仮想通貨取引及び仮想通貨FXどちらもチェックしなければいけない基本の項目が、出来高に関する情報です。株式投資を例に挙げると、株式投資のチャートで出来高の上下はその後のサプライズの予兆や、トレンド転換に関する情報として注目されるものです。仮想通貨取引を始めて間もない状況で、もし出来高について注目せず取引していたならば、今日から出来高や価格帯といった情報も分析に必要な要素であるということを覚える必要があります。又、出来高や価格帯も分析に活用できるので、覚えやすく他の指標に発生したサインの裏付けや、単体で売買サインや市場の状況を判断するのに便利です。

仮想通貨の価値は需給関係により変化するという側面があります。需給関係により大きくバランスが変化するのであれば、価格帯別出来高や、時系列で表示された出来高により需給関係を推測することもできるといえます。

仮想通貨取引初心者が覚えやすく使いやすい指標、出来高について解説していきます。

出来高とは通貨の人気を表す

【仮想通貨取引について】価格帯出来高の基本を覚えて市場の流れを読む仮想通貨取引から金融関係の分野に入った人は、あまり出来高の重要性に気づきにくいと思います。目に入ってくる情報のなかで、板やチャートは分析や取引に必要な情報と認識しやすいですが、出来高というと単純に取引しやすいかどうかという大まかな判断しかしないことが多いと思われます。

しかし、出来高について知っておくと、特に仮想通貨は価格変動が激しいということや、新しい市場という要因により株式投資やFXよりもしっかり売買サインとして機能しやすい場合があります。

出来高とは、買い注文と売り注文の取引が成立した数のことを指します。基本的にチャートに表示されている出来高というのは、1日単位が多いので1日で取引が成立した数を表しているといことになります。これが何を意味するのかというと、出来高の量が多いということは取引している人や取引の回数が多いことになります。

反対に、出来高の量が少ないということは取引している人や取引の回数が少ないことになります。要約すると、出来高によって市場の勢いがあるかといった基準になります。株やFX、仮想通貨も人が欲しいと思う需要によって、価格が変動していきます。もしくは上昇相場へと変わっていきます。

分かりやすい例が、2017年の仮想通貨の上昇です。報道やネットニュースなどで盛んに仮想通貨について情報発信されたことによって、海外の投資家や国内の投資未経験の人達も興味関心が湧き、上昇相場へと、トレンドが形成されていきました。このように、出来高というのはトレンドや今後の市場予測に大いに有効な指標になっていることが理解できます。

そして、どちらが仮想通貨取引初心者に向いているかは、出来高が多い取引市場になります。仮想通貨の出来高が少なかったら、あなたが売りたいと思う価格帯に誰もいないということもありえますし、仮に価格が変動すると注文に厚みがないので、大幅な上昇や下落、暴騰や急落が起こりやすい状態になります。このような事態に対処して利益を出すには、中級者でも難しくプロや上級者で、利益を出すことができるといえます。

まずは、出来高が一定以上あり、維持している通貨を選ぶことが大切です。

出来高には価格帯別出来高が存在する

通常のチャートで仮想通貨を見ると、時系列に沿った出来高を見ることが多いと思います。これは、単に出来高と呼ばれていて、1日やある期間の出来高を表しています。対して、価格帯別出来高というのは、仮想通貨の価格別に出来高が表示されています。通常は横にグラフが配置されています。最近では、仮想通貨取引所が提供しているツールにも、価格帯別出来高という項目があるので、比較的誰でも使用することができます。

通常の出来高では、過去の出来高の増減について確認することはできますが、どの価格で主に取引されているのかということまでは分かりません。しかし、価格帯別出来高では、どの価格で頻繁に取引されているのかを一目で把握することができます。つまり、現在のトレンドがおおまかに分かるということです。

価格帯別出来高の見方

価格帯別出来高の意味は理解したと思いますが、実際の取引にどう使うのが良いのかを解説します。例えば現在100BTCの価格とします。価格帯別出来高で見ると現在の出来高は100です。しかし、150BTCの価格帯は200の出来高になっています。50BTCの価格帯も200の出来高になっています。

上記の意味することは、
・現在の100BTCからまだ上昇するサインとして判断できる
・150BTCまで上昇する可能性が高い
・150BTCで売り圧力が強くなるということは、天井の役割を果たす場合がある
・もし現在のトレンドが上昇であれば150BTCまで上昇する可能性がある
・もし現在のトレンドが下落であれば50BTCまで下落する可能性がある
・50BTCで出来高が200ということは、買い圧力が強いということになり、底値と判断することもできる

ということが推測できます。価格帯別出来高だけでも、これだけの情報を読み解くことができるということは、十分にトレンドや転換サインを予測するのも可能です。

価格帯別出来高のメリット、デメリット

】価格帯出来高の基本を覚えて市場の流れを読む仮想通貨取引初心者であれば、チャートを理解しにくいという方もいると思われます。そのような時は、まず価格帯別出来高を覚える方が良いこともあります。
メリットは、
・現在の出来高を知ることができる
・どの価格まで上昇するのか予測がつけられる
・どの価格まで下落するのか予測がつけられる
・ポジションをどこで持つのが良いか直感的に分かりやすい
・テクニカル指標のなかでも比較的初心者が判断しやすいシンプルなサイン
・価格帯別に相場が動きやすいかどうか把握することができる

といった、相場に関する情報を把握することができるのが強みです。従って、初心者が相場を勉強するのに価格帯別出来高を分析するのも、おすすめです。

デメリットは、
・確実に相場の状況を表しているわけではない
・価格帯別出来高ということは、時系列で判断することができない
・過去の出来高も混ざっているため、現在の相場が変化していた場合その変化に気づくことが難しい
・天井や底値という判断は100%の確率ではないので、他の指標と組み合わせて使うことが好ましい
・機関投資家などが既に売り抜けていたり、買っていたりということはよくあるので、その価格帯に注目しすぎて思わぬチャートの変化に対応できないことがある

といった、単体では売買サインや相場の流れをつかみ切ることはできないというのが、弱みになってきます。しかし、だからといって価格帯別出来高が使えないということではありません。むしろ仮想通貨取引初心者は、相場観を養うためにも価格帯別出来高と移動平均線といった2つ以上の組み合わせで分析や判断を行うようにするのが、良い選択といえます。

出来高を中心に戦略を組み立てる時には、出来高量が多い前後で一旦様子を見る

チャート分析で仮想通貨取引を行う場合には、出来高が多いということや、何かしら変化の大きい場面で、注文を行うことが多いですが、価格帯別出来高を柱として仮想通貨取引するときには、あえて出来高の多い価格帯では取引しないという方法があります。つまり、リスク回避の行動ですがシンプルで安定した取引を行うことができる方法のひとつともいえます。又、仮想通貨取引を始めて間もないのであれば、変化の大きい仮想通貨の相場は様子を見てどのような傾向があるのかを勉強するだけという方が、資産を守る選択肢になります。