2018年、仮想通貨について多くのニュースが流れています。その内容は仕組みについてではなく、多くがコインチェック関係といった仕組みとは関係ない情報がほとんどです。そのため、一般の方々にとっては、仮想通貨の仕組みについてよく知らないままになってしまっているのが現状です。仮想通貨の仕組み、仮想通貨と現在の通貨との違い、通貨の仕組みについて初歩的な疑問について解説します。
仮想通貨の仕組みとして物品やサービスの決済が可能
仮想通貨とは、インターネットを介して不特定多数と物品・サービスの対価として使用できる仕組みがあり、2018年時点では約600種類あると言われています。紙幣・貨幣と仕組みが違い、現物として存在しませんが、各取引所等を介して円などへ交換することが可能な仕組みです。最近では一部の企業も仮想通貨での決済を導入しており、買い物などで決済方法にビットコインなどによる支払いも増えつつある仕組みがあります。
通貨の仕組みには大きく分けて3種類あり、通貨(円、ドル、ユーロ、ポンドなど)、代替通貨(電子マネーなど)、仮想通貨(ビットコインなど)があります。そして、3種類の1つの仕組みとして代替通貨と仮想通貨があり、大きな枠の仕組みの中に仮想通貨が存在することになります。仮想通貨の仕組みの元を辿りますと、2008年にサトシナカモトという人物がインターネット上でブロックチェーン技術に関する仕組みの論文を発表しました。これがビットコインの仕組みの始まりです。
因みに、サトシナカモトという人物は公の場に出たこともなく、この論文をインターネット上に流した後すぐに消えてしまったので現在もその正体や行方は分かっていません。そして、この論文が発表されたことで、世界中のハッカーやエンジニアの方々が技術などの仕組みを理解し、仮想通貨の仕組みとシステムを完成させました。
仮想通貨の仕組みにはいくつかのメリットも存在します。
・国家に依存しない仕組み
・送金コストを抑えられる仕組み
・株式やFXと同様に投資が出来る仕組み
株はその国の企業価値、FXは各国の通貨の価値といった価値の変動を売買している仕組みがあります。そして、どちらもその国で起きた事象(災害・経済状況の悪化・有事)によって大きな影響を受ける仕組みです。その影響はいわゆるリスクになる仕組みでした。しかし、仮想通貨には国家に起きた様々な事象は関係がない仕組みとなります。すべては相互に管理し合うブロックチェーン技術の仕組みによって支えられているので、通貨価値にそれらは影響されない仕組みとなっています。最近では、政情不安になっている国でビットコインなどを好んで使用する事例が増えてきています。
送金コストがない、抑えられるという仕組みが大きなメリットです。円からドルに送金するだけでもいくつかの仲介業者を挟むことになるので、大幅なコストがかかる仕組みです。しかし、円からビットコイン、ビットコインからドルといった流れで送金を行うと仲介業者によるコスト削減が可能になる仕組みです。
3つ目のメリットである、稼ぐことが出来るという点ですが、短期間に10倍以上の価格上昇が起きているので、売買せずとも所有のみで価値が上昇しているのが、2018年現在の市場の状態です。いわゆるバブル状態ともいえます。しかし、このメリットに関してはバブル状態である現在の市場はいずれ崩壊するものというのが、法則でもあるので今後はしっかりと戦略を立てたうえでの売買が必要になってきます。
仮想通貨の画期的な仕組みであるブロックチェーン技術
仮想通貨が2018年現在も大きな注目を浴びることになったのか、要因の1つといわれている仕組みが、ブロックチェーン技術です。前述にも記載しているサトシナカモト氏が発表した論文の中に記述されている技術です。ブロックチェーン技術とは日本語で「分散型台帳技術」と呼びます。通貨とは不特定多数が物品やサービスを売買するために必要な売買手段で、それを管理しているのは国家であり、中央銀行が管理する仕組みです。しかし、ブロックチェーン技術では、取引記録は仮想通貨を取り扱う全ての人がそれぞれ分散して、互いに管理し合う仕組みがあります。
取引記録を全てのユーザーが互いに管理し合うという技術により、従来の通貨と大幅に異なる仕組みです。それが中央銀行の不在です。円やドルといった紙幣・貨幣は中央銀行が発行しています。そして、現代においては中央銀行の紙幣・貨幣管理も中央サーバーにより24時間管理されている仕組みです。サーバー管理には莫大なコストとメンテナンスが必要でした。しかし、ブロックチェーン技術の仕組みを利用した仮想通貨には、中央サーバーが不要な仕組みですので、管理費用も発生せずメンテナンスも必要ありません。更に複数人で運用していることと同義でもあるので、仮にハッキング等による障害が発生した場合でも、その復旧の時間は従来の管理方法よりもかかりません。(正式にはP2Pによる管理)
アルトコインという仮想通貨の新たな仕組み
ビットコインが仮想通貨の元祖と呼ぶことが出来ます。そして、ビットコインの技術が公開されたことにより、エンジニアの方々は新たな仕組みのコインを開発し始めます。そして、新たな仕組みのコインが次々発行されていき、2018年現在では約600種類以上の通貨が発行されるようになりました。ビットコインが元祖となり、それ以外の仕組みで発行されたコインをアルトコインと呼びます。日本語では「その他の通貨」と読みます。ビットコインの流通量が常にトップであることが多いですが、アルトコインの一部も最近流通量が急激に増加しており、
・イーサリアム
・ビットコインキャッシュ
・ライトコイン
・リップル
・アイオタ
・ダッシュ
・ネム
といったアルトコインが流通量が多いコインです。
仮想通貨は取引所を介して取引する仕組み
近年様々な新興企業が仮想通貨取引所を開設しています。企業の取引所から通貨取引という情報だけを見ると、お互いが管理し合うという概念にも関わらず取引所での管理になっているという仕組みのイメージになるでしょう。実際には、現在でも直接様々なユーザーと売買を行うことが出来る仕組みですので、仮想通貨の仕組みそのものは変わっていません。正確にはOTC(Over the counter)取引と呼ばれる仲介者のいない直接取引を行う仕組みの方法が存在します。しかし、OTC取引自体の難易度が高いという理由もあり、多くの人は取引所を介した売買を行っています。取引所を選ぶ際のポイントとして
・手数料の安さ
・ツールの使いやすさ
・ツールの機能性や安定性
・チャート分析のしやすさ
・スマホ対応
・提携銀行
といった項目に関して注目し、取引所を選定することが大切です。特にコインチェックでも問題になったホットウォレットなど、セキュリティ体制が整っているかという点も重要です。
・ホットウォレット(ネットワークに常時接続された状態にある仮想通貨、不正アクセスにより流出リスクがある)
・コールドウォレット(ネットワークから隔離された状態にある仮想通貨環境のこと)
仮想通貨取引はFXと同じ取引の仕組み
仮想通貨は売買で利益を得ることも可能な仕組みです。最近よく耳にするのが短期間で価値が10倍以上になったといったことです。仮想通貨取引の基本は一般的な金融商品と同様、基本は安く買って、高く売る仕組みになります。そしてFXと同様にスプレッドがあり、買値と売値の差額が存在します。基本的には、コインの流通量が多いものほどスプレッドは少なく、流通量の少ないコインはスプレッドの開きが大きくなる仕組みです。
投資が未経験であったり、仮想通貨初心者の方は、なるべく流通量の多いビットコインといったメジャーコインを保有するのがリスクを減らす1つの方法です。そして、このスプレッドは取引所によっても異なるので、なるべくスプレッドコストを抑えられるかがポイントになります。