ビットコインの取引停止を発表
2017年7月19日に、日本仮想通貨事業者協会に所属する日本国内でビットコインの取引を行なっている13の取引所が、8月1日からブロックチェーンの分裂問題が収束するまでの間、ビットコインの取引を停止すると発表しました。このような取引所でのビットコインの取引を停止するまでの騒動は、急に沸き起こったようにもみえるブロックチェーンの分裂問題が原因になりますが、ビットコインの取り扱いが増えるに従い、多量の取引データを処理する時間がかかるようになり、いつかは分裂させることで処理速度を速くする必要がありました。
ただビットコインの分裂を回避する動きも一方であり、7月24日にはブロックチェーンのソフトウェアを改良することでビットコインの分裂を回避することをソフトウェアの開発業者とマイナーが同意しました。
ビットコインキャッシュの特徴とは?
しかし中国に拠点を置くマイナーが中心となってブロックチェーンの改良による回避に反対が起き、しかも11月には再び分裂危機が想定されていたために、2017年8月1日にビットコインが分裂してビットコインキャッシュが誕生して、分裂による取引記録の消失などの問題が発生していないことを確認すると、ビットコインの取引を停止していた13の取引所もビットコインの取引を開始して、同時にビットコインキャッシュの取引も行なうようになりました。
このようにして新たな仮想通貨として誕生したビットコインキャッシュは、ビットコインとは違う特徴を持っていて、特徴のひとつはビットコインのブロックサイズが1Mであったのに対して、ビットコインキャッシュのブロックサイズは8Mと大きくなり、ハードウェアウォレットなどのセキュリティが向上しました。その結果取引時の処理速度を上げて、よりセキュリティが高い安全な取引が行なえるようになるという考えのもとに、ビットコインキャッシュが誕生したのです。
ビットコイン分裂後の各取引所の対応に注目
しかし一旦回避後の分裂や本来の分裂の方法ではなく単にビットコインをコピーする形で分裂したために混乱が生じてしまい、しかもビットコインのマイニングを行なうことで得られる報酬よりも、ビットコインキャッシュをマイニングすることで得られる報酬が少ないということもあって、ビットコインキャッシュのマイニングに参加するマイナーの数が少なく、その結果分裂後のビットコインキャッシュの取引速度は速くなりませんでした。しかも取引を停止した取引所がある一方bitFlyerなどの取引所はビットコインキャッシュの取り引きが出来ていましたが、送金を行なうことが出来ないでいたために価格が急騰していきましたが、一部の取引所では送金が出来るようになってから急落していき、4日には2日の始値から33%下落していました。
今後は取引を停止していた取引所も取引を開始していき、送金なども行なえるようになると更に売られていくことが考えられ、その結果更に下落していく可能性もありますが、今後下落が止まって上昇するようになるには、マイニングの報酬やビットコインキャッシュによる取り引きが増えることが重要になるため、各取引所がどのように対応していくのかが注目されます。