ビットコインの急騰や、俗に言う億り人といった現象を目の当たりにした一般の人の中には、ビットコインの取引で大きな利益を出したい、ビットコインを購入すれば利益が出るだろうという感覚で、気軽にビットコイン投資を始める場合があります。
特に2017年のビットコイン相場は、長期的な上昇相場になっていたこともあり、どのタイミングでビットコインを購入しても比較的利益を出すことの出来る状態でしたので、ビットコイン投資は簡単だというイメージにもなっていました。
しかし、本来投資というのは価格変動リスクのあるものなので、2017年の相場を見て「ビットコイン取引で大きな利益を簡単に出すことが出来る」と考えたのであれば、それは早計といえます。
市場参加者の中には、これまでビットコイン投資に興味がなかった方も多いです。そして、参加者の中にはビットコインの裁量取引で投資をしているパターンもあり、一回の利益が少ない状態でビットコイン投資を続けている可能性があります。
ビットコイン投資の初心者の中で、利益が少ない人、もしくは損失の方が大きい人は投資の基本を覚えていない可能性があるので、まずはビットコイン投資の基本や考え方について知って自分の身になる覚え方をすることが大切です。
ビットコイン取引で注意すべきリスク
ビットコイン投資の初心者の中には、投資の技術を知らずに感覚で取引している場合があります。2017年のビットコイン相場であれば、ビットコインの上昇相場が長く続いていたこともあり、初心者でも利益が出しやすい環境でした。
しかし、2017年末から2018年3月までは調整相場・下降トレンドに入ったため、ビットコイン投資を感覚で行っている場合、損失が拡大してしまいます。このような状況のときには、まず投資の基礎技術を覚えるようにすることが市場撤退を防ぐポイントです。
ビットコイン投資の初心者がやりがちな取引といえば、直感・感覚で行うパターンです。このような感覚で取引する事を裁量取引と呼びます。裁量取引で投資をしている方もいますが、初心者がこの方法でビットコイン投資を行うと、リスク回避が出来ないことがあります。
この場合のリスクとは、
・分析をしていないので、ビットコインの売買サインが分からず購入機会を逃してしまう
・売りサインを分析していないので、ビットコインを適切な価格で売却が出来ない
・下降トレンドに気づかず、損失許容額以上の含み損になる
・許容損失額以上の投資を行う
・ビットコイン売買における利益率の設定をしていないので、売却ポイントが分からない
・損失ラインを設定していないので、含み損を持ったビットコインが塩漬け状態になる場合がある
などが挙げられます。
これらに共通することは、投資のルールと分析手法を知らない・設定していないことで起きるリスクです。従ってビットコイン投資をおこなっていて、このような場面に遭遇した結果、ビットコインはリスクが高いと感じる事は間違った解釈といえます。
理由として、これらのリスクは、ビットコイン投資の方法を裁量取引から切り替えて、ルール設定と取引技術の基本だけでも覚えれば回避できるリスクだからです。
また、分析手法は今すぐ身に付く技術ではありませんが、取引ルールの設定は誰でも出来ることで比較的簡単な項目の多い内容です。大きい利益を狙うのではなく、継続的に一定の利益を出すことを目的とする場合には、取引ルールなどを覚えることが必須です。
ビットコイン取引の基本
裁量取引のリスクについて解説してきました。次は、ビットコイン投資に必要な取引ルールの基本について紹介します。
ビットコインをはじめとする仮想通貨市場は新しい市場であり、どのような方法でビットコイン投資の戦略を立てればよいか難しく感じる場合もあります。2018年時点でも全ての検証は完了していませんし、まだビットコイン投資におけるスタンダードな方法は確立されていない部分もあります。
しかし、大枠では株式投資や為替相場で、使われてきたツールや考え方をビットコイン投資に応用出来る事例がありますので、その方法を覚えることがよい方法といえます。
まず、ビットコイン取引の基本を覚える最初の項目は、ビットコイン売買におけるルールを決めることです。投資というのは、自由な反面、リスクのある方法で取引をしてもその間違いに気づきにくい事が多々あります。そこで、そのような判断ミスや元々無理のある投資を避ける為に、ビットコイン売買を行う際に、自分にルールを設けるということです。
ビットコイン取引で厳守すべきルールを決める
株式投資などで用いられるルールとして、
・なぜビットコイン取引を行うのか
・どの金額まで利益が必要か
・余裕資金からどの程度資金を準備出来るか
・いつまでに利益目標を達成するのか
・ビットコイン売買が出来る時間帯はいつか
・どのような心理的リスクが自分にあるか理解する
・損失額を許容できる金額はどの程度か
・利益率はどの程度か
・どのような取引手法を用いるか
そして、全てのルールを厳守するというのが、取引ルールの設定になります。ビットコイン取引を始めた人であれば理解出来る項目もあります。
なぜこのような細かいルールを設けるというと、人は損大利小で投資をする心理的要因があるといわれています。
つまり、利益が出始めるといつ価格が下落するか分からないという不安から、利益率の小さい金額で利確してしまう場合があります。また、損失が出始めると、損失を確定したくないという考えといつか上がるだろうという希望的観測により、結果損失額が拡大してしまうという事です。
このように、一般的に裁量取引をすればするほど損失が拡大する方向へ、取引をしてしまうパターンになるので、細かい取引ルールを設けることが必要になります。
ビットコイン初心者は余裕資金で取引を始める
ビットコイン取引初心者が覚えるべき取引ルールですが、全ての項目を厳密に守ることは難しい場合もあります。
そこで、優先すべき事項から取引ルールを設定する方法もあります。まずは、なぜビットコイン取引を始めたのか、どれだけの余裕資金があるのかという2つをまず確認しましょう。
ビットコイン取引を趣味として始めた人は、このルールはあまり関係ありませんし以前から理由がある人、例えば車の購入資金が欲しいなど目的が明確にある場合は、そのままでも大丈夫です。
なんとなくビットコイン取引を始めた人は、目的を作ることが大切です。その目的とは、小さいことでも大丈夫なので、何かゴールを設定することでモチベーションの向上やその他の取引ルールを守ろうという気持ちに変わりやすくなります。
次は、余裕資金がどれだけあるかという事ですが、資金を確認せず口座から引き出してビットコイン取引をしていた場合には、その取引を一旦ストップすることをおすすめします。
もし、生活に必要な資金課からビットコインを購入していれば、生活に影響を与える可能性が高いので、必ず余裕資金から取引を行う事が大切です。
また、余裕資金がどれだけあるかも把握しておきます。仮に、余裕資金が利益目標に対して、短期間で達成することが難しい資金量であれば、より詳細な取引スケジュールを立てることが出来るからです。
ビットコイン取引でチャート分析するための2つの方法
取引ルールで必要な項目として、どのような取引を行うかも含まれます。基本的な取引手法として、順張りと逆張りが存在します。順張りとは、相場のトレンドにそって取引を行う方法です。
対して、逆張りはチャートの底値(天井)を見極めて、その手前から注文を入れて待ちます。そして、底値(天井)から反発して大きく天井(底値)付近まで値動きしたポイントで売る(買い戻し)方法です。
この2つの方法は、人によって向き不向きがあるので、ビットコイン取引初心者はまずどちらも経験して、どちらが技術的・心理的に相性が良いか判断するのが良いです