仮想通貨のテクニカル分析において最初に覚えるべき項目、覚えやすい項目として、移動平均線があります。仮想通貨取引初心者でも、その日から使うことができるお手軽なツールのひとつでもあり、指標の計算も簡単でかつ視覚的にもわかりやすいトレンド系ツールといえます。
単純移動平均線を使って仮想通貨取引を行うことに慣れてきたら、次のステップに入るための知識を得る必要があります。しかし、仮想通貨取引において、次のステップに進むために必要な移動平均線を活用した分析方法に関する情報はあまり多くはありません。
仮想通貨取引初心者にとって、活用できる移動平均線を更に応用的なやり方で分析する方法はローソク足との関係性を発見することです。仮想通貨市場は24時間365日稼働しています。その市場を表すひとつの指標がローソク足ですが、仮想通貨の場合、文字通り24時間の値動きを示したのが1本のローソク足になります。
仮想通貨取引初心者から一歩上にいくために必要な移動平均線の実践的な分析手法を解説していきます。この分析方法を習得すれば、しっかりとした土台を形成することができます。
仮想通貨取引初心者が覚えるべき実践的な移動平均線の分析方法
仮想通貨市場の動向は予測が難しいですが、仮想通貨での移動平均線の活用方法をしっかり習得すれば、リスク回避を含めた取引スタイルの土台が形成されます。まず、移動平均線の実践的な活用法に必要なもうひとつのツールですが、ローソク足を使用します。ローソク足は冒頭でも説明しましたが、移動平均線と組み合わせて使うことが一般的です。
移動平均線とローソク足の2つの関係性をどのようにみるかという定義ですが、移動平均線とローソク足を重ねて見ることを前提としています。そして、ローソク足との位置関係、移動平均線の傾きについて注目します。この2つに注目することが、まず1つ目に覚えるポイントです。実際の分析でも、チャートを開いたらまず移動平均線とローソク足との関係性を見る癖をつけることが大切です。
移動平均線とローソク足の関係性には主に3つのパターンがあります。
1つ目は、移動平均線より上にローソク足がある。
このチャートパターン(形のこと)が出現したら、仮想通貨の上昇相場もしくは買いのサインとして判断できる形です。又、このチャートパターンがでたときの移動平均線をサポートラインと呼びます。サポートラインとは、ローソク足、つまりある価格帯が存在するとき、その価格帯がサポートラインよりも下落しにくい相場という意味になります。移動平均線の基本パターンの1つですから、忘れないようにすることが大切です。また、このパターンが出ているときは、仮想通貨の買いサインでもあるので利益を狙いやすいです。
2つ目は、移動平均線より下にローソク足がある。
このチャートパターンが出現したら、下落相場もしくは売りのサインとして判断できる形です。また、このチャートパターンがでたときの移動平均線をレジスタンスラインと呼びます。レジスタンスラインは、日本語で抵抗線といいます。レジスタンスラインとは、ローソク足、つまりある価格帯が存在するとき、その価格帯がレジスタンスラインによって天井になっている意味になります。これも、移動平均線の基本パターンなので、覚える必要があります。また、このパターンが出ているときは、仮想通貨における空売りチャンスでもあります。
3つ目は、移動平均線とローソク足が横ばいになっている。
このチャートパターンが出現したら、ボックス相場、及びもみ合い相場と呼びます。この相場が意味するのは、どちらのトレンドにもなっていない、仮想通貨における買いと売り圧力が張り合っているということを表しています。この場合は、仮想通貨取引初心者が手を出すべきではない相場ともいえます。なぜなら、トレンド系指標ではこのサインの予測は難しいからです。したがって、オシレーター系やもっと他のトレンド系指標を覚えてから、取引を行う相場になります。
このように、移動平均線とローソク足を組み合わせることで、3つのトレンドを発見することができます。特に、初心者のうちは、下落相場かどうか分からず不安になりがちですが、このトレンド指標を使って分析することで、簡単な下落相場であれば見分けることも難しくなくなってくるでしょう。
移動平均線の向きを見ることが重要
移動平均線とローソク足の関係性と、基本的なトレンドの読み方が分かったら、移動平均線そのものの線の動きについて注目する必要があります。こちらも、前述と同じで3つのパターンが存在します。
1つ目は、移動平均線が上向きに進んでいる。
これは、単純に、仮想通貨が上昇トレンドであることを示す指標であると同時に、角度にも注意する必要があります。移動平均線の上向き具合が急であればあるほど、上昇トレンドの力が強いという特徴になります。また、上昇トレンドが強いというのは、その仮想通貨に対する買い圧力が高まっているという意味です。
2つ目は、移動平均線が下向きに進んでいる。
これも単純に下降トレンドであることを示す指標であると同時に、角度に注意する必要があります。移動平均線の下向き具合が急であればあるほど、下降トレンドの力が強いという特徴になります。また、下降トレンドが強いというのは、その仮想通貨に対して売り圧力が高まっているという意味ですので注意が必要です。
3つ目は、移動平均線が横ばいである時は、ボックス相場を示しています。
移動平均を複数表示して分析する方法がある
仮想通貨取引初心者から卒業するための要素として、移動平均線を複数使うという方法があります。これは、応用の分析手法といわれていますが、仮想通貨取引を行う上でトレンドをしっかり読む為には必要なので、最初から覚えるべきポイントです。
実践では1本の移動平均線でトレンドを読むことは不可能に近いです。なぜなら、正確性に欠けるからです。1本の平均値では、あくまでごく一部の期間の流れしか表示できません。しかし、3本の移動平均線を使用することで精度が高まります。
そして、3本の移動平均線というのは、短期、中期、長期に分けた移動平均線のことを指します。
移動平均線を3つの期間で分析すると精度が高まる
例えば、100日、50日、20日という移動平均線を用意します。そして、チャートは3か月のものを用意して、移動平均線と重ね合わせます。そうして出てくる答えは、期間別のトレンドが分かります。
100日の移動平均線だけがサポートラインで、50日と20日の移動平均線がレジスタンスラインとして機能しているとすると、半年以上の長期的に通貨を保有するには買いのサインです。しかし、1日や1か月といった短期、中期的には下落相場として判断できるので空売りの準備をするか何も取引しないという選択になります。
このように、3本の移動平均線を同時に使うことで、1本の時には見えなかったそれぞれの期間別に出てくるトレンドを分析することができます。
仮想通貨市場は価格変動が激しいので3本の移動平均線で分析するのがおすすめ
仮想取引初心者であっても、仮想通貨のテクニカル分析をする際には、最初から3本の移動平均線でチャート分析するのがおすすめです。特に中期売買であると、長期と短期でサインが分かれ全体として判断しにくいものもあります。ゆえに3本の移動平均線を最初から使うことで、チャートのトレンドを読む力がついてきます。
まずは移動平均線の使い方をマスターして、トレンド系指標の意味を実践的に体に覚えさせることが大切です。