過去にビットコインはそのネットワーク速度の遅さからソフトフォークでは対応できず、やむを得ずハードフォークを行う事を決意しました。その後もネットワーク遅延からハードフォークを繰り返してきたことで感覚が麻痺してきたのでしょうか。ハードフォークを行う事で新しい仮想通貨を手に入れて儲けようというビジネススタンスが確立されてきました。 現在では、ビットコインキャッシュ、ビットコインゴールド、ビットコインダイヤモンド、スーパービットコイン、ビットコインゴッドの5回のハードフォークが行われており、今回さらに一つのハードフォークと新しいビットコインが追加されようとしています。
今年1年でネットワーク緩和などの理由により8回のハードフォークが行われており、中でもビットコインキャッシュ、ビットコインゴールド、ビットコインダイヤモンドはそれなりに価格も付き、数十万円の莫大な価値を生んでいます。そのような仮想通貨の運用はまさにハードフォークバブルと言えます。
Segwit2xチームよりコメント
【原文】
復活
Bitcoinネットワーク内のコミッションとトランザクション速度は、驚異的な値に達しました。それを支払い手段として使用することはほとんど不可能です。
私たちのチームは、11月中旬に予定されているBitcoinハードフォークを実行します。同時に、先物取引は長期にわたって一部の取引所で行われています。HitBTCはその中にあります。
私は、BTCのすべての所有者がB2Xだけでなく、1対1の比率で受け取ることを約束します。また、中曽公哲氏のBitcoinsも比例して進歩へのコミットメントとして報いることを約束します。
Jaap Terlouw、プロジェクト創設者
今回のSegwit2xは11月のプロジェクトの開発者Jeffは関係しておらずチームリーダーも異なるため、以前のSegwit2xと同じ名前をした全く別の仮想通貨が新しく誕生します。新生Segwit2xの文面からは、今回のハードフォークにおける強い意気込みが感じられるので、今度のハードフォークは成功して欲しいですね。公式ページの作り込みも透明性が高く、投資家たちの好奇心をそそる作りになっており、非常に好感が持てる内容です。19日にハードフォークの予定が発表された後、先物取引では既に200ドルから1000ドルまで急伸しており、投資家たちの期待は大きいことが伺えます。
メンバーシップ
Robert Szabo,Donna Khyuz, Jaap Terlouwの3名で運営されるのかと思いきや、いつの間にかArtur Bujnicki, Bartosz Kozlowskiの2名が参加していました。現状は5名でSegwit2xの運営を行っています。これからSegwit2xの価値が上がれば、膨大なネットワークを処理するためにメンバーが増えていくことでしょう。
今回のハードフォークで変更された点
11月のハードフォークで問題視されていたリプレイアタックをあえて実装しないという点を改善しており、オリジナルビットコインと共存する意向でリプレイアタックを実装した状態で公開されます。そのためスマートコントラクト、ライトニングネットワークの採用、データのブロックサイズが2MBから4MBに変更されるなど他の変更も積極的に導入改善しており、11月時のSegwit2xと比較してシステムが大きく変わっています。
また、マイニングも発掘しやすいようにx11、ブロック抽出速度2.5分というシステムも新たにできました。恐らく、11月時にこの内容で公開していればコインチェックなどの取引所もSegwit2xの取り扱いを行っていたでしょう。しかし今回のSegwit2xチームの対応は遅かった為に世間の信頼を多く失ってしまい、取り扱い可能な取引所は5社に留まっています。
派生型ビットコインの有望株になれるか
現段階では、各ハードフォークの中で有望視されているのがビットコインキャッシュとビットコインゴールドです。その他の派生型ビットコインはマイニングなど専門性に特化してはいるものの実用性は薄く、いずれは世間の興味が離れていくかもしれません。その中でSegwit2xの性能や効果からすると、ビットコインのネットワーク緩和を主体としていて流動性は高いものの自身の魅力は乏しい為、第二のビットコインと呼び名の高いビットコインキャッシュを上回る可能性は低そうです。
12月28日にSegwit2xハードフォークを予定
11月に実施を予定されていたSegwit2xハードフォークがついに、12月28日と再決定しました。以前のハードフォーク予定日には「時期尚早であり、まだ分裂の時ではない」と
グループの代表マイク・ベルシェ氏によりハードフォーク延期が決定されていましたが、ついに対応できる準備が整った様子です。Segwit2x公式ページを見る限りでは12月19日にプロジェクト打ち上げ、12月28日にハードフォーク実施となっています。しかし、12月28日午前中現在ではまだハードフォークは行われておらず、何も進展はありません。この急な展開に各取引所はどのように立ち回るのでしょうか。
各取引所の対応
・コインチェック
11月のハードフォーク時は、各取引所は静観するスタンスを取っていましたが、今回のハードフォークではコインチェックが受け入れを拒否しています。その理由は11月のSegwit2xハードフォークが延期になった事で先行き不安定によるところにあります。
・Bitflyer
延期される前と同様に付与を行う予定です。Segwit2xの方針に協賛している為、是非協力したいという姿勢です。Segwit2xが採用されると、メインのビットコイン回線をSegwit2xに切り替える構想もあるようです。開発者が代わる前よりSegwit2xに非常に協力的な取引所です。
・Zaif
延期される前はスクリーンショット保管を行い、Segwit2xの安定が確認できて配布予定でした。28日のハードフォークは予定を変更し、すぐに付与を行う予定となっていますが、Zaifは分岐される可能性はほとんどないとの見立てでいます。
12月28日のSegwit2xチームの状況
さて、12月28日のハードフォーク時間を迎え、筆者のZaif口座にどのように付与されるのかを楽しみにしていましたが、9時30分よりSegwit2x公式サーバーが一時ダウンしていました。10時には復旧されていますが、公式ページがダウンしてしまうと不安が募ってきます。ハードフォークの実施も時間がかかっているようで、今後はさらなる延期となるのでしょうか。あるいは取引所がコインチェックのように取り扱いを拒否する事になるのでしょうか。どちらにせよ、Segwit2xには課題が多く先行き不安だということです。
今後予定されているハードフォーク
ビットコインのハードフォークは今回に留まらず、今後も複数のハードフォークが予定されています。もはや、ネットワーク緩和の理由では言い訳にならないほどにハードフォークが乱発されています。ハードフォークの事前にビットコインを持っていれば無償で所持ビットコインに比例した派生型ビットコインが付与され数万円の利益を楽に得る事ができるので、誰もがハードフォーク投資をやりたがるのでしょう。
現在のハードフォークバブルは年明けまで続きますが、現時点では価格に大きな影響を与えるような一大イベントという程の盛り上がりはありません。ハードフォークの利益目当てにビットコインに投資をすると、かえってハードフォークで生まれた仮想通貨に資金を奪われて赤字になる恐れもあるので賢明な策とは言えません。あくまでもハードフォークは一つの仮想通貨が抱えきれなくなったネットワークを分散させるための最後の手段なのです。今後はビットコインの価格変動がさらに激しくなっていくでしょう。