ビットコインの分析方法も多様化してきている
ビットコイン取引は今や投資家以外の人たちも参入するほど、注目を浴びるものとなっています。2008年頃にサトシナカモト氏が、インターネット上に公開したブロックチェーン技術を含む論文から始まりましたが、実はビットコインはそれ以前の1995年頃にはアメリカ議会で仮想通貨の概念が議論されていたという情報もあります。
このように、ビットコインを含めた仮想通貨自体は以前から概念は存在し、論文公開とともに急速に成長してきた分野です。そして、フィンテックも注目されている分野で、ブロックチェーンはまさにフィンテック分野で今後も活用が期待される技術のひとつです。このようにビットコインの発展はめざましく決済や送金操作、そして現在多くの人が参加している投資も急成長している市場です。
そして、ビットコインじゃ株式やFXと同じような売買方法(チャートや出来高、注文方法)でされるようになり、ビットコインの分析手法についても市場に導入されるようになりました。その分析手法が投資分野(株式など)で、活用されてきたテクニカル分析とファンダメンタル分析です。これらは、元々株式市場のチャートや動向を元に作られてきた手法です。
従ってテクニカル分析で考えられたチャートの形や動きは株式がベースになっています。また、ビットコインにおいてはファンダメンタル分析という分野も経済指標が株式市場にどのような影響を与えるのかということで発展してきた分野ですので、初心者はテクニカル分析やファンダメンタル分析が、ビットコインの発展と同時に作られたものと勘違いしてはいけません。
ビットコイン取引の急速な発展により分析が重要視され、特に時事情報により大きな価格変動がおきることにより、ファンダメンタル要因が注目されています。また、人によってはチャートのみで相場を予測するために、テクニカル分析を活用しています。このようにビットコインでは、どちらの分析手法も使われています。
ファンダメンタル要因の例として、2018年2月に起きたビットコイン価格の急落があります。これは、各国の仮想通貨規制に関する検討や、取引所の通貨流出問題など様々な要因が重なり、ビットコイン価格が下落したといわれています。これもファンダメンタル分析を行えば、ある程度のビットコイン価格が急落するという予測ができるでしょう。次にテクニカル分析ですが、これは人によってチャートと相場予測の考え方が違うので、一概に解説できませんが、この分析方法もある程度のビットコイン相場予測に生かせると考えられます。
ビットコイン投資でのファンダメンタル分析とは
ビットコイン取引を始めて間もない方は、前述のような2つの分析手法を見てもなかなか理解が難しい分野と感じるでしょう。しかし、2つとも概念はそれほど難しいものではないので、基本を押さえればビットコイン初心者の方でも活用することができます。
ファンダメンタル要因とは、どのようなものかというと経済の基礎的条件のことを指します。つまり、仮想通貨で例えると、ビットコインの価値を定める条件とはどのようなものですか、ということです。ビットコインの基礎的条件というと、まずビットコインの技術が挙げられます。ブロックチェーンはその代表的なもので、最近ではNECがビットコインのブロックチェーン技術に関する新たな技術情報を発表しました。このように、仮想通貨技術は発展しておりその信頼性によって、ビットコインの信頼性に関係してきます。
つまりこれもビットコインの価格を決める重要な条件といえます。次は、ビットコインを含む仮想通貨の機能である送金・決済といった通貨としての役割です。そして、決済や送金といった通貨としての役割を担うということで、2018年に楽天が独自の仮想通貨発行の検討を発表しました。このように、企業が市場に参入し、私たちの生活に関わるようになっていくと市場価値も高まるようになり、適正価格が上昇することが考えられます。
これも基礎的条件といえます。次は、各国の仮想通貨に対する評価や規制といった政治的・経済的な発表です。例えばICOの不正利用を防ぐために金融庁が規制を検討している、という報道も市場に影響を与えるファンダメンタル要因になります。つまり外部要因による評価や規制、情報も基礎的条件に含まれます。
ファンダメンタル要因とは、上記のように様々な観点から考えられますので初心者は、まず時事情報を中心としたファンダメンタル分析から始めるとよいでしょう。
ビットコイン投資でのテクニカル分析とは
テクニカル分析とは、元は株式市場の過去のチャートを基に、あるチャートの形や相場の状態になると、買いや売りのサイン・これから上昇トレンドとして判断する分析手法のことです。つまり過去のチャートの傾向から算出された指標を基に、現在のチャートと照らし合わせてトレンドやサインを判断します。
そして、そういった指標をテクニカル指標と呼びます。テクニカル指標には、トレンド系・オシレータ系・時系列を指標に入れているもの・時系列を指標に入れていないもの・その他があります。トレンド系とは、トレンド=流行という意味で、現在の相場の流れが上昇か下落か、どっちつかず(ボックス相場)を判断するための指標です。代表的な指標は移動平均線やローソク足になります。
ビットコイン取引でも同様に、現在のビットコインの方向性が上昇なのか判断するときに活用することができます。次はオシレータ系ですが、特徴が現在のビットコインの相場が買われすぎているのか・売られすぎているのかを判断するための指標になります。代表的な指標がRSIやストキャスティクスになります。オシレータ系は、ボックス相場や逆張りで活用することができ、逆張りとは価格が底値になった場面やその直前で購入し、そこからV字回復のように価格が上昇した時に売る方法です。
このような戦略を使うときに、売られすぎが分かればそろそろ上昇相場に切り替わるという判断ができて、購入する目安になります。オシレータ系もビットコイン投資戦略には欠かすことのできない指標です。
ビットコイン取引でこれから主流になるチャート分析
2つの分析手法は、株式やFXで活用されてきた方法です。ではビットコイン取引ではどれが活用できるのかというと、現段階ではファンダメンタル分析といわれています。理由としては、時事情報によって大きくビットコイン相場が変動し、仮想通貨関連のニュースや指標によっても、ビットコインの価格変動の反応が大きいといったことが挙げられます。
ではなぜテクニカル分析ではないのかと感じる方もいるでしょうが、テクニカル分析がビットコイン取引に活用できないわけではありません。テクニカル分析に必要なチャートデータが集まっていないということと、まだビットコインの価格変動が落ち着いていないということが挙げられます。
ですので、今後ビットコインのチャートデータが蓄積されると、自然にテクニカル分析が有効に働くということになります。従ってビットコイン取引をしている方は、どちらの分析手法もバランスよく覚えることがよい方法です。
ビットコインの短期・長期投資で分析ツールを使い分ける
株やFXでは、テクニカル分析が短期取引、デイトレードやスキャルピングでよく活用されています。そして、ファンダメンタル分析は指標が市場価格に反映するのに時間がかかることが多いので、スイングトレードや長期投資、超長期投資に活用されてきました。
ビットコイン取引が、株やFXのように再現性のある分析結果になるかはデータ不足ですが参考として取り入れてみるのもよいでしょう。また、自分なりにどちらの分析手法も活用して、2018年一年の市場と随時照らし合わせて、1年単位のビットコイン投資の結果を算出してみるのも有効的でしょう。