコンピューターを使って行う仕組みです。これによってどういうことが起きるのかと言うと、送金した履歴などが消えず、しかもそのコインが生まれてからこれまでのあらゆる取引が全て記録されていることになります。

つまりお金の流れが全ての人によって守られているのでデータが偽装される心配がないのです。そうすれば自分が持っているお金というのがブロックチェーンにしっかり記録されているので他人に盗まれてしまうこともありません。法定通貨であればお財布を盗まれたりしてしまう可能性もありますが、仮想通貨ならその心配がないのです。

仮想通貨の価格が変動する仕組み

仮想通貨は非常に価格変動が大きいという特徴を持っていますが、ではなぜ価格が変動するのでしょうか。価格変動の原因となっているのは需要と供給のバランスです。つまりビットコインを欲しいと思って投資する人が増えればビットコインの価値と価格は上がり、その逆にビットコインをいらないと思う人が増えればビットコインの価値と価格は下がります。これは1ドルあたりの日本円の価値と価格が日々変動しているのと原理的には同じです。

そして取引所では毎秒ごとに多くの人が取引しています。その時にビットコインを購入したい人が多ければビットコインの価値と価格が上がっていくし、ビットコインを早く売りたい人が多ければそのぶん価格が落ちていくのです。つまり価格変動を予想したければその銘柄を欲しい人と売りたい人のどちらが多いのかを見極めるようにすれば良いのです。

仮想通貨が高騰する原因

では仮想通貨の需要が増えて高騰する原因になるものについて紹介します。

・新たな価値がある
仮想通貨は決済のために使えたり銀行の送金のために使えたりなど様々な機能を備えています。その機能が社会にとって有益であると多くの人が判断すればその通貨を買い求める人が増えて行動するのです。

・有名人が推奨する
最近ではSNSなどで仮想通貨に言及する有名人が増えてきました。そんな有名人が仮想通貨に投資したなどのポジティブなことをいうと、それに合わせて購入する投資家が増えるので、やはり仮想通貨の価格が高騰することになります。

仮想通貨が暴落する原因

一方で仮想通貨が暴落してしまう原因になるものもあります。

・取引所のハッキング
2018年にはコインチェックがハッキングされたことによって市場が全体的に大きく暴落してしまいました。ハッキング事件が起きると仮想通貨への信頼感が低くなってしまうため保有しているコインを売ろうとする投資家が増えるからです。

・有名人がネガティブな発言をする
有名な投資家やトレーダーが「仮想通貨なんて価値がない」というような発言をすることがあります。そのような発言を見た投資家が持っているコインを売却する動きをしてしまうと暴落を引き起こしてしまうこともあるのです。

・政府による規制が入る
仮想通貨はいま世界的にどのような規制を敷くのか議論されている最中です。もし投資家にとって不利になるような法律が出来上がってしまうと仮想通貨市場が全体的に暴落してしまう可能性があります。以前には中国で仮想通貨を使ったICOに規制が入ったことによって市場が大きく暴落しました。

仮想通貨の需要と供給のバランスには要注意

仮想通貨が持つ価値と価格変動の仕組みについて紹介しました。仮想通貨がこれまでの法定通貨にはない新たな目標を持っているので価値があると思われています。また価格変動は需要と供給のバランスによって決まるので、この記事で紹介したような需要と供給に影響を与えるトピックには注意して投資をするようにしましょう。