仮想通貨の規制なるか

仮想通貨の規制とコインチェックのネム流出に揺れる仮想通貨取引

今年に入って170万円台にあったビットコインは韓国や中国そしてその他の国の相次ぐ規制の話しを受けて103万円程まで大きく下落し、その後も下落を続けて70万円台まで値を下げていました。

この規制の話しの中には仮想通貨の取引を禁止する話しも出ていましたが、韓国の金融関係で働く職員のインサイダー取引が発覚して以降出てきておらず、一方無記名の口座使用を禁止したり未成年や外国人の口座開設を禁止するなど、韓国ではある程度常識的な範囲の規制を始めています。

一方仮想通貨のみなし営業を続けていたコインチェックから580億円相当のネムが流出して、コインチェック被害者の会が設立されて損害賠償を求めて民事訴訟を起こす動きも出てきました。そして流出したネムも匿名通貨のDASH に交換したり、ダークウェブサイトを介して交換を持ちかけたりする動きも出てきました。

ネムが流出した原因はネムをインターネットに繋がった状態でネムを管理していたことによるセキュリティの甘さによるものであるといえますが、ネムを匿名通貨のDASHに交換したりダークウェブサイトを活用する手法は、今後ブロックチェーンで管理されている仮想通貨の追跡を逃れて最終的に現金化する手法として模倣される危険性があるだけに、今回のコインチェックからのネム流出事件に対して再発を防ぐ対策が必要になってきます。

仮想通貨のルール作りがスタートなるか

仮想通貨の規制を左右する今年行われる国際会議の行方このような中でドイツやフランスは仮想通貨を規制することをG20の議題に上げるように提案していますし、ダボス会議においても議題に上がる可能性が出てきています。

1月23日~26日までスイスにあるダボスにて各国の財務相や国際的な政治指導者などが集ってダボス会議が開催されましたが、アメリカのムニューチン財務長官やIMFのラガルド専務理事などが参加して仮想通貨やブロックチェーンなどに関する会合を行う25日に行いました。

アメリカのムニューチン財務長官はテロ集団などの悪意ある集団の資金源になる危険性とビットコインなどの投機的な取引に対する危険性を認識していますし、IMFのラガルド専務理事は仮想通貨に好意的なだけに、ダボス会議では仮想通貨の取引を禁止するなどの極端な規制ではなくマネーロンダリングの防止や激しい値動きに対する規制などを念頭にした話しがなされる可能性が期待されましたが、値動きの激しい仮想通貨は流通貨幣としての性質を持っていないという発言が出てきており、ビットコインの価格はこれを受けてなのか値下がりをした局面もありました。

一方ドイツやフランスが仮想通貨の規制を議題に上げるように提案しているG20財務相会議は3月19日ご20日の2日間アルゼンチンのブエノスアイレスにて行われます。ドイツやフランスは仮想通貨の規制は各国で行うのではなくて国際的に連携をして規制を行うことが重要であるという見解を持っているため、このG20では国際的に協調して仮想通貨に対するルール作りを模索していく可能性があります。

その他の注目すべき国際会議

その他の注目すべき国際会議としてはG7首脳会議やG 20デジタル経済担当相会合そして国連総会などがあります。

まずG 20財務相会合が7月21日と22日の2日間でもブエノスアイレスで行われますが、ここでも同じ仮想通貨の規制に関する話しが出てくる可能性がありますし、1月に行われたダボス会議や3月に行われたG20財務相会合を受けて6月8日と9日にカナダで行われるG7首脳会議でも議題に上ってくる可能性はあります。

特に韓国の取引所のサイバー攻撃やコインチェックのネム流出事件に北朝鮮が関係しているという話があり、この話しの信憑性が高まればG7首脳会議で北朝鮮やテロ集団への対策を検討されるかもしれませんし、同じ意味で9月18日~30日まで行われる国連総会の議題に上がってくる可能性もあります。

そして仮想通貨の取引に直接影響が出るかは不明ですが、仮想通貨の規制がどのように行われていくかによって8月23日と24日にアルゼンチンで行われるデジタル経済担当相会合の行方も左右される可能性があります。

このように今年は1年を通して仮想通貨の規制に関して左右される年になりそうですが、仮想通貨の取引を禁止するといった極端な流れになるのか、行き過ぎた取引を規制して取引の正常化を図るのか、それぞれの国際的な会合の行方が注目されます。