仮想通貨という言葉がテレビでも言われるようになり、仮想通貨詐欺にあう被害件数は毎年増加しています。今では仮想通貨交換業者の登録が義務付けられましたが、規制があいまいだった頃と比べても増加傾向にあります。詐欺師にとっても仮想通貨はネタにしやすい存在です。どう行ったケースが詐欺なのか解説いたします。
多発している仮想通貨詐欺の種類
・仮想通貨やビットコインで儲けようとする高額商材
「仮想通貨やビットコインで稼いで自由な人生を掴みませんか?」「原元をほっとくだけで毎日数万円が入る」などと謳った情報商材や高額塾などです。最初は費用は何もかかりませんと謳っていても、最終的には高額塾やセミナーの勧誘があったり、その先で甘い話をチラつかせてくるパターンが多いです。
最近多いのが、先ずメールアドレスを入力するだけで情報が届きます、などとうたっています。メルアドを登録すると、次々と怪しい商材の情報が送られていきます。
・ICOをうたった詐欺コイン・詐欺プロジェクト
ブロックチェーンは画期的な技術で世界中で開発されプロジェクトがいくつも立ち上がっています。そういった開発のためにICOというものがあります。
しかし中にはICOをうたった詐欺コインあるいは偽コインを売りつける詐欺があります。またはうたっているプロジェクトそのものがお金儲けだけの企画だったりします。
・その場で偽トークンを購入させようとする
セミナーに行った先で「これから絶対売れる」「プレセールの時に絶対買ったほうがいい」「代理店だからここで購入できる」という話が出てきたら詐欺の疑いがあります。
ICOでプレセールされるトークンを購入する時は大抵が、ビットコインやイーサリアムです。しかも購入できるところはそのICOの公式ホームページです。その場所で購入と言われても、絶対にその場では購入せずに持ち帰って調べてみてください。
このICO詐欺が近年急増しています。また手口が巧妙になっており、見分けがつかない場合があります。そこで詐欺かどうかを見分けるにはいくつかポイントがあります。
ICO詐欺を見分ける方法
・セミナーで販売している
セミナーでICO案件の紹介を行うケースは珍しくありません。説明だけで勧誘ではないなら怪しくはありません。しかし説明などの後に、その場で申し込みをさせようとしてり、その場で販売してくる行為は詐欺の可能性があります。
・ICOセミナーを開催している主催者を調べる
ICOで資金調達を行い事業者は、公式サイトがありホワイトペーパーが公開されています。しかしそれが「日本だけで販売している」「日本語しかないホワイトペーパー」または情報があいまいだったり、企業をネットで検索しても悪徳や悪評、同姓同名の全く無関係な会社や人の情報が出てくる場合は詐欺の可能性が高いです。
・有名人が出てくるセミナー
芸能人や有名人が出てくるからと行ってそのICOが良い悪いは関係ありません。むしろ、有名人を出してセミナーに来た人たちに安心感を与える道具にしています。実際に過去、ビットコイン投資詐欺のイベントに芸能人が登場したりしています。
・日本円で購入できるICO
上記でも触れましたが、ICO案件は基本的に公式ホームページからビットコインやイーサリアムで購入するのが一般的です。日本円のしかも銀行振込だった場合はさらに怪しんだ方がいいでしょう。
過去のあった仮想通貨詐欺
過去にあった仮想通貨詐欺をいくつかご紹介します。ネット上にはお金目的のICOまがいな行為が増加しています。事例を知ることで、これから仮想通貨詐欺に遭わないようにしましょう。
●クローバーコイン
2017年8月頭に、消費者庁と国税庁がクローバーコインのMLMの不当勧誘で全額返金を告知しました。その原因にもなった詐欺セミナーは千人規模の会場でも行われました。
48ホールディングル代表の中田義弘氏は、ビットコイン、イーサリアム、リップルを日本に初めて持ち込んだ人物だと説明したそうです。ネット上の通貨を日本に持ち込むなんてことはありません。
またクローバーコインは専用のアプリで使用するとのこと。しかもクローバーコインを購入すると、リップルを得ることができ「現在リップルは、48ホールディングスを通してしか買うことができない」と発言しています。
その後、1口35740円のクローバーコイン登録料と、配られた用紙に記入する説明。また紹介した相手が購入した場合、購入額の60%のクローバーコインをもらえるという、ねずみ講の説明がありました。さらに48ホールディングスの会員になり救われたと女性が演説する場面もあり、完全に不当な勧誘です。
●詐欺ICO「コンフィド」
中国出身のチームによって運営されている仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)は、詐欺が判明した「コンフィド」のICOに投資したユーザーに対し、損金に対して補償を行うと発表しました。コンフィドはICOで34万7,000ドルを調達した直後プロジェクトを中止し、詐欺だと言われています。
本来、詐欺ではなかったICOが。プロジェクトが破綻になり、結局、詐欺になってしまうパターンも多くあります。ちなみにクーコインは中国イーコマース最大手のアリババ傘下「Alipay(アリペイ)」と世界最大のマネー・マーケット・ファンドの「余額宝(ユエバオ)」を運営するアント・ファイナンシャル出身の中国人CEOによって運営されています。
クーコインの声明によると、「クーコインは最大限の努力を行いコンフィドとの対話を試みたができなかった。そこでユーザーの権益を守り損失を最小限にするため、クーコインでは緊急対策をこうじました。コンフィドに投資した全てのユーザーのために、1CFD(コンフィドトークンの単位)に対し0.0000038BTCで買い取り、直接ユーザーの口座に払い込む」としています。
ICOで注意しなければならないこと
「ICONEWS」http://ico-news.jpの編集長、鈴木氏によればICOで注意しなければならないポイントとして以下の3点を挙げています。
1.ほとんどのICO実施企業がシード期のベンチャー企業であること
2.ICOの規約に寄付と読み取れる文章が記載されていることがある
3.Slackなどの情報が必ずしも公平なものではない
気をつけなければいけないのはICOに参加したからといって、その後確実にトークンがもらえるとは言い切れないことです。トークンを受け取る側に法的な請求権はありません。基本的にICOを募集し資金を集め、そこから開発されたサービスがトークンとしてプレオープンされます。したがってプロジェクトが破綻した場合、その後の対処がどうなっているのかが曖昧です。
中にはICOをする前に開発されすでに実証実験までされてからICOが行われ、終了後、4日後や最短で翌日に市場にリリースするトークンもあります。こちらについては世界中からかなり注目されているICOです。
・Selfkey(5分で完売→4日後にKucoinで上場)
・Medicalchain(既にイギリスでサービス開始、2/1ICO、2/2上場予定)
ICOを選ぶ時のポイント
ICOされたプロジェクトの中には社会に役立つサービスがあります、そういったICOに参加することがもっとも大切です。鈴木氏がICOの情報を集めるにあたって以下の3点を挙げています。
1.ICOのリストをまとめたサイトを見る
2.関心のあるICOのSlack、Telegramを見る
3.Bitcointalkなども覗き意見を確認する
またICOを選ぶ際のポイントとして以下があります。
・社会の中で活用できる、役立つ案件やプロジェクトかどうか
・時価総額が大きすぎないもの
・価値のバランスが取れているもの
「購入する前に先ずは自分で調べる」
ICOはたくさんの種類があります。ICOのリストをまとめたサイトにも多くのプロジェクトがあります。検討する時はリストサイトだけをみるのではなく、ICOの公式ホームページに詳しい内容や期限などが載っています。基本的に英語ですが、日本語訳されたサイトもあります。ICOについてのセミナーを行っているところで学ぶこともありですが、購入する際はしっかり調べてから購入しましょう。