Quantumは世界的にまだ取り扱いの少ない仮想通貨です。しかし、将来性に期待できる部分もあるため、早いうちにチェックしておくのがおすすめです。仮想通貨業界では常に新しい技術が登場しています。Qtantumと呼ばれるプラットフォームで使われる仮想通貨は、その技術が評価されてICO前に100万円以上もの資金を集めています。ビットコインに採用されているUTXOというコインの管理方法では、ブロックチェーン上から取引に必要なビットコインの履歴情報を参照して送受信をするので少ないデータ量でも取引を行うこともできます。
Quantumは、シンガポールQtum財団のオープンソースブロックチェーンプロジェクト内で開発されたICO通貨で、2016年12月に公開されました。Quantumの通貨単位はQTUMが使われており、ビットコインやイーサリアムの2つの仮想通貨の長所を盛り込んでいます。ビットコインのブロックチェーンは安定性があり、オープンソースもされています。オープンソースとは、仮に作成したソースを、使いたい人は誰でも使えるという考え方で、ビットコインのブロックチェーンは誰でも自由にそして簡単に利用することができます。イーサリアムのスマートコントラクトもビットコインのブロックチェーンと並んで評価されている仕組みです。
しかし、イーサリアムのスマートコントラクトを動かすには、イーサリアムのブロックチェーン全体をダウンロードしておかなければならいという課題があります。また、イーサリアムのブロックチェーンは容量的にとても重たいものでした。Quantumのプロジェクトでは、ビットコインのブロックチェーンのシステム上に仮想マシンを作り、そこでイーサリアムのスマートコントラクトを動かす仕組みの開発に成功し、スマートコントラクトを扱いながら、速くて安全という良いという仮想通貨が誕生しています。また、スマートフォンやタブレット端末上でもスマートコントラクトを動かすことを可能にしました。したがって、Quantumは安定性を維持しつつ、スマートコントラクトによって、安全な取引を実現しています。
コンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムとは、取引承認に使う仕組みのことです。仮想通貨では、取引承認の工程をマイニングするマイナーに頼っていて、取引承認の権利は抽選制で、抽選を通って取引承認の権利を得て、協力してくれたマイナーにはその通貨が報酬として贈られる形をとっています。よって、マイニングはひとつのマーケットとなっています。Proof of Stakeは通貨の保有量にもとづいて抽選を行うアルゴリズムです。
一方で、取引承認の仕組みにProof of Workというものもあります。これは仕事量に応じて抽選を行うアルゴリズムになっており、ビットコインではこちらのアルゴリズムを採用しています。このProof of Workのアルゴリズムには現状では、デメリットがあります。ビットコインでは一部のマイナーによってマイニング市場が独占されつつあることが問題になっていて、彼らは特殊なデバイスを使い、マイニング市場を独占している状況です。よって、個人では抽選に勝ちにくい状況です。したがって、マイニングはマイナーに取引承認の作業を手伝ってもらう側面もあり、一部の人に依存する形になることはあまり望ましいとはいえません。
Proof of Stakeではマイニング市場の独占問題を解決します。Proof of Stakeでは、通貨自体の保有量が抽選のベースとなっているので、特定の人間に独占されるということはありません。また、このアルゴリズムではProof of Workが持つ取引の遅さも解消しています。
Quantumの購入方法
国内の仮想通貨取引所の中で、Quantumを取り扱っているところは現在なく、購入できません。よって、Quantumを購入したい場合には、海外の仮想通貨取引所を利用する必要があります。Quantumの取り扱いがある海外の有名仮想通貨取引所はBINANCE(バイナンス)とBittrex(ビットレックス)です。BINANCE(バイナンス)は中国の仮想通貨取引所で、日本語にも対応しているため、日本人でも使いやすいです。
Bittrex(ビットレックス)は、アメリカの仮想通貨取引所で、マニアックな仮想通貨の取り扱いにおいては優れています。しかし、海外の取引所を利用する場合には円建てで購入することができないので、ビットコイン建て、あるいは対応している法定通貨で購入することになります。よって、ビットコイン建てで購入する場合には、国内の取引所でビットコインを購入して、そのビットコインを海外の取引所に開設した口座へ送金して購入する方法が最適であるといえます。
マイニング方式
Quantumのマイニング方式は、Proof of Stake(プルーフオブステーク)という方法を採用しています。ビットコインが採用しているProof of Work(プルーフオブワーク)はマイニングの仕事量に対して報酬が付与される仕組みです。しかし、電力がかかる問題がよく、取り上げられています。Proof of Stake(プルーフオブステーク)はコインの保有量によってハッシュ計算の範囲を限定し報酬を得やすくする仕組み。電力消費の問題をクリアすることができます。
Qtum(クアンタム)は初年度に1億QTUMが作成・配布され、51%(5100万枚)がICOクラウドセールを配布。クラウドセール後、20%(2000万枚)は、創業者、開発チームに配布されます。残りのうち7%前後が、初期に購入した投資家などに分配されました。開発元であるQtum財団の体制は開発、管理、マーケティング、財務などの独立した委員会が設けられていて、クアンタムの持続可能性、管理方法、資金の流れなどを互いに監視しています。ICOで調達された資金は今後4年間Qtum財団の開発、管理、マーケティング、財務および法律コンサルタントに使用されます。また、Quantumを運営している財団は危機管理などしっかり行なっています。
Quantumの今後の価格や将来性
Quantumは市場に出たコインが徐々に破壊されて価値が上昇する仕組みなので、取引量にかかわらず、価格が上がっていくと思われます。また、CEOのPatrick Dai氏によると「X86」というプロジェクトが進行中です。X86は開発者がスマートコントラクトを設計することができるツールで、開発が進んで市場に出ていくとより一層スマートコントラクトが実行しやすい環境が作られるといえます。
現在より、さらにQtumの需要が高まった場合、価格の上昇が期待できるでしょう。ネット上ではQtumが中国の取引所で上場廃止のニュースが話題になりました。中国当局は以前仮想通貨の利用を促していましたが、人民元が中国国内外へ流れたり、国民の取引の制御ができないことを懸念して仮想通貨取締法を制定し、2017年10月1日から施行や2017年9月のICO禁止する通達が出されました。これにより、中国最大規模の取引所「Yunbi」がQtumの取引を中止しました。中国では取引所でのトレードは禁止されていますが、P2Pの取引は可能で、中国以外の海外取引所では売買可能となっています。
仮想通貨Quantumはビットコインとイーサリアムの長所を融合したプラットフォーム
仮想通貨Quantumはビットコインとイーサリアムの長所を融合したプラットフォームで、スマートコントラクトをより便利にしてくれる技術です。Quantumを取引できるのは海外取引所ですが、今後、国内の取引所にも上場する可能性もあり、需要しだいでは価格の上昇も期待できるといえます。