仮想通貨取引において分析は必ず必要であり、副業や資産として運用しようと思っているのであれば、尚更分析手法は習得する必要があります。仮想通貨取引初心者が覚えるべきことはたくさんありますが、人によってはリスク管理や管理についてから覚える人もいます。しかし、分析方法を知らなければ、管理以前に毎回の取引でリスクが大きいかすら分からずに取引してしまうことになってしまいます。又、移動平均線や出来高、板の基本を覚えてきた人についても、次の分析方法を覚える必要があります。そこで、今回は、ボリンジャーバンドについて解説します。言葉だけではそのイメージが付きにくい指標ですが、1から覚えればそれほど難しくない指標ということが、分かってくるかと思います。更に、トレンド系指標なので移動平均線やMACDを知っていれば基本的な考え方は同じなので、比較的理解しやすいです。
仮想通貨にも活用できるテクニカル指標のボリンジャーバンド
仮想通貨取引を始めて間もない、あるいはMACDや移動平均線など少しずつ指標を覚えてきた人、初心者でも覚えていることの違いに差はあります。しかし、特にMACDなどを覚えて取引をしている人は感じたことのある感覚でもありますが、移動平均線やMACDを使うことができて取引をしていると、最初の頃より利益を出せるようになって同じ指標ばかり使うという場合があります。しかし、市場というのは、今までは同じパターンで予測がついて利益を出せていたとしても、次の日になったら急にパターンと違う動きになることが多々あります。
ですので、移動平均線やMACDを覚えたからといって取引を簡単に思わないようにすることが、資産を減らさないようにする方法です。
ボリンジャーバンドというのは、移動平均線やMACD、出来高と同じトレンド系テクニカル指標と呼ばれています。トレンド系ということは、今のチャートが売られすぎか買われすぎかということを示す指標になります。ですので、元々は株式投資で使われていた指標ですが、仮想通貨取引にも使用できるということです。又、株式投資では、ベテラン投資家がボリンジャーバンドを使っている事例も多い指標です。
ボリンジャーバンドのポイントは移動平均線
ボリンジャーバンドを構成しているものは、移動平均線と標準偏差と呼ばれるものです。移動平均線は文字通りそのままの意味ですが、標準偏差は初心者の方が聞いたことのない言葉でしょう。
標準偏差とは、例えば10日移動平均線を用意します。10日移動平均線の10日間分の終値から、10日移動平均の平均値を引きます。そして、出た値を二乗し10日分を更に合計します。最後に、10日分割ってルートを取ったものが標準偏差というものになります。初心者の方には、少々分かりづらい計算の仕方ではありますが、最近は高機能ツールがあるので自分で計算する必要はありません。実践では計算結果後の数値でグラフが形成されるのでこのような計算で、作られているのだという認識でも十分です。
つまり、ある期間の移動平均線に対して、通貨の終値がどのくらいばらつきが生じているのかを計算で表したものということです。
因みに計算式を記述すると、
標準偏差=√(10日分の終値-10日分の平均値)の二乗の合計/10日
となります。
ツールとしてボリンジャーバンドを使う場合は、σのついた数字が表れます。
1σ、-1σ、2σ、-2σ、3σ、-3σという名称のついた線があり、合計6本で分析を行います。
仮想通貨にも使える売買ポイント
ボリンジャーバンドとは何かということとσという線を使うことは理解できたと思います。次は仮想通貨にも使える分析方法と売買ポイントについての説明です。
まずボリンジャーバンドは、ある期間の1日の終値が移動平均線よりも剥離あるいは離れているとボリンジャーバンドの線は広がります。逆に、ある期間の1日の終値が移動平均線と近いところにあれば、ボリンジャーバンドは収縮あるいは近くなります。そして、取引所などで配布されているツールにもよりますが、一般的には1σ、-1σの組み合わせというように、3種類の内1種類しか表示できないことが多いです。
ですので、先ほどの拡大、収縮というのは、例えば1σと-1σのペアである線が、移動平均線に対して広がったり、狭くなったりする現象で判断するということになります。
この現象を利用して分析していくのが基本の方法になります。
つまり、前述の計算式を毎回行う、計算式について100%理解せずとも分析できて、売買ポイントまで判断できるようになります。
実際のチャートでは標準偏差を利用したテクニックのひとつである、スクイーズ・エキスバンションがあります。ここでは1σと-1σで表記します。又、移動平均が中心にあり、上に1σ、下に-1σという形が通常です。
スクイーズとは、
1σ、-1σが広がっていた形状が、狭くなっていく現象のことです。
エキスバンションとは、
1σ、-1σが狭くなっている形状から、広くなっていく現象のことです。
そして、スクイーズ・エキスバンションとは、これら一連の現象が連続しておきたときを指します。そして、ここからがエントリーポイントの解説です。エキスバンションの現象が起きると、急騰のサインという観測が確認されていますので、利益確定のチャンスになります。又、他のテクニカル指標を使用することで、更に急騰相場と予測する精度が高まります。
ボリンジャーバンドで注意する点がいくつかある
ボリンジャーバンドは急騰サインを示すテクニカル指標ですが、注意点があることを覚えておくとリスク回避に繋がります。
注意する点として、
・ボリンジャーバンドでチャートを分析する前に、チャートそのものがボリンジャーバンドの中で価格が変動していることが前提です。もし、分析している通貨チャートがボリンジャーバンドから外れたパターンになっている時は、トレンドに大きな変動が起きる可能性があります。ですので、仮想通貨取引初心者の方はこのパターンの時に取引を行うことを控えることが、リスク回避となります。
・ボリンジャーバンドで使われる標準偏差σは、設定した過去の期間を基にグラフを形成しています。ですので、直近の未来の予測に100%当てはまらないことを理解しておくことが必要です。
・ボリンジャーバンドの+側に沿っていれば売りのサイン、-側に沿っていれば買いのサインとして機能します。しかし、σを超える通貨の価格になった場合は、先ほどの逆張り的手法ではなく、順張り手法で取引を行うような戦略に切り替える必要があります。
ボリンジャーバンドは仮想通貨取引初心者でも覚えやすいトレンド指標
ボリンジャーバンドはトレンド系テクニカル指標として、株式投資でもよく活用されています。そして、仮想通貨取引にも最近活用されている事例もあり、仮想通貨取引初心者も活用するメリットの多い指標です。更に、初心者の方の多くが順張り手法による取引で覚えますが、逆張りによる取引を覚えたいという方には、そのままボリンジャーバンドを使用して分析の視点を変えれば逆張り的手法で、取引も可能になります。
仮想通貨取引初心者が順張り、逆張り、そして急騰相場の予測を覚えるのに便利な指標です。これから逆張りで取引戦略を立てたいという人は、まずボリンジャーバンドを覚えることが近道になります。