仮想通貨に関する取引が最近話題になっている、仮想通貨FXという投資手段。仮想通貨取引初心者の中にも既にこの方法で取引をしている方は少なくないです。なぜならば、仕組みとしては、今までの金融商品や仮想通貨取引方法に変わりがないからです。仮想通貨FXのFXは、文字通り今までにもあった外国為替証拠金取引と同じ意味になります。つまり、FXとは通貨同士の価格差によって利益を得るという金融商品で、その概念を仮想通貨取引にも導入したということです。
仮想通貨取引は、通常ビットコインやアルトコインと取引をして利益を得ていました。しかし、それでは仮想通貨FXとは言えないのです。仮想通貨FXとは、仮想通貨と法定通貨で取引を行い、その価格差で利益を得るという方法になります。実は決済手段として使われている仮想通貨の流れも仮想通貨から法定通貨に変換して、お店側に支払われているので、原理的には既に存在していました。その変換方法を取引に応用したとも言えます。
仮想通貨FXも仮想通貨取引でも、分析を行うことで利確の精度を高めることには違いありません。今回は、テクニカル分析のトレンド系でもよく使われるMACDについて、紹介していきます。
MACDにも移動平均線を用いる
仮想通貨取引でトレンド系指標を使う時には、MACDを覚えることは必須です。MACDは、株式投資やFXなどでも長らく使われてきた指標であり、初心者向けと言えます。
MACDとは、トレンド系とオシレーター系両方の特性を持つテクニカル指標になります。両方の特性を持っていると聞くと、器用貧乏あるいは判断が難しそうなイメージを持ちがちですが、トレンドを知る場合には分かりやすいサインが出現します。そして、MACDは移動平均線を基に計算された指標でチャート分析をするときには、ローソク足、指数平滑移動平均MACDと3種類を同時に見て判断するようになります。
具体的には、短期指数平滑移動平均と長期指数平滑移動平均の差異から導き出したグラフです。そして、実際に分析を行う時には、MACDとシグナルという2つの線から、売買サインを見つけることになります。この2本の線の距離、つまり近いのか離れているのかということで、どのタイミングにどのような動きで売買を行うのが適しているのかという見極めができます。移動平均線でのテクニカル分析は、短期移動平均線と長期移動平均線のクロスパターンや、傾き具合で売買サインを見極めていましたが、MACDもその部分に関しては似たような手法と言えます。仮想通貨取引初心者にとっては、移動平均線の分析方法と似ているというだけで、負担が減るかと思います。
仮想通貨に取引にも応用できるMACDの分析方法
仮想通貨取引や仮想通貨FXも、株式投資でのテクニカル分析やMACDによるサインの判断基準に大きな違いはありません。従って、MACDの分析方法は、投資などで解説されている方法を参考にしても、大きなミスにはならないということを覚えておくと便利です。
MACDは、移動平均線と同様の線がクロスすることによって、売買サインを見つけます。その線というのが、MACDとシグナルという2つの線です。最初のうちは、2つの線があるということだけ覚えておくと分析しやすいです。因みに、MACDは短期指数平滑移動平均を長期指数平滑移動平均で引いた数値になり、シグナルはMACDを移動平均化したものです。
買いのサインを解説します。
MACDがシグナルを下から上向きに超えると買いのサインになります。もっと分かりやすいイメージにすると、MACDが上昇しているときが買いになります。移動平均線の分析方法とほぼ同じサインの出方なので、仮想通貨取引初心者でもすぐ覚えて使えるサインでしょう。
売りのサインを解説します。
こちらは反対に、MACDがシグナルを上から下向きに超えると売りのサインになります。もっと分かりやすいイメージにすると、MACDが下落しているときが売りになります。売りのサインも同様に、移動平均線とほぼ同じサインの出方になります。
しかし、注意する点もあります。MACDは売買サインが他の指標よりも遅く、サインもトレンド転換のなかでも底、天井の時が活用できるサインになるので、必ず他の指標と合わせることが必須です。
MACDのメリットとデメリット
仮想通貨取引初心者でも使いやすいとされているMACDですが、メリットとデメリットが存在します。指標の基本ですが、確実に当たるサインは存在しません。複数の組み合わせや独自の理論を打ち立てることが大切です。
メリット
・売買サインが移動平均線同様のクロス型なので、初心者が見ても一目で売買サインと分かる指標であること。
・既に通貨チャートにトレンドが形成されている場合、そのトレンドに沿ってMACDも推移していたら順張りのサインとして機能しやすいので、使いやすい。
・証券会社や取引所などで配布している分析ツールには、ほぼ確実に備わっているため実践ですぐにMACDを使うことができる。
・判断するために必要な要素がMACDとシグナルの2つだけというシンプルな仕組みと、計算方法は初心者が概念を覚える際にも習得しやすい。
・人気の指標でもあるので、仮想通貨取引の経験者が公表している分析情報などに、MACDを使用していることも少なくないので、参考にしやすい。
デメリット
・売買サインが他の指標よりも遅いため、取引を始めたときにはトレンドが終了している場合がある。
・移動平均線を計算して作られた指標なので、売買が遅く、ダマシも比較的多めであること。
・売買サインとして機能するのが、底か天井の場合が多く、細かいトレンドの転換には不向きと言われている。
・トレンド系、オシレーター系指標の双方の特徴があると言われているが、ボックス相場とは相性があまり良くない。
といった項目が挙げられます。
まとめると、大きなトレンド時の確認として使用出来ることと、比較的分かりやすい売買サインの時に仕掛ける場合に向いている。又、ボックス相場や短期間の取引には不向きでもあるので、中長期で順張りによる取引時に向いていると言えます。
MACDにはダイバージェンス現象ということがある
今後仮想通貨取引にもMACDを活用すると、検討している方にはダイバージェンス現象を知っておいた方が良いです。
例として、
1日前のビットコインの価格が100BTCだとして、現在の価格が50BTCとします。この時、通常のMACDの売買サインであればトレンドに沿うという原理が働き、MACDが下向きにクロスするパターンになるはずです。又、逆のチャートであればMACDが上向きになるはずです。しかし、ダイバージェンス現象が起きると、MACDが上向きになります。逆のパターンでは、MACDが下向きになります。
ダイバージェンス現象が起きたときには、相場がこれから反転するというサインを示しています。従って、今まで上昇相場で、順張り取引を続けていたとしてダイバージェンス現象を見かけたら、早々に通貨を回収して下落相場に備えてポジションをなくすか、空売りを仕掛けるかという方向に切り替わらなければいけません。
ダイバージェンス現象は、MACD以外にもオシレーター系指標でも見られる現象で、相場の流れに逆行するグラフになります。又、この現象は何回も出ることがあり、天井もしくは底になったと判断するのが難しいサインでもあり、仮想通貨取引初心者がこの場面に遭遇したら、ポジションを手じまいした方がリスク管理の観点から見ると、安全です。