減り行く地域の人口減少に歯止めをかけたり、地域の経済を活性化させたりする目的で、様々な地域で様々な町おこしが企画されていますが、地域だけで使用出来る仮想通貨で町おこしを行なったり、ブロックチェーンの技術を利用した町おこしを行なう自治体が現れてきています。
岐阜県飛騨市と高山市の「さるぼぼコイン」
地域だけで使用出来る仮想通貨の使用を検討しているのは岐阜県飛騨市と高山市で、この地域では2017年5月15日より「さるぼぼコイン」という仮想通貨のプラットホームを作成して、約200人いる飛騨信用組合の職員全員を対象にして実証実験を行ない、秋ごろには商用化して地域経済を活性化させ、外国からの観光客の新しい決済サービスとして仮想通貨である「さるぼぼコイン」を提供していく方針を打ち出していて、このことによって外国からの観光客を取り込んでいこうという狙いもあります。
その「さるぼぼコイン」を使用するにはスマートフォンの専用アプリが必要となり、飛騨高山地域の地元企業や商店などで使用することが可能となります。支払い方法はスマートフォンアプリを起動して、【支払う】を選んだ後に暗証番号を入力して、お店のQRコードを読み込んでから支払い金額を入力し、支払い先や支払い金額を店員に確認してから確定を押すことで、「さるぼぼコイン」で支払うことが出来ます。
富士市ではブロックチェーンで商店街を活性化
そしてブロックチェーンで商店街を活性化させようと計画しているのが富士市になります。2016年12月1日静岡県富士市の吉原商店街は、ブロックチェーンの技術に関して以前から研究を行なっていた静岡銀行やマネックスグループなどと共同で、割引クーポンを発行するNeCobanというスマートフォンアプリを開発して実証実験を始めました。
NeCoban はキャンペーンやお店や友達などからNecoポイントを取得して、その取得したNeco ポイントと割引クーポンを交換することで、お店の商品を割安で購入することが出来るサービスとなっていて、このNeCobanを利用した情報の管理にブロックチェーンの技術が応用されています。実証実験の期間は2017年3月31日までと短かったですが、割引クーポンをアプリで表示することで印刷コストを削減することが出切るので、商店街の小さなお店でも導入が行ない易いという利点がありましたし、NeCobanコミュで他店の最新のクーポン情報やお店の情報を入手することが出来るので、買い回り客を呼び入れることも出来ていて、利用者にも商店街にも効果が見える試みになっていました。
茨城県かすみがうら市では地域ポイントを仮想通貨で提供
そして茨城県かすみがうら市でも、市が企画するサイクルイベントや健康や子育てなどに関するイベントに参加した市民に対して、仮想通貨となる地域ポイントを提供して、その地域ポイントを地域の店舗で使用出来るサービスを2017年度から提供することを、2017年2月28日に発表しています。この地域ポイントのやり取りはブロックチェーンで管理されたスマートフォンアプリで行なうことが出来、このサービスによって地域を活性化させるために、地域ポイントの関連費用として1030万円をかすみがうら市は計上しています。
地域の活性化を目的に通貨に代用出来る地域通貨を発行する試みは以前から各地で行われていましたが、偽造やハッキングによる窃盗その他の影響がありました。しかしブロックチェーンで管理された地域で使用出来る仮想通貨を使用することで、偽造などのリスクがなくなるため、今後も地域の活性化を目的にブロックチェーンを利用した仮想通貨による地域通貨を発行する自治体が増えていく可能性があります。