多くの人々が仮想通貨を使って利益を得ることができました。そして、そのほとんどの人たちがこれからご紹介する「ビットコイン」と「リップル」を投資対象の取引として数年前から保有して、高値になってから売り、利益を得た人たちばかりでした。
利益の総額が億を超える人も現れ、「億り人」などと呼ばれ、世間でのビットコインを始めとする仮想通貨の認知度は上がってきました。しかし、名前だけしか知らず、詳しい仕組みや違いについて理解している人は少ないのではないでしょうか。今回は「ビットコイン」と「リップル」の二つの仮想通貨の違いについて詳しく解説し、皆さんの仮想通貨の知識の参考にしていただきたいと思います。
ビットコインリップルの違い
そもそもビットコインは仮想通貨(トークン)上では、ビットコインという名前で、表記名はBTCとなっています。ビットコインはその会社名のことも指しており、トークンであるビットコインと会社としてのビットコインがあります。
対してリップルは会社名のことを指しており、リップル社のことです。トークン上ではXRPという名称で使われており、会社名とトークンの名前が異なっています。
ビットコインとリップルは開発された目的が異なり、ビットコインは決済手段の一つを役割として担うことを目的として開発されました。決済手段というのは、現在では国ごとに法定通貨決められており、その国で指定された通貨、または電子マネーなどで決済をするのが普通となっていますが、ビットコインは法定通貨以外にも新たに決済ができる手段として作られました。ビットコインは国ごとの境目はなく、世界中の誰もがどこでも使えることを利点として開発されています。
対してリップルは、送金システムとして開発されました。今の送金形態としては国を挟んだ国際送金などでは多くの仲介業者を間に挟み、その際の手数料などに取られるため時間とコストがかかってしまう状況でした。リップルはそういった送金の問題を解消するため、また現状の送金システムをさらに快適に便利にすることを目的として開発されました。
ビットコインとリップルの送金時間の違いと仕組み・構造上の違い
ビットコインでの送金可能時間は、平均的に10分はかかると言われています。しかし、リップルの場合、最速で5秒となっています。この送金時間の速さがリップルの特徴でもあり、メリットでもあります。
しかし、この送金の時間が速いからといってビットコインよりリップルの方が優れているというわけでなく、ビットコインは少し速さには劣る部分がありますが、安全な送金を心がけているためセキュリティに力を入れた結果このシステムに落ち着いたということです。リップルに安全性がないというわけではありませんが、仮想通貨にはそれぞれの特徴があり、メリットがあるということです。
また、ビットコインではブロックチェーンという技術を用いて取引データを管理しています。ブロックチェーン技術とは分散型台帳のことを指します。
銀行などのように顧客一人一人の台帳を管理する体制ではなく、ビットコインでは顧客一人一人がお互いの台帳を管理し合うということです。つまり、権利の所在については中央集権的でなく、非中央集権的であるということになります。
ビットコインと違ってリップルは分散型台帳を利用していますが、ブロックチェーン技術ではありません。リップルのシステムとしては代表者にのみブロックを追加され、取引の承認が行われます。ビットコインのブロックチェーン技術では不特定多数の利用者が取引の承認行うことができますが、リップルでは代表者に取引の商人が行われるということになります。
適用されているコンセンサスアルゴリズムの違い
ビットコインとリップルは同じ分散型取引台帳であるのに、同じブロックチェーンではない理由は、リップルにはpoc(proof of consensus)に基づいたシステムが利用されているからです。このpocというのは、リップルが管理しているUNL(Unique Node List)から代表者を選んでいます。
このリストから選ばれた代表者のことを「Validator」と呼ばれます。Validaterの全体の8割が承認した取引を、分散型台帳の中で管理することがproof of consensusというシステムになります。
ビットコインに限らず、ほとんどの仮想通貨で使われている分散型台帳はブロックチェーンを使用していますが、リップルはXRP Ledgerという台帳を使用しています。ビットコインのブロックチェーンが非中央集権的であれば、XRP Ladgerはリップルを中心として展開されているため中央集権的であると言えます。
ブロックチェーンの定義とは
ここまでの話を聞くと、リップルはブロックチェーンの技術を使っていないのかということになりますが、リップルは日本ブロックチェーン協会によるブロックチェーン定義によると、
”1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ」”
出典:「ブロックチェーンの定義」を公開しました | JBA
となっています。
ノードというのはビットコインやリップルなどのネットワークに接続されている個々人のスマホやPCなどの端末を指します。ビザンチン障害は、どの取引をブロックチェーンに追加するかどうかという問題のことで、つまり、ブロックチェーンとは不特定多数の人から取引を承認できる分散型台帳システムということです。
ビットコインであれば、取引を承認しブロックを追加するマイニングは不特定多数、誰でもマイニングをしてブロックを追加する行為ができるので、ブロックチェーンということになります。しかし、リップルは特定のVaridatorが取引の商人を行うので、ビットコインのように誰でも参加できるということにはならず、定義的にはブロックチェーンには当たらないということになります。
ビットコインとリップル、それぞれのコインの上限量と入手方法の違い
ビットコインもリップルも、コインが採掘できる最大量が決定されています。ビットコインであれば、上限枚数が2100万枚までとなっています。リップルの上限枚数は1000億枚となっています。
ビットコインの最大量と比較するとリップルは約5倍の量が上限枚数となっています。リップルと比べて総量の少ないビットコインは量の少なさゆえに1BTCあたりの値段が高値となっています。現在では約70万円程度になっていますが、リップルでは1XRPあたり30円程度となっています。
どちらもマイニングで入手することができますが、ビットコインではPCの演算能力を使ってコインを掘り出していくのですが、リップルはWorld Community Gridと言われるガンなどの研究開発に貢献したことによって報酬としてコインが配布されます。そのため、誰でもマイニングに参加できるということではありません。
ビットコインやリップルなど仮想通貨の投資はそれぞれの違いや特徴を把握した上で、可能性を感じたものに行うようにしましょう。どの仮想通貨にも目的や役割システムも異なるので将来性のある仮想通貨を探す行動をやめないことが大切です。