2018年の仮想通貨相場にいきなり陰りが見えています。1月16日の午後、突如として有名銘柄全ての相場が20%以上も下落しました。全仮想通貨の中で最有力視されており、安全性も高いと評判のエイダコインでさえも23%程度価格を落としており、悲惨としか言いようのない状況です。この状況にプロブロガーで有名なイケダハヤト氏は、「24時間で資産が3,600万減ったので仮想通貨引退します」とコメントしており、自身で持つ仮想通貨を取引所からほぼ全て退避させた様子です。

世の評論家やAIによると、仮想通貨はまだ始まったばかりであり今後はさらに進展するとの意見を出していますが、大暴落に直面すると心理的に不安が募り、ホールドに徹している人でも売りたくなってしまいますね。

BTCの大暴落

その中でも相場の動きが顕著だったのは、ビットコインでした。チャートを見ると、まさに垂直とも言える下降です。1月15日に行われた韓国による仮想通貨の規制強化によって170万円台を低迷していたのですが、そこから130万円まで下がるには5分もかからない早さでした。下落の途中には大口の介入があったので一瞬だけ元の170万円に近い相場まで戻りましたが、売りの勢いが強すぎるあまりすぐに140万円程度まで戻されてしまい、17日には100万円を切りそうな勢いです。

一時期は200万円以上もの価格をつけて天井知らずの異名を取っていただけに、この1週間ほどで100万円ほどの下落を見るとテクニカル相場で考える心理も消えてしまいそうです。それゆえに過去にも同様の暴落があった事を知らない投資家は、「今度こそビットコインの終焉」と焦ってビットコインを手放しており、まだ仮想通貨に期待を寄せる投資家は有望なアルトコインに資金を退避させている模様です。

確かに今回の暴落の様子を見ると、一つの仮想通貨に集中して投資するよりは、単価が少額のアルトコインの中でも有名柄複数に分散投資をした方が相場が下がった時のリスクが少ないうえに価格上昇した際の利益配当が多いので、ビットコインを手放すメリットは多いのです。そのようにしてビットコインの差損を減らそうと多くの投資家が一斉に売り出すので、Zaifではビットコインの買い付けができない時間帯があるほどの異常相場でした。またCoin Checkは相場がスムーズに動きすぎたせいか、他の取引所に比べてビットコインの価格は1万円ほど多く下落しています。

502エラーでZaifが接続不可に

このように一瞬でビットコインの相場が急落したのは今回が初めてではありません。過去にもネガティブニュースによりビットコインは何度も急落しており、その都度Zaifはアクセスに耐え切れずサーバーダウンし、市場に混乱を起こしました。それにも関わらず未だZaifのサーバー管理は改善されていない様子で、16日の午後4時頃から今回の売買急増に耐え切れずに出金制限が発生した後に502エラーが発生してサーバーへのアクセスができなくなりました。

サーバーが停止する直前にはチャートを表示させるボットの表示が狂うなど数多くのトラブルを見せており、仮想通貨取引所としての不信感は募るばかりです。このようなリスクの高い管理体制が災いしているため、Zaifを運営しているテックビューロが推奨しているCOMSAにおいても発想は素晴らしいものの、取引所に対する不信感がそのままCOMSAへ反映されているので、なかなか相場が上がる気配が見えません。今後テックビューロの運営方針が変わらない限り、現状ではZaifをメインの取引所とするのは得策ではないでしょう。

仮想通貨を買うチャンスか

中国政府の取引規制に反応か現在の仮想通貨市場に対し、多くの日本の投資家は相場が回復しないのではないかという危機感を感じています。過去のチャートを参考すると、一度相場が下がってもすぐに上昇するという期待値から1週間もすれば元通りの相場に回復しています。しかし今回は、外国による仮想通貨取引の強い規制がかかったことから相場が回復しないのではないかという不安を誘っているので、その市場心理から相場の回復をストップしているようにも見えます。

この状況に対して視点を変えると、現在はどの仮想通貨も非常に購入しやすい時期であり、低価格で購入できる期限も長いかもしれません。ですからうまく行けば、リップルやネムなどの低価格帯の仮想通貨を購入する事によって莫大な利益を生む可能性を手に入れる事ができるのです。得にネムは下落の傾向が強く、1月17日には90円台まで価値を下げているので購入するならチャンスでしょう。ましてやネムは、今後の価格上昇を非常に期待されている仮想通貨なだけに、他の仮想通貨に比べて高い相場回復力があります。

そのように既に手持ちのビットコインを売った投資家たちもアルトコインに逃げる様子を見せていますが、現状下がり続ける相場に終わりが見えずに様子を見ています。仮想通貨の時代が終わったと受け取るか、仮想通貨で儲ける事ができるチャンスと捉えるかによって見え方が大きく変わりますね。

中国をはじめとする世界各国の仮想通貨取り締まり

今回の市場下落を招いたトリガーは、中国政府による仮想通貨の強い規制によるものだという意見が多くあります。そして中国に倣うように世界各国は仮想通貨の取り締まりに積極的な姿勢を見せています。イーサリアムの国内使用に積極的だったロシアでさえ、仮想通貨に関する規制ガイドラインを発行し、多くの取引所を閉鎖しただけでなくマイニングも規制対象となりました。さらに追い打ちをかけるようにロシア独自の仮想通貨の発行を予定し、発行枚数を制御するなど自国通貨に支障を招かない対策を徹底しているため、当初推進していたイーサリアムの国内使用は極めて低いでしょう。

さらに韓国やインドネシアは仮想通貨の取引自体を禁止する準備を進めているので、今後さらなる大恐慌を招くかもしれません。仮想通貨は性質上、独自通貨を扱う国からは認められにくい部分がある為、自国の通貨を守るために今後は日本でも同じように何らかの規制がかかる可能性もあります。そうなると仮想通貨の存在意義自体が大きく変わってしまい、今後のICOにも響いてくるでしょう。

各国の仮想通貨取り締まりに対する日本の反応

では、他国が取り締まりを推進するに当たって日本は追従するのかと言えば、現状ではそうなりません。1月12日の閣議後会見において麻生太郎財務相は、「何もかも規制すれば良いものではない」「(仮想通貨の)市場が今後どのように大きく化けていくのか、(既存の)通貨に変わる勢力となるのか見えてきていない」と仮想通貨に対して理解ある発言を行っており、「利用者保護とイノベーションのバランスをどうやっていくか、注意しながらやっていかなければいけない」という国内における仮想通貨の流通を推進するともとれる発言を行っています。

既に日本国内において三菱東京UFJ銀行がリップルのシステムを採用しているなど、バックスペースに関する事では既に仮想通貨が活躍しているので、日本が仮想通貨を否定する可能性は極めて低いと言えます。さらに麻生財務相は韓国に対して規制緩和を求める声明も出しているため、日本国内では自由度の高い仮想通貨取引が予想されます。そうなると、日本が仮想通貨先進国となり他国を引っ張って相場を持ち上げるかもしれませんね。その時にビットコインはいくらになっているのでしょうか。