イーサリアムが32パーセント以上の急騰

イーサリアムあるはイーサと呼ばれる仮想通貨が12月11日から12日の24時間で32パーセント以上上昇を記録し、過去最高値の75,000円を突破して一日の取引総額は5,500億円にのぼりました。先週CCNは、イーサリアム取引市場で米国が韓国を抜き最大の取引量をもつと報告していました。GDAXとBitfinexの二つの取引所が、ここ数週間にわたりイーサリアム取引の20パーセント以上を占めています。

大幅に上昇しているイーサリアムとは何か

そもそもイーサリアムとはビットコインの仕組みを利用して生まれたシステムの名称でありイーサというのがそのシステム内で流通している通貨になります。しかし一般的にはイーサリアムの名称で記されることが多いので以下イーサリアムと統一します。イーサリアムは現在、仮想通貨の中で二番目に大きな時価総額を誇っており、未来的なシステムを持った通貨になります。イーサリアムがここまで評価されているのはそのシステムのベースであるブロックチェーン技術とスマートコントラクトによるところが大きいです。
インターネット上では完全にビットコインの上位互換という人もいるほどに高く評価されています。

イーサリアムは2015年の7月にリリースされビットコインと同様のマイニング承認を行い成功したマイナーには報酬が支払われる仕組みをとっています。ビットコインと同様の仕組みをとっていますが決定的な違いも存在します。ビットコインは2,100万BTCと通貨の価値を保証するために上限が定められていますが、対してイーサリアムは今のところ上限がありません。そしてブロックチェーンの生成時間ですがビットコインが10分なのに対しイーサリアムはおよそ15秒から17秒程度です。圧倒的にブロック生成時間が早く、生成時間が早いと利用者にとっては送金速度などメリットがありますが、それだけ短時間でできるような単純なプロセスで作成されているため世界中でほぼ同時刻にマイニングされるなどの無駄な作業も生み出してしまっています。同時にブロックが作られ分岐したとしてもより長いブロックが正規のものだと判別できるため問題ではありまんが無駄が多いことには変わりないでしょう。今後、高確率で改善されていくことになると思います。

スマートコントラクトの詳細

イーサリアム最大の特徴であるスマートコントラクトについて解説します。これは端的に言ってしまえば、契約の自動化と簡略化になります。少しイメージしづらいかもしれないので例を挙げます。例えばAさんとBさんがお金の貸し借りをしたとします。その際に借用者などを交わし返済期日や利子の契約を結びます。イーサリアムには単純な送金記録だけではなく、こういった契約情報も記録することができるのです。

これがビットコインとの最大の違いであり、イーサリアム最大の魅力です。このイーサリアムのシステムはビジネスに大きな変革をもたらす可能性があります。今までは契約の際は仲介業者等の中央機関(裁判所や銀行)が管理・保証をしてくれていました。そのため人件費などの経費も掛かり時間もかかっていました。それに代わり自動契約をすることで、今までかかっていた費用や時間を大きく削減することができ、イーサリアムの未来的な技術として注目を集めました。・

投機としても魅力的なイーサリアム

イーサリアムが75,000円を突破し過去最高値を記録全く新しいシステムであるイーサリムの価格が大きく上昇していく中、投機的視点で利益を得ようとしている方も増えています。今週の大幅な上昇以来Bithumb、Coinone、Korbitの三か所の主要取引所を利用するトレーダーがイーサリアムの取引量を増加さており、イーサリアムの人気が韓国で回復し始めています。韓国最大の取引所であるBithumbでの1日の取引量が5億ドルを超えイーサリアムの全体取引量の11パーセントを占めています。今後、韓国での人気も継続され、より取引量も増していく可能性が高いです。この上昇がいつまで続くかは正確に把握できていませんし、機関投資家などが利益確定にはしり暴落する危険性もあります。今後の動向には注意が必要でしょう。

なぜここまで上昇しているのか

冒頭でもふれましたが、イーサリアムの価格が急激に上昇しています。それだけではなくライトコインなどは連日80パーセント近い上昇率を記録しており、この2つのコインだけでも投資家は大きな利益を上げているでしょう。ライトコイン・イーサリアムの2つは9月以降、より多くの利益を上げようと奮闘しています。過去2カ月間にわたりそれぞれは約4万円と1万円ほどで安定していました。しかしシカゴ・ボード・オプション取引所でビットコインの先物取引が開始されるなど仮想通貨に先物市場が登場しより人々の関心を引いています。これを背景にグローバル・ファイナンス市場からの仮想通貨に対する需要が高まりこの2つの仮想通貨が急騰するに至りました。

そして、仮想通の急速な成長を後押し強いる要因としてICO(イニシャル・コイン・オファリング以下ICO)があります。ICOは株式のIPOと同様に仮想通貨を発行することで資金を調達する資金調達方法です。このICOに対して韓国など主要な地域において政府機関と金融当局が認可する予定と発表しました。ですが一定の制限があり機関投資家などの認定を受けたトレーダーのみ近い将来ICOに出資するころを許可する予定で一般投資家は現在その対象ではありません。

2016年以降イーサリアムの取引量の大部分をICOが占めています。これはイーサリアムの特性上ビジネスに非常に大きな影響を及ぼすからです。ICOの合法化に伴ってイーサリアムの人気は大幅に上昇し、今後のイーサリアムの価格に直接的で大きな影響を与えることになるでしょう。。

イーサリアムに参入する企業

EEA(エンタープライス・イーサリアム・アライアンス)という新しいビジネスプラットフォームがあります。これはあらゆるビジネスシーンで使用するソフトウェアの開発を、イーサリアムのブロックチェーン上で開発するプロジェクトです。EEAでは、すでに100社を超える企業が参加しており、マイクロソフト・JPモルガン・インテルなどの大企業が名を連ねています。

マイクロソフトは既存のサービスであるWEBアプリの開発やビッグデータの活用などをスマートコントラクトにより、よりスムーズにあらゆる契約を行えるようになりました。
また、JPモルガンも顧客データの管理にイーサリアムを使用していることを公表しています。顧客情報の管理にブロックチェーンを使用してセキュリティの強化とコストの削減に成功したと発表しています。スマートコントラストはより普及していき本格的な導入が始まると送金だけでなく、より細かな契約取引等が可能になるでしょう。

またロンドンに本社を置くBABB(バンク・アカウント・ベース・ブロックチェーン)はイーサリアムのブロックチェーン上で銀行の運用プラットフォームを構築した次世代型の銀行と言われています。BABBは金融ベンチャー企業としてすでに銀行業務免許に申請も完了しており、スマートコントラクトを基盤に構築し従来に比べ、コストを最小限に抑えデータの忠実性とセキュリティ強化を同時に可能にしたと同社は語っています。

IBMやサムスンといった大企業もイーサリアムを使用してのプロジェクトを進めています。
サムスンとの共同プロジェクトでこんな実験が行われ、家庭用の洗濯機の洗剤が不足したことを感知して発注、注文書の自動作成、商品の発送、支払いに至るまで自動で行うことができると報告されています。サムスンは今や電化製品でかなりのシェアを持ち、その技術力も定評があります。IBMと共同で新たなライフスタイルを生み出すかもしれません。