ビットコインの価格が安定状態に

現在何かと話題の仮想通貨。その中心的存在であり、仮想通貨の代表格といえばやはりビットコインです。2018年1月末のコインチェックからの仮想通貨ハッキング流出騒動、そして2018年2月当初には様々な外的要因の影響もあって、1ビットコインは2017年12月からピーク時から比べると相場が1/3程度にまで下落してしまいました。しかし2018年3月現在、その相場はまた変わりつつあります。ではビットコインには今は投資時なのでしょうか。相場の推移から検討をしてみましょう。

2月頭からビットコインは2倍の価格になっている

2018年2月にはコインチェック騒動や、海外で規制が入ったことなどの要因により、一気に売り筋の動きが活発になったことで、ビットコインの価格は1ビットコインが60万円前後まで一気に下落をしていました。価格の下落以上に危機感を投資家が持つ要因になったのは、1日で下落していく幅が非常に大きいことです。仮想通貨、そしてビットコインのボラティリティの激しさと、安定性の低さが改めて浮き彫りになったのです。

例えば不動産でしたら1日で相場が半額にまで下がることなどまずあり得ません。下がるにしても半年や一年をかけて緩やかに下がっていくようになっています。しかしビットコインのような誰もが簡単にすぐ売買できる投機目的の金融商品の場合は、消費者心理がヒステリックに動くことで、あっという間に価格が下がります。そして皆狂ったように売却を繰り返すという事態になってしまっているのです。

ただし2018年2月初旬に底値である1ビットコイン60万円という価格をつけた後、その後にまた徐々に緩やかに相場は上昇傾向にあり、2018年3月初旬現在では1ビットコインが120万円で推移をしています。これほどまでに下落相場から一気に価格が戻っていくというのもビットコイン、そして仮想通貨投機の特徴と言えるのではないでしょうか。

この2週間ほど1ビットコイン=120万円前後で推移

ビットコインの価格が落ち着いてきた今が投資のチャンスなのかさらに注目をしたいのは1ビットコイン120万円前後の相場で数字をしているのが、ここ2週間ほど続いているというところです。つまり1ビットコイン60万円から120万円までの回復はわずか2週間で行われているのです。これだけ仮想通貨投機の危険性がクローズアップされたにもかかわらず、多くの投資家にとってはまだまだ仮想通貨商品が非常に魅力的であり、大きな金額を稼げるチャンスであるとの認識は変わらないのです。一気に相場が下落をしても、買い場であり、投機チャンスが拡大しているというのが多くの投資家にとっての認識なのです。新規投資参入者にとっては相場の下落というのは改めて仮想通貨市場に参入するのにふさわしい機会だと言えるのでしょう。

ビットコインは2018年2月後半から120万円までで緩やかに上下を繰り返していくという相場が続いている様子です。ではなぜこのような相場が落ち着きを見せるようになったのでしょう。

コインチェック騒動が落ち着いた余波もあるのか

日本の仮想通貨市場がこれほど恐慌的な動きを見せるようになった一つの原因として見逃せないのが、1月末に起きたコインチェック社の仮想通貨流出騒動です。ハッキングにあって一気に大量の仮想通貨が盗難されたということがあり、同社で流出した眠以外の仮想通貨、ビットコインにもその影響は広まっています。結局はコインチェック社のみの影響にとどまらず、仮想通貨全体に対する危機感を投資家や社会に改めて突きつける形になってしまいました。

また金融庁からの行政指導や調査が多数コインチェック社に入り、一躍時の人であったコインチェック社の若手社長も憔悴しきった表情で、会見する様子がテレビで報道されるなど、もうコインチェック社はダメだ、仮想通貨はダメだという雰囲気が広がっていたのも事実です。

しかしその後コインチェック社は毅然とした態度で今回の流出騒動で失われた資産はきちんと投資家に対して返済を行っていくという意思を表明しております。そういったコインチェック社の発表による影響もあって、仮想通貨もきちんと投資対象と取り扱い会社を選んで行けば、やはり大丈夫ではないかという市場に対する安心感が広がってきているのかもしれません。

小規模な波で上下しているので、投資しやすいチャンスになっている

仮想通貨の相場変動の様子を見ると、二週間ほど上が125万円、下のラインが105万円ほどのレンジの中で上下を繰り返している様子になっています。一定の価格帯で上下を繰り返すというのは、投資家にとっては非常に儲けやすいタイミングと言えます。
1ビットコイン105万円程度で価格が下がったタイミングでビットコインを購入し、さらに120万円ぐらいまで上がった段階で売る。これだけの取引を繰り返すだけでお金を増やすことができるのです。もちろんそこまで単純に投資できるわけではありませんが、一定の相場の中での推移繰り返しているのであれば、激しく1日で半額になり、その後どうなるかわからないと行った市況よりもはるかに投資しやすい状況であることは間違いありません。そのせいもあってか、仮想通貨の取引サイトのTVCMなども露出数が減ることもなく、テレビで放送され続けています。

これはつまりビットコイン、そして仮想通貨の取引口座を開設する人はまだまだ多くいるということであり、日本における投資のスタンダード手法としてすっかり定着をしていることの証左にもなっています。

まだまだ注視しなければいけない段階には変わらない

このような2018年3月当初の状況ですが、確かに初心者投資家にとっても一定の価格帯で推移をしているわけですから、仮想通貨売買に参入がしやすいタイミングと考えられるでしょう。しかし、誰もが安心しても万全と投資を繰り返しているだけで仮想通貨投資で資産を増やせるわけではありません。

はっきり言ってしまえばまだまだ全然楽観できる状況にはないと言えるでしょう。コインチェック社は投資家に対して流出による仮想通貨を返還するとの意向を見せていますが、実際に返還が行われているという内容の報道は残念ながらまだ行われていません。会社としては当然ながら、「もうお金を返すことはできません。諦めてください」などと言ったらすぐに倒産してしまうので、返せますと言い続けるしかないのです。

しかし資金調達や流出した仮想通貨の回収かうまくいかずに、結局コインチェック社が倒産してしまったらどうなるのか。やはり仮想通貨は危険すぎる、投資対象としては適切ではないという消費者意識が広がってまた仮想通貨の価格が下落することは想定できるでしょう。ビルゲイツも仮想通貨は非常に危険であり、これに投資をすることは死を意味するというコメントを残しています。もちろんだからといって仮想通貨の将来が全く暗いものではありませんが、安心して投資できる状況にはまだまだないという意識は常に持っておかなくてはいけません。

これから先また一気に価格が下落していくことも十分に考えられるのですから、仮想通貨に投資をするときは早めに利益を確定する、そしてそれ以上に早めに自分の思い通りに相場がうまくいかなかった場合は損切りをするといった、スピーディーな取引が求められていくのではないでしょうか。

傷口が拡大する前に撤退するのは投資の世界で生き残っていくためには絶対行わなければいけない行動です。仮想通貨は歴史が浅いだけに、投資初心者も多く、損切りができない人もいます。相場によってはしっかりと損切りをして、上昇相場では一気に資産を増やせるように、相場の監視を常に行っておきましょう。