日立製作所が指静脈認証をブロックチェーンに登録した技術を開発
仮想通貨のビットコインの安全性を保証しているシステムにブロックチェーンの技術がありますが、そのブロックチェーンに本人を認証するために生体認証を登録する動きが出てきています。その生体認証には指静脈認証や指紋認証そして虹彩や顔など様々ありますが、指静脈認証は指静脈のパターンを取得してデータ化して登録し、比較対象者の指静脈パターンとその登録したパターンとを比較することで本人確認を行なうのですが、例え双子であっても同じパターンは存在しないため誤認識することはなく、登録した指静脈のパターンを盗み取ることも不可能に近いため、盗難のリスクが他の認証に比べて低くなっています。それでいて一度データをとって認証に使用すれば、長い年月使用することが出来ることも指静脈認証の特徴になっています。
このような優れた特徴から2017年10月5日に日立製作所は指静脈を生体認証として採用し、この指静脈などの生体情報を基にして電子署名を作成して取引などの情報が載っているブロックチェーンに登録することが出来るPBI-ブロックチェーン連携技術を開発し、2018年度中に実用化することを目指していると発表しました。そして日立製作所が開発したこのPBI-ブロックチェーン連携技術の特徴は、電子署名をブロックチェーン内に登録することで盗難や紛失のリスクを軽減することが出来、自動で取引を短期的に繰り返し行なう時などにその時だけの電子署名を作成して取引が完了したときにその電子署名を削除することで、外部への漏洩リスクを減らすことが可能となります。
Q&AサービスのOKWAVEがログイン認証でブロックチェーンを採用する狙いと今後
オウケイウェイヴはみずほ銀行や損保ジャパン日本興亜そしてアステラス製薬やタワーレコードなどの企業が採用しているQ&AサービスのOKWAVEをWeb上で提供していますが、2016年1月にmijinというブロックチェーンの技術を保有しているテックビューロと業務提携を行なうことを発表しました。そして、mijinを使用することによって知的販売決済やユーザー認証そしてサポートキューシステムの実証実験や共同開発を行ない、2016年9月にOKWAVE YEBISUを開発したことを発表しました。
このOKWAVE YEBISUの特徴は、ログインを行なうときに入力されたログインIDやパスワードなどを基にして公開キーと秘密キーを作成し、オウケイウェイヴが独自に保有している秘密キーとを合わせてmijinによるブロックチェーンに登録することによってログイン認証がなされ、このことにより不正なログインを防ぐことでデータの漏洩を防ぐことが可能となります。
しかもアクセスが集中して一度に複数のログインが発生して少々ログインに遅延が発生することがあっても、システムがダウンすることはほとんどありません。
一方ログイン情報を取引情報が載っているブロックチェーンに登録されていることによって、決済を安全に行なうことが可能となりますし、スマホでログインするときは生体認証でログイン認証を行なうことも検討されています。今後はQ&AサービスのOKWAVEにOKWAVE YEBISUを順次実装していくことによって、知的財産の管理や販売などを行なっていく方向性にあります。
アクセンチュアが目指すID2020による全人類の身分証明
世界では社会的は不安定さや貧困などによって、個人を証明する公的な書類等が発行出来ない人達が多く存在しています。その結果世界の人口の6分の1程の人達が教育や医療そして選挙などに参加することが出来ていないのが現状となっています。そこで高い安全性と高い信頼性を期待することが出来る生体認証と個人の出生や経歴などの記録をブロックチェーンに登録することで、個人の証明が出来ていない人達の証明を行なおうというID2020プロジェクトが発表されました。
具体的には75ヶ国で暮らしている700万人程の難民に対して、マイクロソフトとアクセンチュアが共同してブロックチェーンの技術を利用して生体認証を付加した身分証明書を2020年までに発行し、2030年までに全世界の人達がブロックチェーンによる身分証明書を所持することが出来ることを目標にしています。このID 2020による身分証明書の特徴としては個人の出生証明や経歴などをブロックチェーンに登録することによって出生や経歴を証明する書類などを所有していない人を証明することが出来るので、公的な書類の取得や選挙への参加や就職活動にも活用することが可能となります。身分証明書を持ち歩いたり家屋に保管していたりすると盗難や紛失の恐れがありますが、ID 2020による証明がなされると安全性の高い生体認証によって盗難や紛失の恐れはありませんし、第三者が閲覧出来る項目は限られているため本人の居住地や現在の居場所などを特定されることもありません。