ビットコインの急騰や、仮想通貨そのものの知名度が上がったことなどもあり、いわゆる仮想通貨元年と呼ばれていた2017年ももう終わり。徐々に利用できるお店やサービスも増加しており、仮想通貨は2018年、より便利で身近なものとなっていくでしょう。そんな始まったばかりの2018年ですが、すでに多くの仮想通貨に関するニュースが発表されていますので、重要なものを今からチェックしておきましょう!
2018年の仮想通貨は日本が引っ張るとの予想
2017年11月、取引台帳記入プラットフォームであるウエーブスが投資家678人に対して行った調査で、2018年の仮想通貨を牽引していくのは日本だろうと答えた人が27%に上りました。これはアメリカや韓国も抑えてトップの数字であり、仮想通貨の普及に日本が欠かせない存在になる、そう世界中の投資家が考えているとみて良いでしょう。
もっとも、この調査を行った国や地域別に見れば一定の差はあるようで、アメリカの投資家はアメリカが仮想通貨を牽引していくと見る人が多くなっています。また、欧州の投資家は仮想通貨を引っ張ることになるのが欧州だ、と考える人がやはり多くなります。それでも欧州の場合、日本と答える人が欧州と答えた人に比べてかなり多くなっているのですが、基本的には自分の住む国に最も大きな影響力があると見るようです。
ただ、今回の調査で日本の投資家が多く回答したからこの結果になったのかというと、そうではありません。ICOによる資金調達に投資家の急増など、仮想通貨の利用が活発化してきたこと。規制が中国や韓国ほど激しくはないなどといった要因から、日本の将来性や信頼性に期待が向けられているのでしょう。
とはいえ、日本人は仮想通貨のブームに乗り遅れていると見る向きもあります。事実、2013年から2014年にかけて、ビットコインはすでに今ぐらいの価値を一度つけています。中国などの仮想通貨に対する規制が強くなっている国々は、その頃から大規模に仮想通貨を取引していたのです。
様々な手段で不正に用いられる私たちのデバイス
いま仮想通貨の知名度上昇に伴って急増しているのが、訪問者のデバイスが持つCPUリソースを無断でマイニングに利用する不正サイトです。マイニングスクリプトをサイトの訪問者に黙って少し稼働させるだけの軽微なものから、訪問者のデバイスを乗っ取るウイルスでCPUリソースの大半を使われるケースまで、実に様々な手口があります。
ほとんどの仮想通貨が値を上げ続けている今、マイニングの稼ぎは良くなる一方で、サイバー犯罪者にしてみれば正に金のなる木。こういった不正サイトの増加はとどまるところを知らず、2017年7~9月の四半期間に発覚した不正サイトの数は、4~6月の実に12倍となっています。
この数が今も増え続けているであろうことは、もはや言うまでもありません。私たちは常にこういったサイトを訪れてしまう危険があり、基本的に訪問した時点でウイルスに感染してしまいますから、わずかでも怪しいサイトには立ち寄らないよう注意すべきです。アンチウイルスソフトウェアを使っていてウェブサイト解析の機能があるならば、必ず利用しておきましょう。
ちなみに、無断でマイニングさせられるだけならまだしも、所持している仮想通貨を不正に送金するウイルスまで出回っています。それも、こうした不正スクリプト等への感染はパソコンだけでなく、スマートフォンにウェブカメラ、ゲーム機までもがその対象となっています。インターネットに接続する全ての機器で、2018年はより一層セキュリティに気を配るべきですね。
数十万人単位の投資家が税金に悩む2018年
仮想通貨元年である2017年に取引を始めた投資家たちにとって、2018年きっての悩みは税金じゃないでしょうか。仮想通貨の売却や使用によって得られた利益は雑所得となるため、これが年間20万円を超える場合は確定申告が必要となります。今年、確定申告の義務が生じる投資家は数十万人単位まで膨らむと見られており、これに悩む人は非常に多くなるでしょう。
さらにこの問題を深刻化させているのが、税理士に頼んでも解決しないことがあるという点です。去年から突如有名になったばかりの仮想通貨について詳しい税理士は数少なく、依頼を受けてもらえないことも多くあります。では、この税理士ですら計上が困難な仮想通貨の税金に、私たちはどうすればいいのでしょうか。
答えの1つとして挙げられるのは、主要な取引所での取引履歴をアップロードするだけで、利益計算を行ってくれるG-taxというサービスです。これは「取引所ごとに異なる形式のデータから正しい取引履歴を抽出して利益計算をする」という、税理士にとっても困難な部分を代行してくれます。このG-taxから受け取った計算結果であれば、仮想通貨に詳しくない税理士でも扱えるとのことです。
現在では売買取引にしか対応されておらず、対応する取引所も大手だけというG-tax。今後は、マイニングなどで得た利益にも対応させるほか、対応する取引所やウォレットも順次追加されます。
仮想通貨のさらなる用途拡大
もともと仮想通貨はその名の通り、実態を持たないグローバルな貨幣として用いられるはずでした。それが、有名になっていくと同時に投機の対象として利用されることが多くなり、マイニングで稼げるとわかれば取引所がどんどん設立されるなど、主に稼ぐ目的での用途が広まっていきました。それらに加えて最近だと、資金を防衛するための手段としても仮想通貨が注目され始めているのです。これは、資産として金を持つ感覚に近いと言えるでしょう。
直近の大規模な例で言えば、イランの経済不安があります。自国の通貨を持ち続けていたら価値が急落、また最悪の場合には完全に価値が無くなるかもしれない、と考えるのも無理はない状況下で、国内の人々が次々と仮想通貨に資産を移し替えたのです。この経済不安が囁かれ始めた2017年12月ごろから、イランの通貨リヤルとビットコイン間での取引量は、実に10倍近く跳ね上がっています。
「自国通貨の価値が暴落する危険性」は、どの国でも少なからず抱えています。ジンバブエドルの暴落はあまりにも酷かったので有名ですね。1ドルが3京5,000兆ジンバブエドルになるほど価値は暴落し、パン1つを買うにも大量の札束が必要になるという有様でした。私たちも万が一その危険へさらされた時のために、資産を仮想通貨に移すことは常日頃から考えておくべきなのかもしれません。
2018年は仮想通貨激動の年になるかも?
これらの他にも、ビットコインの陰に隠れてリップルが急騰、一部の国が仮想通貨に対する規制をさらに強化、英語で「暗号」を意味する「Crypto」の含まれたドメインが高く取引される(仮想通貨を暗号通貨とも呼ぶため)、仮想通貨をテーマにしたアイドルの誕生など、2018年もすでに仮想通貨関連のニュースがあふれるように出ています。しかし、見ていくとその多くは暗いニュースだという印象があるのも確かです。
知名度が高まったとはいえ、まだまだ数多くの問題を抱える仮想通貨は、本格的な普及に向けてここからが正念場と言えるでしょう。制度や法整備の見直し、各種サービスの充足化がますます加速すると見られ、2018年は仮想通貨にとって激動の年になると思っています。そうなった時に置いて行かれないよう、2018年も仮想通貨を積極的に利用するつもりならば、常に最新のニュースを把握するようにしておきたいものですね。