仮想通貨は、世界中で新たな取引対象として非常に注目度の高いものとなっています。市場規模そのものは、Apple社などの時価総額には劣りますが、市場は拡大傾向にあり、今後さらなる価値の上昇が見込めるでしょう。しかし、仮想通貨の価値が向上するにつれ、そのデメリットも世界中で認知されつつあり、必ずしも利益を出せるものではないというのが現状です。もっとも、仮想通貨そのものは短期的な取引には向いておらず、仮想通貨を用いたFXなどにおいては資金を全て失う可能性も十分にあり得ます。

仮想通貨の存在意義はどこにあるのか

仮想通貨取引はプラスの要因のみではない仮想通貨は、電子マネーのようにネット上に存在するお金であり、取引についての特定の管理者はおらず、独自のシステムで構築されています。システムの根幹となるものはブロックチェーンと呼ばれる相互協力型のデータ共有ですが、そのシステムがあるからこそ仮想通貨は金融機関や国が発行するお金とは別の立ち位置となっています。例えば、取引は24時間いつでも可能ですし、仮想通貨の海外への送金などは手数料が安価であることに加え、場所や時間も制約されません。また、実験段階ではありますが、仮想通貨を使用した金融機関の海外送金は、今までとは比べ物にならないほどコストを削減することが可能です。

また、仮想通貨の代表格であるビットコインについては、その価値に注目されがちですが、実際に日本円に換金する場合には問題点は少なくありません。最大のネックは、その過大な税率にあります。例えば、仮想通貨の取引は投資と見なされることになり、1億円ほど利益を取得できてもその半分は税金で消失します。これは、日本のみに限られますが、本当に投資の意味を理解して設定しているか疑問を持たずにはいられないほどの税率です。

では、なぜ高い税率だと理解しつつも仮想通貨の取引への参入者が多いのでしょうか。日本国内における大部分の方は、よほどの大企業か能力により高収入を確保できるなどでなければ、将来に対する備えが必要となることを体感的に理解しているからと推測できます。加えて言えば、日本では、生きているだけで税は徴収されますし、社会保険は必ず加入することになっています。つまり、資金がなければ搾取され続け、最終的には破綻する未来もあり得ます。その為、仮想通貨も含めた投資や副業は、自分と将来の為の必要資金を確保する手段として、一般的に広がりつつあると言えるでしょう。

仮想通貨の価値の上下は世界の動きに関連する

仮想通貨の価値は一定ではありません。仮想通貨の価値は、24時間の取引が可能なことに加え、世界中に送金可能である為、世界の経済や出来事に左右される傾向が非常に強いものです。例えば、韓国の取引所ユービットは北朝鮮から思われるサイバー攻撃を受け、破産しています。

北朝鮮が資金源として、ビットコインなどの仮想通貨を狙っていることは世界中で認知されていますが、ハッキングによって取引所を破綻させたケースは初めてです。この事件によって、ビットコインの価値が下がり、相対的に仮想通貨全体の価値が下がりました。これは取引所のデメリットにつけこんだ悪質な手口であり、新規参入者などに対して心理的な悪影響を及ぼしています。

仮想通貨そのもののシステムは、不正は不可能です。取引・出金情報などを分散化させたデータベースで管理しているため、ハッキングによって残高の改ざんなどは出来ません。しかし、取引所のシステムについては、各社が独自で設定している為、金額や取引内容を含めた全てのデータは取引所の管理となります。つまり、ビットコインなどに採用されるブロックチェーンのシステムはハッキングしたところで改ざん不可能ですが、取引所においてはセキュリティホールがある場合も少なくありません。その為、北朝鮮のみでなくサイバー攻撃を受けて取引所が被害にあうなどの事態になった場合には、仮想通貨の価値は総じて下落することになります。

もっとも、取引所のシステムはネットを介しているため、サーバーの強化などは日々行われており、ビットコインのあとに開発された仮想通貨であるネム、リップル、イーサリアムなどはシステムとしてビットコインよりも優れています。その為、取引所のハッキングによる仮想通貨の消失のリスクはいつでも存在することになりますが、仮想通貨の取引は徐々に拡大していくことになるでしょう。

このような仮想通貨全体の動きから見れば、仮想通貨は長期的な保持に向いており、短期的なマイナスが生じても長期的な保持による利益には問題ないと言えるでしょう。しかし、北朝鮮以外にもビットコインなどを狙ったハッキングは日々行われているため、仮想通貨による投資額においてはいつでも消失する危険性があることを忘れないでください。

仮想通貨取引で見落としがちな注意点

仮想通貨取引で見落としがちな注意点仮想通貨の取引では、短期的でも長期的でも利益を上げようとする場合、仮想通貨の銘柄の違いを理解する必要があります。例えば、ビットコインは2017年中に10倍の価値を誇るほどの高騰を見せましたが、自分の購入しようとするコインにその可能性を見極める必要があります。例えば、ビットコインとネムでは、発行目的・枚数・価値まで違うことに加え、選択する銘柄によっては購入できる取引所も慎重に選択する必要があります。また、ビットコインは価格の変動が激しいため、購入するタイミングによって数十万円単位で価値が異なることがあります。他のコインではそれほどまでに激しい価格変動は起きにくいのが現状ですが、もし、ビットコインで短期的な利益を上げたいのであれば、チャートや経済・世界情勢を踏まえたうえで1BTCを運用する必要があります。ビットコインそのものは1BTCに満たない金額でも購入が可能です。しかし、購入した金額が10分の1程度であれば、上昇額も十分の1に留まる為、今後も2017年と同じような価格の高騰が続かない限りは、利益をあげるのは非常に厳しいと言わざるを得ないでしょう。

また、仮想通貨はインターネット上にしか存在しませんが、電子マネーへの交換ができる手段なども拡大しており、これから更に交換手段は増えていくことが予想されます。もっとも、現在のところは、ビットコインであっても利用できる店舗は限られるうえに、使用出来る金額にも制限があります。その為、まだ実生活においてビットコインや他の仮想通貨のみで生活することは不可能です。

もっとも仮想通貨が世間的に認知されるようになれば、価格が落ち着くという見方もある為、店舗での対応よりも早く仮想通貨の価格は落ち着くと考えられます。その為、仮想通貨の取引を始めるのであれば、なるべく早い時期からをおすすめします。加えて言えば、ビットコイン、リップル、イーサリアム、ビットコインキャッシュなど総流通量の多いコインは軒並み価格が上昇しつつある為、もし、これらの銘柄を購入しようする場合は、これから先の展望を入念にチェックする必要があります。

ビットコインを含めた仮想通貨は流動性の高いものであり、その価値は誰にも保証出来ません。しかし、流動性の高いものであるからこそ、利益を生むことが可能であり、仮想通貨であっても1つの単価が1円などと決まっているものには、何の意味もありません。また、SBIや三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行などは今後独自の仮想通貨を作成する予定であり、特に今から仮想通貨取引に参戦するのであれば、価格変動制を持つとされるSBIの動きに着目しましょう。