仮想通貨による定期預金サービスが開始
2017年5月9日付けの日経電子版にて、ビットコインなどの仮想通貨の取引所を運営しているcoincheckが、ビットコインによる定期預金サービスを開始することを報じてきました。この定期預金は預入期間で14日間と30日間、そして90日間と1年間の4種類があり、この4種類から選んで預けることが出来るようになります。そして預けた場合のそれぞれの年利は14日間で1%、そして30日間で2%得られ、90日間で3%となって1年間で5%の年利が得られ、銀行などの定期預金よりも高い年利を得ることが出来ます。
ただこのサービスは一旦停止されていた期間がありましたが、2017年6月16日より貸仮想通貨サービスとして再開され、ビットコインのみの対象からcoincheckが取り扱っている仮想通貨全般を対象にしたサービスにリニューアルされました。
「預ける」のではなく、仮想通貨の「貸し出し」
このサービスは利用者が所持する仮想通貨をcoincheck側に貸し出すことで利用料として1%~5%の利息が得られることになっています。得られる利息はビットコインだけのときと同じで14日間で1%、そして30日間で2%得られ、90日間で3%となって1年間で5%の年利が得られるようになっています。
このサービスを利用するには、まず貸仮想通貨の口座を開設し、貸出を行なう仮想通貨を口座に預入を行ないます。預入を行なった後に貸出しを申請して、coincheckによる審査が行われた後に、承認された貸出し申請に対して貸出しが行なわれます。coincheckで扱っている仮想通貨は知られているビットコインやイーサリアム以外に、人気が急上昇しているリップルやNEM、そして匿名性が高いDASHやMoneroなど12種類があります。
金利が高いメリットと価格変動のデメリット
このサービスのメリットとしては、ただ預けているだけで銀行の定期預金よりも高い金利が得られるという点にあります。そして貸出し期間が終了したときに利用料として預入利息が支払われます。しかしデメリットとしては、貸出し期間が終了したときの価格が貸出しを開始したときよりも低ければ、その分仮想通貨の損失を出してしまうので、貸出しの終了時期の価格を想定しながら、貸出しを行なうタイミングを見計らっていかないと、利用料を加えたとしても損失を出してしまうことになってしまいます。
そして、貸出しを行なっている仮想通貨は、貸出しを行なっている期間中に売却や他に送信を行なうことは出来ませんし、coincheckが破綻することがあれば、貸出しを行なっている仮想通貨は返還されることはありません。このように仮想通貨を損失してしまうリスクは伴っていますが、人気の低い仮想通貨や人気に陰りが出て急落して下げ止まっている仮想通貨など、貸出しを行なうタイミングを見計らって定期預金を行なうことで、安定的に運用する資産の運用先のひとつになり得るサービスとなります。