SBIの仮想通貨取引所2018年1月開設

1999年ソフトバンク・インベストメント(株)を設立したのを皮切りに、住信SBIネット銀行やSBI生命保険、SBI FXトレード、SBI損保、SBIカード、SBI FinTech Solutionsなど約50社の金融商品取扱企業を設立してきたSBIの仮想通貨取引所が2018年1月、ついに開設されます。

仮想通貨ジャンルにもかなり力を入れており、ヘッジファンドやマイニング事業も行っています。マイニングを行っているのはSBI cryptoで、2017年8月に設立、ビットコインキャッシュのマイニングを手がけていると見られています。

SBI Ripple Asiaという2016年に設立されたアメリカRipple社とのジョイントベンチャーもあります。2017年6月の内外為替一元化コンソーシアムグループ企業の事務局を「SBIホルディングス」とともに務めました。

銀行、保険、証券など幅広く金融関係の事業を手がけて急成長を遂げてきた最大手融グループSBIの仮想通貨取引所だけに、グループ企業のバックアップやノウハウの活用も期待できることが強みになることは、間違いありません。

SBIバーチャル・カレンシーズ設立からこれまでの経緯

SBIが2016年11月設立した仮想通貨取引所「SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社」仮想通貨交換業者として9月29日に金融庁に登録を終えて、10月から口座開設の先行予約を開始。11月30日をもって先行予約は締め切られましたが、かなりの申し込みがあったようです。12月13日には20~70歳の個人投資家向けの仮想通貨取引専用サイト「VCTRADE」を準備中であることが発表されました。

12月下旬を予定していた一般の口座開設受付開始に関しては、12月22日に延期の発表がありました。先行予約に予想を上回る数万単位の申し込みがあったため、一般の受付体制の準備が遅れている模様です。

SBIバーチャル・カレンシーズの概要

SBIバーチャル・カレンシーズとは?ストレスフリーでスマートな仮想通貨取引を提供することを目指すSBIバーチャル・カレンシーズ。具体的な取扱い内容やシステムなどについては、発表されていることがあまりありませんが、取扱い通貨はスタート時点ではビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、リップル(XRP)の3種類になることを、12月初旬に社長がインタビューで語っています。

以前に発表されていた資料にはイーサリアムやNEM、ライトコインのロゴがあり、取扱が予想されていましたが、サービススタート時点での取扱いは内容です。先ほどもご紹介したようにSBIはリップル社とのかかわりが深く、SBIホールディングスの北尾社長は「リップル押し」で有名でもあります。リップルの取扱いには力を入れていく可能性も高そうです。

発表されている概要としては、売買手数料は無料。入出金手数料に関しては、住信SBIネット銀行の即時決済サービスを使うことで日本円入金手数料無料。日本円出金では住信SBIネット銀行51円、住信SBIネット銀行以外では出金額3万円未満は165円、出金額3万円以上は258円です。サイトやアプリについてはまだ発表がありませんが、FX、証券で培ったノウハウが盛り込まれたものになるでしょう。

SBI FXやネット証券で売買代金シェアトップの座に上りつめたSBI証券との連携と資金力で、安全性の高い大規模な仮想通貨取引所を構築するために、時間を惜しまず準備が進められているようです。予想以上のユーザーが安心して取引できるように、大切なサーバーの安定化やユーザーサポート体制の整備なども充実した形でのスタートを目指していると思われます。SBIのFX、証券取引ユーザーの多くが流入することも予想されます。

SBIホールディングス独自の仮想通貨「Sコイン」とは

SBIは9月28日、独自仮想通貨として「Sコイン」を発行、店舗での支払い方法として普及をすすめることを発表しています。送金コストをゼロに近づけ、即日現金化を目指して利用を促進します。また、「Sコインプラットフォーム」を利用することで金融機関や企業、地方自治体が独自のコイン(トークン・地域通貨)を初期投資の必要なく発行可能にして、スマートフォンでスピーディーに決済できるようになることを目指すと発表しています。SコインプラットフォームはSBIホールディングス株式会社と株式会社Orbが共同開発しました。

日本の銀行ですでに発行されている三菱東京UFJ銀行の「MUFGコイン」、みずほ・ゆうちょ・地銀連合「Jコイン」に次ぐコインとなります。日本では2020年のオリンピックに向けて、政府がキャッシュレス決済比率を米国並みの40%代に引き上げること、大都市、観光地でのキャッシュレス対応100%達成、そのための決済端末の導入を支援しているという背景もあり、SBIも好機を逃さずキャッシュレス化対応していくためのコイン発行なのでしょう。ほかの日本の銀行のコインと違って日本円との交換レートが固定されず、取引所で取引ができるコインになるのではないかと注目が集まっています。

Sコインを発行すると、SBIがこれまで深い関係を結んできた決済に特化したリップルのコイン(XRP)と役割が被ってしまいそうにも思えますが、Sコインの主な役割は個人消費の決済であり、XRPは銀行間、企業間での送金、取引のための通貨として用いることを目指していると見られています。

SBIのグローバル取引所は香港に

SBIは2018年1月にグローバル取引所の開設も予定しています。最初は「SBI MAX」という名前になるという情報が流れましたが、2017年10月の発表では「Digital Asset Exchange(仮称)」という名称になっていました。変更された理由は、SBI MAXという名称を使用できない理由があったからのようです。Digital Asset Exchangeの設立場所は香港で2018年1月開設予定となっています。

こちらでも気になるのが取扱仮想通貨ですが、11月30日に発表されたSBIホールディングスのミーティング資料には、ビットコイン(BTC)のほかイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ライトコイン(LTC)、ネム(XEM)の画像が使われていました。詳細が発表になるまで、日本人にとってどのような存在にあるのかはわかりませんが、SBI Ripple Asiaの存在もあり、アジアにおける仮想通貨取引、送金・決済業務でのリップル社のブロックチェーン技術活用などでのSBI活躍の足場が着々と築かれていることは間違いないでしょう。

R3の筆頭株主となったSBIの今後は?

SBIの2017年の動きとしてほかに注目すべきは、5月にアメリカのフィンテック企業「R3
HOLDCO(ホルコ )LLC」の筆頭株主になったことがあります。R3社は主導するコンソーシアムに世界の金融機関80社あまりが参加する、ブロックチェーン技術関連の企業です。

SBIは「資金移動業」に分類される企業「SBIレミット(SBI Remit)株式会社」も2005年にすでに設立、海外送金のコスト軽減と時間の短縮を図れるサービスを提供しています。個人でも法人でも利用可能です。会員登録したら、口座に入金して海外送金が10分程度で可能です。世界各国に送金可能な国があります。銀行からの送金の1/5程度で済むなどかなり安いので、個人でも必要があれば利用をおすすめします。

SBIはSBIバーチャル・カレンシーズの設立によって、仮想通貨の可能性を最大化することを目指しています。今回の仮想通貨取引所開設にR3 HOLDCO(ホルコ )LLC との関係や設立済みのSBIレミット、Digital Asset Exchangeも加わって、SBIはグローバルな金融機関として存在感をさらに確立していくことでしょう。

グループ企業の実績と信頼感から、SBIバーチャル・カレンシーズも開設されれば人気の取引所のひとつにランキングされる日も遠くはなさそうです。口座開設申込の受付開始の発表が待ち遠しいですね。