ブロックチェーンと聞いて何を思い浮かべますか。仮想通貨の取引をしている人であれば、ビットコインやイーサリアムの決済システムと答える人が多いかと思います。ブロックチェーンは確かにビットコインやイーサリアムの決済システムですが、他にも様々な機能が存在するのです。
ブロックチェーンとサイドチェーンの違い
ブロックチェーンはインターネット環境とアカウントさえあれば誰でも利用できる記録表みたいな物です。ブロックチェーンは24時間常に誰かにチェックされている状態なので不正行為はできません。正規であると判断した人は報酬がもらえます。報酬として有名なのが仮想通貨です。ブロックチェーンは記録された後も不正がないか常に監視されているので正しい記録が最後まで残るような仕組みになっています。ブロックチェーンは主にお金の取引がメインですが、取引記録の中に証明や契約なども記録されます。契約に関しては鍵をかけ誰もが見られない状態にする事ができます。
サイドチェーンはブロックチェーンの拡張機能として生み出されました。サイドチェーンにより送金スピードをあげたり手数料を削減する事ができます。ですが問題点としてはマイニングする際にマージマイニングを導入しなければならない他、マイニングするチェーンを自分で選ばなければなりません。更にはマイニングする際の電力が更に必要になるので相当な量のエネルギーが必要になってきます。
ブロックチェーンとサイドチェーンは別ものではなく、ブロックチェーンの欠点を補うためにサイドチェーンが作られました。ブロックチェーンだけでは膨大な取引量に耐えられません。かといってサイドチェーンを利用する事で多くの電気が必要になってしまいます。
医療カルテ
仮想通貨以外にもブロックチェーンが利用されていることはご存知でしょうか。私自身もブロックチェーンは仮想通貨のものと認識していました。今後医療の場にもブロックチェーンが利用される可能性が高いです。医療の場でブロックチェーンを利用した場合、対応している病院や薬局などで瞬時に患者情報を閲覧する事ができます。
ブロックチェーンを利用する事で国内外関係なく患者の過去の病気情報やアレルギー、持病などといった大切な情報を共有することができます。そのため処方箋などわざわざ、一から作らなくて済みます。過去の情報がブロックチェーンに正確に記録されるので医療ミスなどが減る可能性もあり、高齢者やしょうがい者の方でもスムーズに治療などを受けることができます。
ブロックチェーンであれば前回の購入時期なども記録され、改ざんができないので薬物の大量摂取などといったことも防げる可能性があるのです。薬によっては同時に服用してはいけないものもあるので、ブロックチェーンを利用することでそれを防ぐことができます。薬は服用の仕方によっては危険なことになるのでブロックチェーン技術が利用されればそのようなことを避けられます。
以前受けた手術や前回発症した病気がブロックチェーンで正確にわかれば、治療の手配などがスムーズに進みます。例えば手術をする際などに麻酔などで軽いアナフィラキシーショックを起こしてしまった場合など、次回起こさぬように事前に対策することができます。アレルギー患者はアレルギー物質に敏感なのでそのような記録も必要になってきます。軽い治療の場合は口頭で今まで起こした発作など聞きますが、大丈夫だと勝手に患者が判断してしまう危険性があります。そのようなこともブロックチェーンで未然に防ぐことができるのです。
不動産契約
不動産業界もブロックチェーンに手を出そうとしています。家を借りたことのある人は必ず確認していると思いますが、ブロックチェーンを利用することで仲介手数料などを削減することができます。更に希望の部屋を見つけやすくしたり、以前住んでいた家のデータを元にオススメの物件を提案することもできます。
不動産の場合、ブロックチェーンを利用すればペットを飼ってはいけないのに飼ってしまったことによるルール違反や、家賃や光熱費の滞納も把握することができます。改ざんできないため生活が大変な人に向けてのお勧めもできます。
不動産の契約時には様々な書類が必要になってきます。ですが一度ブロックチェーン上に登録してしまえば簡単な手続きで済ませることができます。マイナンバーなどが登録されている場合などでは、住宅ローンによる税金の控除など自動で手続きをしてくれる可能性もあります。
投票
日本は世界的にみても選挙の投票率が低い国です。日本は現時点で海外ほど生活に苦しんでいる人が少ないことにより、政治などに興味がない人が増えていることがその原因の一つになります。それ以外にも選挙の仕組みが複雑で、政治用語も難しいものとなっていることも挙げられます。日本ではネット環境などがしっかりしており、ほとんどの人がパソコンやスマートフォンなどといった携帯端末、タブレット端末を所持しているのにもかかわらず、ネットで投票することができません。指定された場所に行き、手書きで投票しなければなりません。
Bouleという遠隔投票テクノロジーが存在しますが、Bouleはブロックチェーンを利用した安全で匿名性のあるゲートウェイです。Bouleを利用することで投票結果の高速化や公平性、コスト削減により私たちが払っている税金を抑えることができます。ネットで投票できれば投票率を上げることができ、より多くの意見が政府に行き渡ります。
ブロックチェーンを利用するため投票履歴が残り、改ざんもできません。投票には多くの人件費や紙やペンなどの費用が必要になってきます。紙に関しては後処理も必要になるので様々な費用が掛かってしまいます。こうした問題をブロックチェーンの利用で抑えることができます。
実際に世論調査やアンケートでブロックチェーンを利用し、結果を集めている団体も実在します。選挙だけでなく企業などもこのようなブロックチェーンシステムを利用することができるので一部の人間による不正を防ぐことができるようになるのです。
金融
近年、金融にテクノロジーを利用したフィンテックが加熱しています。テクノロジー面は人工知能が有名ですが、ブロックチェーンも注目されるようになってきました。金融取引は高い信頼性が求められます。証券会社を複数開設しようと申し込みをした時、全ての証券会社に個人情報やマイナンバーカードなどを提出しなくてはいけません。ですがブロックチェーン技術を利用することで瞬時に個人情報を扱えるので手間が省けます。証券会社だけでなくクレジット会社や銀行などでも共有できるので、総資産も正確にわかります。総資産や収入状況が分かれば事前に調べることができ、お客さんに合った金融商品を勧めることだってできるのです。更にインサイダー取引などといった不正取引もブロックチェーン技術で防ぐことができます。
ブロックチェーンが普及することで銀行業界も大きく変化することになります。銀行では預金業務、為替業務、貸付業務がありますがブロックチェーンは人無しでそのような業務ができます。ブロックチェーンの場合は24時間関係なく動いているので実用化すればとても便利なものになります。
貸付に関してはお金を貸した又はお金を借りた情報が永遠に残るので、不正行為をしたり逃げ切ることができません。もし借りている金融機関が複数あった場合はその人に対して信頼がなくなってしまう可能性があるのです。信頼関係は必ず必要なものなので簡単に信頼関係を調べることができます。
仮想通貨はご存知の通り、その多くがブロックチェーンを利用しています。ブロックチェーンは仮想通貨のために作られましたが、仮想通貨以外にも利用されてきています。