2017年に仮想通貨が有名な存在となっても、中々これといって注目はされてこなかったリップル。そんなリップルが、一時はイーサリアムを抜いて時価総額が仮想通貨中2位に躍り出るなど、近年では急に存在感を増しています。時価総額だけでなく価値もかなり上げており、最近では頻繁に急騰するため、もはや投資家なら誰もが知る存在となりつつある状況です。今回は、ビットコインも驚く勢いで成長を遂げるリップルが、何故こうも急騰を繰り返すのか、その理由を探っていきます。
金融機関や各種企業との提携が予定・実施されている
2016年ごろから、日本国内・国外を問わず多くの金融機関が、仮想通貨のリップルを利用すると明かしています。加えて、SBIホールディングスとも提携を行って「SBI Ripple Asia」を設立するなど、確実にリップルは拡大しつつあります。金融機関の内訳としては、日本だと三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行など60以上、海外でもバンクオブアメリカをはじめとした大手銀行が名乗りを上げており、リップルは一気に注目度が上がっています。
では金融機関と提携して何を行うのかというと、銀行間での送金、つまり振り込みです。他行への銀行振り込みが営業時間にしか行えないことはご存知かと思われますが、それが24時間365日、年中無休で行えるようになるのです。リップルの決済システムは、他の仮想通貨に比べて非常にスピーディーかつコストは安く、それでいて確実・安全に完遂できるXRPですから、世界中の銀行が送金システムに使いたいと考えるのも当然だと言えます。特にコストの面では、現在よりも3~6割ほど抑えて送金できるという試算が出ています。
提携先は金融機関だけでなく、アラブの貨幣交換所であるUAE Exchangeや、コンピュータ関連製品等を扱うIBMなど、実に様々な分野の機関と連携しているのも面白いところです。クレジットカード会社のアメリカンエキスプレスとも技術的な提携を行っており、将来的にはクレジットカードでの決済が、XRPで行われることになるとのこと。
こういった提携先がどんどん多くなっているので、リップル並びにXRPでの決済が注目の的となり、ますます企業や投資家の期待は大きくなり続けています。そしてこのような良いニュースが報道されるたび、リップルの値段は跳ね上がるのです。
他の仮想通貨に比べて決済の処理が高速かつ手数料が安い
今もっとも有名な仮想通貨は何かと聞かれれば、当然「ビットコイン」と返すのが正解でしょう。しかし、もっとも仮想通貨としての役割を果たすに相応しい仮想通貨は何かと聞かれたら、とてもビットコインとは答えられません。場合により取引の処理を完了できるまで何日もかかるリアルタイム性の無さ、その取引速度を改善させるため等の理由から爆上げされる手数料、すでに投機の対象として見られていることによる価格変動の激しさなど、様々な理由から通貨としてはまるで役に立たないからです。
一方、リップルはそれらの問題が見事に解消されているのです。現状、取引処理が完了するまでにかかる時間は数秒程度と言われており、手数料も限りなく無料に近い値段となっています。また、リップルの決済システムであるXRPは、前述したように金融機関の振り込みでも使えるように準備されているなど、通貨として使われることに重きを置いたものであることは間違いありません。さらに、独自のセキュリティシステムによって他の仮想通貨より高い安全性を獲得していることも、利用する側からすれば大変ありがたいことであり魅力です。
ビットコインは今や投機の対象としてしか見られていない節がある一方、リップルは「これから本当に日常生活で使えるようになりそう」と感じられる、極めて現実的な仮想通貨だと言えます。なので、そういった用途で使うために持ちたい、と考えている人からすればリップルは買いたい仮想通貨であり、価値は高くなっていくのです。
安定性の高さが期待される仮想通貨であること
リップルは他の仮想通貨と比べ、価格・セキュリティ・取引などの安定性に優れていることも期待される大きなポイントになっています。価格については、リップルも漏れなく急騰と呼ばれるほど上がることは多々ありますが、ビットコイン等の乱高下に比べると変化は大人しいほうです。リップルラボ社がリップルの大半を所持しており、高くなりすぎたり低くなりすぎたりしないよう、ある程度まで介入して価値を操作可能なのが最大の要因でしょう。その分、投機対象としての魅力は薄れますが。
また、リップルは既に発行予定枚数の全てが流通されているため、マイニングもマイナーも必要ありません。よって、近年ビットコインで常に問題となっている、マイナー不足が原因の手数料爆上げは起こり得ません。一部の仮想通貨はが取引に失敗することもある一方、リップルは確実に取引を完了できるとされていますし、通貨や送金手段としての安定性は仮想通貨の中でもダントツと言って差し支えないでしょう。
ただ、独自セキュリティを使って得た安定性の裏には問題もあります。リップルは基本的に取引所へ直接預けており、私たちは代わりにIOUと呼ばれる手形を持っているだけなので、預け先の取引所がいきなり潰れでもしたら、その瞬間にリップルは全て失うという点です。この辺りは銀行に似ていますね。
リップルが急騰するタイミングまとめ
結局、どういうときにリップルが多く買われて値段が急騰するのかと聞かれたら、それは多くの人がリップルに大きな期待を寄せたタイミングだろう、と私なら答えます。
リップルが金融機関と提携する、クレジットカード会社と技術提携して決済システムにXRPが使われそうだ、といったリップルに関する良いニュースが発表された時。そして、リップルの決済処理がものすごく速いことや、手数料が非常に安いことなどといったメリットの部分が、何らかの形で多くの人に知れ渡った時などは、期待を寄せる人が増えて買われるため価値も上がるのです。もちろん、逆が起こるとリップルの価値は一気に下がってしまいますから、価値の動向を気にするならニュースは常に確認しておきたいところですね。
リップルの値段はこれからも上がり続けそう
ここまで話してきたように、リップルは投機対象としては決して魅力的でありませんが、仮想通貨というカテゴリをよく見つめなおせば、これほどその目的に合致したものは無いでしょう。稼ぐためではなく使うための仮想通貨として、今後ますます利用者は増えていくと考えられます。そもそも、銀行の送金処理などで使われるようになれば、リップルを持たない・知らないという人でも必ず耳にすることがあるはずですから、その知名度は一気に上がることでしょう。
そうなれば、いくら調整されて安定しているほうだとは言っても、最近のように急騰することは度々起こるでしょうし、長期に見ればこれからも徐々に値段は上がっていくと考えられます。しかし、まだ現時点でリップルには限られた用途しかなく、通貨として十分だと言えるほど価値が安定しているわけでもないので、それこそ投機目的でもない限り今すぐに購入するのはあまりオススメできません。しかし、今後あなたのよく使う場所で利用できるようになったら、リップルの積極的な利用を考えてみても良いと思いますよ。